ドルトン東京学園、ZEB・STEAM校舎2022年9月竣工

 ドルトン東京学園は、STEAM(Science、Technology、Engineering、Art and Mathematics)教育を実現する校舎として、新たにSTEAM校舎を増築する。2021年1月着工、2022年9月竣工予定。基準建物によるCO2排出量に比べ、36.2%の省CO2化が期待できるという。

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STEAM校舎外観
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 ドルトン東京学園は、STEAM(Science、Technology、Engineering、Art and Mathematics)教育を実現する校舎として、新たにSTEAM校舎を増築する。2021年1月着工、2022年9月竣工予定。基準建物によるCO2排出量に比べ、36.2%の省CO2化が期待できるという。

 今回増築するSTEAM校舎は、1階を「クラフト・ラボラトリー」、3階を「サイエンス・ラボラトリー」とし、学習活動の基盤となる中間階(2階)に「ライブラリー」を配置。「ドルトンプラン」の中核をなす「学びの設計、学びの探究、学びの発表」の効果的なサイクルを生み出す。

 各階中心部には、協働・共創の核となる「クラフトセンター」「ライブラリーホール」「サイエンスセンター」を計画。学習やイベントにあわせて連結・分割でき、教科の垣根を超えたコラボレーションや多様な学習に応じた学習空間を創出する。

 STEAM校舎は環境学習装置としても機能し、自然エネルギーや自然の摂理を利用したパッシブシステムを積極的に利用し、自然の熱や光、風、水を有効利用し、省エネルギーに優れた校舎となる。また、学習環境評価ツールは既存/新築含む学校全般への応用が可能であり、今後の学校建築の環境性能向上に貢献する。

 今回の校舎増築は、SDGsに配慮した計画のもと、国土交通省2020年度(令和2年度)第1回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)に採択された。空気と水のカスケード利用や自然エネルギーの多面的利用などにより。基準建物によるCO2排出量に比べて、36.2%の省CO2化が期待できる。

 先導事業として適切と評価されたのは、既存校舎を含めたZEB(Net Zero Energy Building/年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物)スクールを目指した多様な省CO2技術の採用と、学園、大学、設計者の連携。学習環境の評価ツール開発や環境学習への活用計画などで、意欲的な提案と評価されている。

 サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)とは、省CO2対策を強力に推進し、住宅・建築物の市場価値を高めるとともに、居住・生産環境の向上を図ることが目的。家庭部門・業務部門のCO2排出量が増加傾向にある中、省CO2の実現性に優れたリーディングプロジェクトとなる住宅・建築プロジェクトを公募し、国が支援する。

 ドルトン東京学園STEAMアドバイザーの中島さち子氏は、「このSTEAM棟、最高に面白い!内部でアート・サイエンス・テクノロジー・エンジニアリング・数学…が動的に交錯するだけでなく、環境構築や建物の仕組みそのものにもplayful STEAMとSDGsのコアが溢れている。空間の中では、いろんな人や生物やものやこととの出会いがあり、たくさんのワクワクドキドキが生まれ、成長する場となるだろう。ここがある意味で社会のコモンズになり、ドルトンから世界にたくさんのプレイフルな夢を魅せてほしいと心から願う」とコメントしている。

《外岡紘代》

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