【大学受験】共通テスト大幅難化の今、受験生に求められる力とは

 2022年度の大学入学共通テストは難化傾向が顕著だった。高校1年生から新学習指導要領となり、受験生や保護者の不安も高まる中、大学受験の学習はどのようにはじめれば良いのだろうか。変動期の「大学受験」の心構えについて河合塾マナビスに聞いた。

教育・受験 高校生
PR
河合塾マナビス 取締役 教務部部長 藤吉俊介氏
河合塾マナビス 取締役 教務部部長 藤吉俊介氏 全 6 枚 拡大写真
 2022年度の大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が2年目を終了した。河合塾が公開した「2022年度大学入学共通テスト概況」(2022年1月20日、大学入試情報サイト「Kei-Net」に掲載)によると、志願者数・受験者数ともに前年並み、平均点が前年度に比べて下がった科目は半数を超え、文系型・理系型ともに難化傾向が顕著となった。

 一方で、河合塾が進路指導に携わる高等学校の教員365名を対象に行ったアンケート「2022年度大学入試 受験生の傾向~高校教員アンケート結果より~」(2022年1月24日 大学入試情報サイト「Kei-Net」掲載)では、目標を高く設定するチャレンジ志向の受験生が3割にのぼり、受験人口の減少による大学入試の競争の緩和が影響している。同時に進路決定には保護者が深く関わる傾向は続いているという。

大学入試で求められる「自ら学ぶ力」



 さらに2022年4月からは高校1年生より新学習指導要領がスタート。この新学習指導要領では、グローバル化や技術革新、生産年齢人口の急減など、目まぐるしく変化する予測困難な社会にあって「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱をバランスよく育むことで「生きる力」を身に付けることが求められている。この新課程に対応するために、2025年度の共通テストでは、新教科の「情報」を加えた7教科21科目へと再編が予定されている。文部科学省は各大学に対して2025年度入試の方向性を早期に公表するよう要請しており、今年度(2022年度)には各大学から入試情報が順次発表されるものと考えられる。

 こうした変動期における受験勉強はいつどのように進めれば良いのだろうか。河合塾マナビスの取締役 教務部部長 藤吉俊介氏と、吉祥寺校校舎長 伊藤春馬氏に大学受験の学習のあり方や保護者の心構えについて聞いた。

受験勉強スタート時期に「早すぎ」はない



--大学受験に向けての学習はいつごろからスタートすると良いでしょうか。

藤吉氏:いかにコンスタントに学習を継続できるかが受験結果には影響するので、スタートは早すぎることはありません。もちろん、高校生活は部活に打ち込み、高3から慌てて受験勉強をはじめる方もいるでしょう。この場合の学習時間を考えると、やはり現役合格のリスクが高まるのは事実です。

 たとえば、高3の4月から共通テスト本番まではおよそ270日程度になります。そこから頑張って1日4時間勉強しても、やっと基礎事項を頭に詰め込めたかどうかの状態で受験を迎えます。これが高1からコンスタントに学習を継続すれば、高2の前半には基礎事項は頭に入り、それ以降1年半をかけて実践的な演習ができます。2022年度の共通テストや各大学の入試に見られたような思考力が試される問題を解くための準備ができるのです。

河合塾マナビス 取締役 教務部部長 藤吉俊介氏
--何からはじめると良いでしょうか。

伊藤氏:高1生はまず最初に自分を客観視して「文理選択」を考えはじめましょう。文系ならば英語と現代文、理系ならば英語と数学の基礎学力の向上が重要です。これらの科目は習得に時間がかかるので早く手掛けるべきです。

 科目別には、英語ならば単語と文法事項、現代文ならば漢字や日常生活で利用頻度の少ない難しい用語の意味を覚えること等が挙げられます。現代文は頻出するテーマに日ごろから触れてほしいと思います。現代文で培った力は、最終的に英語にも影響力が及びます。それは、難関大学になればなるほど、訳した日本語が抽象的で難しいからです。単語や文法がわかっても内容が理解できません。その意味でも世の中で起こっている事象にいかに触れ続けるかは大事なことといえるでしょう。

 数学は演習の量が必要です。高校によっては学校行事もあり、教科書を終えるのが高3の夏か、秋以降になるなど、演習に充分な時間が取れない場合があります。このため英語と数学は、私たち河合塾マナビスのような映像授業などを用いて早期に網羅してほしいと思います。

 特に気をつけてほしいのは、理系で受験までに理科が間に合わないケースが増えていること。私たちは面談の時に、高2の夏休みの終わりまでは文系ならば英語と国語、理系ならば英語と数学をしっかりと進められる学習時間を確保してくださいといつも伝えています。

--受験勉強に取り組む際の注意点を教えてください。

伊藤氏:まず自分のレベルに合ったものに取り組むこと。特に学習リズムが崩れてしまってから、再び学習習慣を作る場合は、難しすぎるとすぐにわからなくなり続きません。自分でもわかる、できると実感できるものが望ましいと思います。積み重ねて力がつくものを慎重に選んでほしいと思います。

