DX人材になりたい主婦層24.7%、国立大理系学生は約2倍

 昨今耳にする機会の増えた「DX」。主婦層の約6割が「名前も内容も知らない」と回答し、DX人材になりたいと思う主婦層は4人に1人にとどまることが、しゅふJOB総研が行った調査により明らかになった。同調査を国立大理系学生にも行い、比較をまとめている。

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しゅふJOB総研調査「DX人材になりたいと思うか?」
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 昨今耳にする機会の増えた「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。主婦層の約6割が「名前も内容も知らない」と回答し、DX人材になりたいと思う主婦層は4人に1人にとどまることが、しゅふJOB総研が行った調査により明らかになった。同調査を国立大理系学生にも行い、比較をまとめている。

 仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関「しゅふJOB総研」は、主婦層を対象に「DXと人材」をテーマとしたアンケート調査を実施。2021年7月14日~27日にかけてインターネットで調査を実施し、580件の有効回答を得た。なお、理系学生採用支援を行うテックオーシャンが国立大理系学生280名を対象に同調査について実施。主婦層への調査結果を軸に、一部質問項目について国立大理系学生との比較による分析・検証をしている。

 日本におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)について、経済産業省は「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、 文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォームを利用して、新しい製品やサービス、 新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」と定義付けている。ビジネスの側面では、概ね「デジタル技術の活用によって企業のビジネスモデルを変革し、新たなデジタル時代にも十分に勝ち残れるように自社の競争力を高めていくこと」という意味合いで用いられることが多い。

 調査において、DXという言葉を知っていたかとの問いでは、「名前も内容も知らなかった」が61.2%、「名前は知っていたが内容は知らなかった」が22.6%となり、主婦層の8割以上が詳しく認知していないことが判明。一般用語として浸透する過渡期にあることがわかった。社会全体でDXを推進すべきと思うかとの質問には、主婦層の40.7%が「思う」と回答。同じ質問に対する国立大理系学生の回答では「思う」が89.6%にのぼった。

 DX人材になりたいと思うかとの問いには、主婦層の24.7%が「思う」、19.1%が「思わない」と回答。国立大理系学生は「思う」が59.3%となり、主婦層の2倍以上の数値に。自身がDX人材になることを希望するかどうかは、DX推進の必要性を感じているかどうかと関連していることがうかがえる結果となった。

 世の中にDX人材を増やすために必要なことは何かと聞いたところ、主婦層では「企業にてDX人材育成の研修を促進する」、国立大理系学生では「大学等の高等教育でDXに関するカリキュラムを増やす」がもっとも多い結果に。また、「幼少期の教育からDXに関するカリキュラムを設ける」「職安等の公共機関でDX人材育成の研修を促進する」の2項目の比率では主婦層と国立大理系学生との間で顕著な差が見られ、いずれも主婦層のほうが比率が高くなった。社会に出た後と出る前の違い、子供がいるかいないかの違い等、主婦層と学生のそれぞれが置かれている立場から、必要と感じることに違いが表れたようだ。

 自身がDX人材になれると思うかと聞いたところ、主婦層も国立大理系学生も「わからない」が過半数を占めたものの、主婦層では「思わない」31.9%が「思う」9.5%を大幅に上回る結果に。一方、国立大理系学生では「思う」29.3%が「思わない」16.4%を上回った。

 フリーコメントに寄せられた主婦層の声をみると、「思う」と答えた理由には「すでにDX人材になっているから」「勉強する意欲があるから」「さらにスキルを身に付けたいと思っているから」といった肯定的な意見が寄せられたのに対し、「思わない」の理由では「これから学ぶには時間が足りない」「何の事だかさっぱりわからない」「具体的にイメージがつかない」といった意見が多くを占めた。自らがDX人材になることを具体的にイメージできている人とそうでない人との間には認識ギャップが大きいことがみてとれ、自らがDX人材になれると思うかどうかの“自信”の差に影響を与えているようすがうかがえる。

 しゅふJOB総研の研究顧問・川上敬太郎氏は調査結果に対し、「社会全体はDXを推進する方向へと流れており、誰もがDXと関りながら生活し仕事に携わっていくことが想定される中で、DX周りの情報がより身近に感じられるような取組みが今後ますます重要になってくるように思います」とコメントを寄せている。

《畑山望》

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