都内小中高生、コロナ禍でネット利用増…トラブルも

 小中高生の保護者の過半数が、新型コロナウイルス感染症の影響で子供のインターネット利用時間が「増えた」と回答していることが2021年4月28日、東京都の調査結果からわかった。「トラブルが増えた」という回答も約1割あり、内容は「注意しても長時間使用」が最多だった。

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 小中高生の保護者の過半数が、新型コロナウイルス感染症の影響で子供のインターネット利用時間が「増えた」と回答していることが2021年4月28日、東京都の調査結果からわかった。「トラブルが増えた」という回答も約1割あり、内容は「注意しても長時間使用」が最多だった。

 「家庭における青少年のスマートフォン等の利用等に関する調査」は2021年2月24日~3月1日、都内在住の小学生・中学生・高校生にスマートフォンを持たせている保護者2,000人を対象に実施した。ただし、スマートフォンの所有率のみ、都内在住の小学生・中学生・高校生の保護者2,000人が対象。

 スマートフォンの所有率は、前年度比2.7ポイント増の58.1%。学齢別では、小学校低学年22.4%、小学校高学年34.4%、中学生79.8%、高校生95.6%。前年度と比較して、小学校高学年で微減となった以外は、各年齢層で増加している。

 新型コロナウイルス感染症の影響による子供のインターネット利用の変化では、全体の50.1%が「利用する時間が増えた」と回答。「変化はない」と回答した人が41.8%いた一方、「ルールを守れないことが増えた」は10.7%、「トラブルが増えた」は5.2%あった。「トラブルが増えた」は、子供の年代が低いほど比率が高く、小学校低学年は9.6%と、他の年代の2倍以上だった。

 インターネットの利用時間が増えた人に対して、おもに何をする時間が増えたかを複数回答で尋ねた結果は、「動画配信・動画共有サービスで動画を見る」が63.6%でもっとも多く、いずれの年齢層でも6割を超えた。ついで「メッセージアプリ(LINE等)で家族・友人等と連絡を取る」38.5%、「オンラインゲームで遊ぶ」35.4%等。「メッセージアプリで家族・友人等と連絡を取る」「SNSの閲覧・投稿をする」は中高生の割合が高かった。

 トラブルが増えた人に対して、トラブルの内容を複数回答で尋ねたところ、「注意しても、長時間使用するようになった」が59.2%で最多。「アプリやゲームの購入・課金等により、多額の請求が届いた」37.9%、「メールやSNSが原因で友達等とトラブルになった」30.1%と続いた。中には、「ネット上で知り合った人と会う約束をしたり、実際に会う等していた」「下着姿や裸の写真・動画を撮ったり送ったりしていた」との回答もあった。

 一方、スマートフォンのフィルタリング設定率は、前年度比3.3ポイント増の47.3%。学齢別では、小学校低学年55.6%、小学校高学年52.3%、中学生53.5%、高校生34.3%。TwitterやFacebook、Instagram、TikTok等、一部のSNSに利用規約上、年齢制限があることについては、約4割の保護者が「知らなかった」と回答した。

 スマートフォンを所有する子供が、SNS等を通じて知らない人とやり取りをしたことがあるかについて、「ある」と回答した保護者は全体の約2割。「わからない」と回答した比率は、子供の年代が上がるほど高く、高校生の保護者では4割にのぼった。

《奥山直美》

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