河合塾マナビス 吉祥寺校校舎長 伊藤春馬氏

外の力を借りて保護者はほど良い距離感をキープ



--保護者からの相談はいつごろ、どのような内容が多いでしょうか。

伊藤氏:高1では、お子さまが勉強しない、定期テストの結果が良くない、特定の科目の学習成果が表れないという短期的な悩みが多いですね。最近ではセンター試験から共通テストに変わったことから、今の大学入試は自分たちのころとは違うのでよくわからない、あるいは、違いはわかるが不安だという方もいらっしゃいます。

 中学受験や高校受験で、これまでも学校選びに悩んできた熱心な保護者の場合、お子さまが通う高校のカリキュラムや学習内容に、大学受験の観点でどんな強みと弱みがあるかを客観的に見たいというお話が多いようです。たとえば、中学受験で英語教育に惹かれて入学し、確かにそのとおりだったが、大学入試で全教科が必要になる場合、理系科目はどうすれば良いのか等。こうした質問は特に高1から高2の前半では多いです。高3は受験が1年以内に控えているがどうしたら良いのかといった、受験が近づくほど漠然とした質問内容になります。1日でも早く私たちのような予備校に今の状況をご相談いただければ、課題が明確になり道筋を示すことができると思います。

 また志望校選びでは、お子さまと保護者の意見が一致しているのが望ましいですが、たとえば、本人は私立志望だが保護者は絶対に国公立と言ってお互い譲らない場合もあります。親子のコミュニケーションは大切ですが、過干渉は好ましくありません。保護者がすべて関わるより、うまく外部の力を使っていただくようにし、お子さまの学習スケジュール管理は、私たちのようなプロにお任せいただくのが良いでしょう。高校生にもなると小さいころよりも大人の力から離れたい、という気持ちが強く出てきます。その時に影響力をもつのは先輩等のお兄さん、お姉さんのような存在の場合もありますので、受験を経験した河合塾マナビスのスタッフならば適切なサポートができると思います。

--第一志望の大学に合格できる生徒の特徴を教えてください。

伊藤氏:まず私たちが提案するものに関して、自分を客観視しながら論理的に意見を言える生徒は受かるケースが多いと思います。また私たちがこうした方が良いと言ったものを、きちんと受け入れて素直に取り組む生徒も合格するタイプと言えるでしょう。

 もちろん、どんな生徒でも、私たち河合塾マナビスではスモールステップで課題解決をしていきます。映像授業を活用して効率良くしっかりと学習量を確保しながら成績を伸ばしていけば現役合格は見えてきます。

「どんな生徒でも、私たち河合塾マナビスではスモールステップで課題解決をしていきます」と語る伊藤氏

個別カリキュラムに基づいた実力講師による映像授業の活用が成功のカギ



--河合塾マナビスの特徴を教えてください。

藤吉氏:まず最初にオーダーメイドカリキュラムがあげられます。私たちは生徒ひとりひとりにプランニングという形で個別のカリキュラムを作ります。最初に学力をしっかりと測り、ここからスタートすればスムーズに継続でき、希望大学の受験にも間に合うスケジュールを立てて、その生徒に最適化した学習を実現します。学校や集団塾、個別指導と違って周りの進度には関係なく自分のペースで学習が進められるのも利点です。

 次に学習アドバイザーの存在です。学習を継続する中で、生徒本人の状態を指導者側がしっかりと把握するのはとても大切です。河合塾マナビスでは、生徒ひとりひとりに固定の担当者がつきます。この担当者を「学習アドバイザー」と呼んでいます。学習アドバイザーが定期的に面談を行い、模擬試験の結果等から、順調に進んでいる、こういうことを身に付けられるようになってきた、ここではちょっと苦労しているなといったことを細かくチェックしたうえでアドバイスをしていきます。

 授業の後には必ず、5分程度のショートコーチング「アドバイスタイム」を設けています。予習で間違いがあれば、動画で先生はどう解説していたのか、なぜ自分はこの答えを選んで、なぜ先生はこの答えなのかといった質問をしていきます。映像授業はとてもわかりやすく、その分、わかった気に陥る場合もありますから、生徒自らがアウトプットする時間を設けることで、しっかりとした理解や定着を促しています。

--映像授業について教えてください。

 河合塾マナビスの映像授業は、河合塾の現役講師が出演し、河合塾がグループをあげて制作した教材を使用しています。受験に必要なコンテンツは、高校の入門の手前から東大受験者向けのものまで全教科揃っています。英語と数学だけしかない、国語は現代文と古文が一緒になってしまっている、基礎レベルしかないといった抜け漏れはありません。

 講師は実際に河合塾で教壇に立っている、「わかりやすい」と評判の先生を中心に組み立てています。講師も常にライブでレギュラー講座をもっていて、今の生徒がどれぐらいできるのかを把握しています。生身の生徒を見ている先生が担当するリアリティは河合塾マナビスの映像授業ならではです。

