タブレット導入でランドセルの重さが悪化…解決策は?

 小学生の約9割がランドセルを重いと感じ、親は負担が軽減されるなら買い替えも検討する意向があることが、フットマークが実施した調査でわかった。調査対象は小学校1~3年生とその親1,200組。調査期間は2022年10月。調査はインターネットで行われた。

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ランドセルの重さに関する意識調査
ランドセルの重さに関する意識調査 全 4 枚 拡大写真

 小学生の約9割がランドセルを重いと感じ、親は負担が軽減されるなら買い替えも検討する意向があることが、フットマークが実施した調査でわかった。調査対象は小学校1~3年生とその親1,200組。調査期間は2022年10月。調査はインターネットで行われた。

 ランドセルの重さは平均4.28kgで、2021年の3.97kgと比べて増加。小学生の93.2%が「ランドセルが重い」と回答し、保護者の89.5%もランドセルが重すぎるのではないかと感じていた。

 ランドセルが重いと感じている小学生のうち、3人に1人が通学を嫌がった経験があり、3.5人に1人が通学時に身体の痛みを訴えたことがあることが判明。「ランドセル症候群」が懸念される結果となった。また、64.5%の親子がより良いカバンに買い替えを検討したいと回答しており、革製以外のランドセルの存在も41.8%の親が認知していた。

 長年ランドセルの重さと児童への影響を研究している白土健先生は、「2020年度からスタートした新学習指導要領により、ICI教育推進が推進され、電子端末の支給がはじまりました。それに伴いランドセルの中身は教科書+タブレットの併用で重さが増したと考えられます。加えてコロナ禍の影響から水筒の持参、衛生観念の徹底により副教材も持ち帰りが必要とされる実態もあります。」とコメント。

 文部科学省が発表した「端末利活用等の実態調査」によると、公立小学校の96.1%で端末の利用が始まっている。2024年からは「デジタル教科書」が本格導入される予定だが、当面は紙との併用が望ましいとの見解を同省は発表している。

 白土先生は「小学生=革製のランドセルという根強いイメージがある一方で、従来の価値観からの脱却とも言え、選択肢の幅が広がっているのではないか」との見解を述べた。

 たとえば、北海道小樽市では1970年ごろから独自のナイロン製バッグが誕生し、今では新入生の7割が使用している。他にも軽量化された通学カバンは、京都府をはじめ、長野・岐阜・埼玉・茨城の一部の地域で使われている。

《藤本ゆう子》

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