【保護者座談会】中学受験には欠かせない「歴史まんが」活用術

 子供たちが初めて出会う歴史学習の書籍、そして中学受験生必携の教材として欠かせないのが「歴史まんが」。ふだんの勉強や中学受験に「歴史まんが」を活用したという保護者4名に、その活用法から受験の苦労話までを伺った。

教育・受験 小学生
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学習教材として欠かせない「歴史まんが」
学習教材として欠かせない「歴史まんが」 全 6 枚 拡大写真

 中学受験熱が高まる昨今、わが子の受験に向けて家庭学習の教材を検討している小学生保護者も多いだろう。そんな中、KADOKAWAが行ったインターネット調査によれば、なんと全体の91.7%が「歴史まんが 日本の歴史」を中学受験に活用した(役立った)と回答している。

 子供たちが初めて出会う学習教材、そして中学受験生必携の教材として欠かせないのが歴史まんが。ひとことで「歴史まんが」といっても、「偉人伝」から「日本の歴史」「世界の歴史」まで多岐に渡る。ふだんの勉強や中学受験に歴史まんがを活用したという保護者4名に、その活用法から受験の苦労話までを語ってもらった。

参加者(いずれも仮名)

中村さん:雙葉高等学校1年女子のお母さま、偉人伝は祖父からのプレゼント
長田さん:渋谷教育学園渋谷中学校2年女子のお父さま、断然リビング学習派
根本さん:東京都立小石川中等教育学校3年男子のお母さま、歴史まんがは本人が選んだ
野崎さん:東京都立小石川中等教育学校3年男子のお母さま、受験とサッカーの両立に苦心

初めて出会う歴史まんがは「偉人伝」

--偉人伝をきっかけに学習まんがと出会うご家庭が多いようです。皆さんのご家庭はいかがですか。

中村さん:娘が小学校低学年のうちに、私の父が「読ませたら?」とプレゼントしてくれました。初孫で女の子だったこともあって、ヘレン・ケラーやキュリー夫人等です。娘も「おじいちゃんからもらった」と喜んで読んでいました。

長田さん:通っていた小学校が本を読ませようという方針だったので、2年生くらいからいろいろ読んでいましたね。

野崎さん:私自身、ヘレン・ケラーの偉人伝がすごく好きで、小学1年のころに学習まんがで読んだのを覚えています。息子も3年生のころに同じ偉人伝を読んで、それをきっかけに図書室にも通うようになりました。

歴史まんが「日本の歴史」との出会いはいつ?

--塾では小学5年の2学期から日本史を教え始めるようですが、その前のタイミングで「日本の歴史」を読み始めるご家庭が多いと聞きます。進学塾によっては「5年生の夏休みまでにひととおりまんがで読んでおくように」と指導しているところもあるようですね。

根本さん:「日本の歴史」は学校の図書室にあったので、友達と取り合いで読んでいたようです。実際に購入したのは受験を決めた4年生のときですね。神保町の三省堂に行って、各社版を見比べて本人が集英社旧版に決めました。学校の図書室にあって読み慣れているからという理由で選んだようです。

中村さん:まだ受験をするかどうか決めていませんでしたが、小学4年生の段階で「角川まんが学習シリーズ 日本の歴史」の新聞広告を見て、セット購入しました。監修者のお名前(元東京大学教授・山本博文先生)やサンプルとして掲載されていたまんがを見て、これは良さそうだなと。歴史の流れを知っておくことは大切ですし、受験をしようがしまいが今後役立つだろうなと思いました。

長田さん:わが家はセット購入ではなく、出版社もバラバラで気に入ったものを買うという感じでした。3歳上の兄からのお下がりも多かったです。2人とも本が好きだったので、複数の出版社のもの(小学館旧版、集英社旧版等)を買っていました。

野崎さん:私の母が「孫たちに読んでもらいたい」と、各社の「日本の歴史」をセットで買っていて、気に入ったものを借りに行きました。うちは受験を決めたのが5年生と遅かったので、その時点で読み始めました。

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アンケートによると、中学受験を体験した子供の100%が「日本の歴史」を読んでいる

歴史まんがをふだんの勉強に活かす方法

--「日本の歴史」を読んでいるからといって、それが成績に直結するわけではないというお悩みをおもちの親御さんも多いかと思います。ふだんの学習やテストで、どのように歴史まんがを利用していましたか。