「実際に河合塾で教壇に立っている精鋭講師の、リアリティある映像授業を揃えられるのは河合塾マナビスだけ」と語る藤吉氏
 テキストも河合塾グループ全体でこだわりをもって制作しています。複数の講師が毎年の受験問題を精査し、レベル別に量と内容をチームでしっかりと検討したうえでテキストが生まれます。講師1人だけで制作すると、内容に偏りが生まれてしまうきらいがあるので、複数の講師が共同で分析をしています。そのため正確性が非常に高く、客観的に大学入試や今の生徒を捉えて制作した映像授業とテキストは河合塾マナビスだからこそ実現できるものです。

--今の中高生はネットで教育系動画を探して視聴することが多いですが、どのようにお考えでしょうか。

藤吉氏:ネットで動画を探すときは目的をはっきりさせた方が良いでしょう。ネットの授業動画は瞬間的には面白く、わかりやすいと思いますが、受験で身に付けなければいけない内容の網羅性という意味合いでは満たしていません。

 もちろん、わからない時にこう考えれば良い、という答えをくれる動画を参考にすること自体は決して悪くないと思います。しかしながら、それはピンポイントで疑問の解消に使う時に役立つものです。ネットで探す授業動画とは別に、受験のための学習を網羅する映像授業にしっかりと取り組んでほしいと思います。

多様な価値観との出会い、将来につながる自己発見に向けて



--受験生に向けてメッセージをお願いします。

伊藤氏:レベルの高い大学は多様な価値観をもつ人たちが多くいますので、そういう人たちと触れ合うことで自分の価値観を作り上げることができると思います。そんな自分の将来を想像したうえで、勉強に励んでほしいです。学習に不安を感じる場合は、私たちのような受験のプロにまずは相談してください。河合塾マナビスにいる受験のプロが、課題を明確にして全力で現役合格に向けてサポートします。

藤吉氏:大人が守ってくれる世界から、一歩ずつ自分で歩き出そうとする時期が高校生で、その時期にあるのが大学受験です。自分なりにこういう方法でできたという経験をもてるのはとても大事です。将来、仕事に臨むときの自分なりのリズムやアプローチの原型ができます。その過程では、きっと試行錯誤もあり、さまざまな自己発見もできる可能性があると思います。河合塾マナビスで、そうした可能性につながるチャンスを見つけてください。

2022年度 河合塾マナビス合格者体験談



◆伊藤諒さん(東京大学文科二類/さいたま市立浦和高校)
 校舎の雰囲気が非常に良く、担当のアドバイザーの方と二人三脚で第一志望校をめざし続けることができました。自分の実力を上げるために必要な講座を、自分なりに無理のない形で受けられたので、着実に力を付けられ、少しずつ合格への道が開けていったのだと思います。大学生のスタッフの方々とも勉強のことから雑談まで気軽に話せて、第二の家のような感覚でマナビスに通っていました。

◆淺田莉央さん(早稲田大学基幹理工学部/私立富士見高校)
 部活で忙しい人でも受講のペースを調整できるなど融通が利くと知り、高1生の時に入会しました。硬式テニス部に所属し高3生の始めまでは部活があったので、22時半まで開館していた点でも大いに助けられました。また映像授業の中では、「総合数学I・A・II・B(レベル3)」という講座が印象に残っています。数学の基本的な部分の総復習がしっかりでき、担当の講師が陽気で優しい印象の方だったので数学を楽しいと思うことができました。

◆鈴木優斗さん(大阪大学基礎工学部/六甲学院高校)
 自分の勉強に対する考え方や取り組み方を尊重して、そのうえでどうすれば学力が付くのか、ということを親身になって一緒に考えてくださるアドバイザーの方と出会えたことが、私にとってとても大きかったです。年間を通しての勉強の進め方についても手厚くサポートしてもらいました。また校舎にはさまざまなアドバイザーもおり、常に複数の角度からのサポートが得られるとても良い環境で勉強できたことがとてもありがたかったです。

 教育改革も本格化する中での大学受験は、受験生、保護者ともに多くの不安があり、周囲の情報に振り回される場合もあるだろう。河合塾マナビスは、生徒ひとりひとりに個別最適化した学習カリキュラムと受験のプロによるサポートが得られ、受験生本人はもちろん、保護者にとっても心強い存在だ。大学受験に向けて少しでも迷いや悩みがある高校生は、日本全国約330校舎展開している河合塾マナビスからお近くの校舎を選び、無料講習・見学に訪れてみてはいかがだろうか。

自ら学ぶ力で、大学現役合格を。「河合塾マナビス」

《佐久間武》

佐久間武

早稲田大学教育学部卒。金融・公共マーケティングやEdTech、電子書籍のプロデュースなどを経て、2016年より「ReseMom」で教育ライターとして取材、執筆。中学から大学までの学習相談をはじめ社会人向け教育研修等の教育関連企画のコンサルやコーディネーターとしても活動中。

+ 続きを読む

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集