高校生の3割が中等度以上の「うつ症状」コロナ×子ども調査

 コロナ禍の影響で、中等度以上のうつ症状がある子どもの割合が、高校生30%、中学生24%、小学4~6年生15%にのぼることが2021年2月10日、国立成育医療研究センターによる「コロナ×こどもアンケート」第4回調査報告から明らかになった。

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PHQ-A日本語版を用いた心の状態
PHQ-A日本語版を用いた心の状態 全 3 枚 拡大写真
 コロナ禍の影響で、中等度以上のうつ症状がある子どもの割合が、高校生30%、中学生24%、小学4~6年生15%にのぼることが2021年2月10日、国立成育医療研究センターによる「コロナ×こどもアンケート」第4回調査報告から明らかになった。

 「コロナ×こどもアンケート」は、国立成育医療研究センターの社会医学研究部・こころの診療部を中心としたグループ「コロナ×こども本部」が、新型コロナウイルス感染流行第3波、感染者数増加傾向が顕著となった2020年11月~12月に実施。コロナ禍で、子どもたちの生活が大きく変わる中、大人と比べて声をあげることが難しい子どもたちの置かれている状況を明らかにしようと、心の健康や悩みに着目して調査を行い、子ども924人と保護者3,705人の計4,629人から回答を得た。

 小学4年生以上の子どもに対しては、思春期の子どもを対象としたうつ症状の重症度尺度であるPHQ-A(Patient Health Questionnaire for Adolescents)日本語版を用いて、心の状態を質問。過去7日間について、9つの質問項目を4段階で尋ね、点数化した。この結果、小学4~6年生の15%、中学生の24%、高校生の30%に中等度以上のうつ症状があった。

 項目のうち、「死んだほうがいい、または自分を何らかの方法で傷つけようと思ったことがある(自殺や自傷行為について考えた)」という質問に対しては、小学4~6年生の7%、中学生の5%、高校生の7%が「ほとんど毎日」と回答した。

 調査を実施した「コロナ×こども本部」は、結果について「日本の子ども・保護者全体を表しているとは言えないかもしれない」としたうえで、「調査を実施した私たちも大きな衝撃を受けている。さらに詳しい調査研究とともに、早急な対策が必要」と指摘している。

 国立成育医療研究センターでは、新型コロナウイルスによる子どものストレスへの対処法などをリーフレットにまとめ、Webサイトに公開している。また、コロナ禍で悩みを抱えている子どもたちのために「こころ×子どもメール相談」を実施している。対象は18歳までの子ども。相談期間は、3月31日までの土曜・日曜・祝日、各日午後3時~午後10時。メールで相談を受け付け、同センターこころの診療部の医師や心理士などが返信を担当している。

《奥山直美》

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