長田さん:受験勉強では覚えることがたくさんありますよね。歴史まんがは覚えようと思って読んでいるわけではないのですが、それでも全体の流れをつかむことができます。受験の教材と歴史まんがの両方を使うことで、苦手な社会を克服できたような気がします。

中村さん:受験問題を正答するには、やはり学習まんがだけでは不十分だと感じました。でも興味をもつかもたないかという段階で、まんがは非常に有効だと思います。そもそも興味がもてないとモチベーションも成績も下がってしまうので。塾で学習したあとに「まんがのここに書いてあったよね」とか「この問題はまんがの何巻にあったよ」という会話をしながら、本当に覚えなくてはいけないことの補助として使っていました。

--歴史が好きになるためのきっかけとして使ったのですね。

中村さん:はい。写真だとそうでもないのにまんがだとイケメンキャラになっていて、その差に親子で笑いながらも、そうやって知識が少しずつ入っていけば良いなと思っていました。

根本さん:時代によって好き嫌いが激しかったので、好きな時代の歴史まんがを何度も読んでいました。特に好きなのが古墳時代で、誰がどの古墳を発見したか等、細かいことまで全部頭に入っていたくらいです。塾では知識系の勉強をしておいて、それがまんがのストーリーとうまく合致すると、相乗効果で知識が身に付くということを実感したようです。テストが戻ってくると「これは何巻のここに書いてあったね」等、確認しました。

野崎さん:受験期直前まで勉強とサッカーを両立させていたので、集中力を高めないと成果が出ないという状態でした。まんがだと勉強をしているという感じでもなく、自然に知識が入ってくるので、そこが良かったのではないかと思います。

中学受験のプロ・馬屋原吉博先生に聞く「学習まんが」活用法

--ちなみに小学生のときに「世界の歴史」まで読んでいたのは、野崎さんのご家庭だけですね?

野崎さん:はい、うちは「世界の歴史」も実家に集英社旧版があったので、バッチリ読んでいましたね。

中村さん:うちは小学生のときには読んでいなかったのですが、最近になってKADOKAWA版「世界の歴史」を読んだらすっかりハマってしまったようで。小学生のころに歴史まんがに出会っていたからこそ、高校生になった今でも歴史への興味が継続していて本当にありがたいなと実感しています。

--子供は正直ですから、気に入った歴史まんがなら何度でも読むけれど、無理やり読ませようとすると読まないという二極化の傾向があるようです。皆さんのご家庭で、買ったものの子供が全然読まなかったという本はありますか。

長田さん:残念ながら山のようにあります。子供に良いだろうと思って親が買ってきても、読んでくれないことは多かったですね。親と子供の関心がずれているのかなと思うこともあります。

中村さん:論説文や説明文の本を何冊も買ってきたら「塾でやっているからもう要らない」と言われて、無駄になってしまいました。でも、ついつい買ってしまうんですよね。

長田さん:シリーズで購入すると冊数が多いだけに、読んでくれなかったらダメージが大きいですね。親が良かれと思って選んでも、子供にとって難しすぎると読んでくれないでしょうし。根本さんのように、子供本人に選んでもらうのが良いのかもしれませんね。

時事問題対策の教材は?

--中学受験に頻出する時事問題。対策として何をされていましたか。

長田さん:上の子が小学2年生くらいのときから、朝日小学生新聞をとっていました。興味のあるところしか読まないのですが。

中村さん:うちの場合、6年生のころは塾でもらったプリントや、私が買った時事問題の書籍で勉強していました。埼玉の淑徳与野中の社会の問題は、ほぼ全問が時事問題だったので、あれが本当に役立ったと、娘は今でも言っています。

根本さん:まだ受験するかどうか決める以前の小学1年のころから、朝日小学生新聞を購読していました。ニュースを見たときに親子で軽い意見交換のようなものをやって、自分の生活が社会とつながっている感覚を養っておくほうが良いという塾からのアドバイスもありました。受験の本番直前に時事問題の単語カードをひたすらめくっていた姿が忘れられません。

野崎さん:わが家も朝日小学生新聞と読売KODOMO新聞をとっていましたが、ちゃんと読んでいたかどうかは怪しいですね。ふだんは忙しかったので、週1回の読売KODOMO新聞の方をよく読んでいたのではないかと思います。

--時事問題対策は新聞を読んだりニュースを見たりと、わりと地道な努力が求められますよね。「角川まんが学習シリーズ 日本の歴史」の第16巻では、東日本大震災から2022年夏までのここ10年の出来事を網羅しています。この本が時事問題対策に打ってつけだと、中学受験の専門家の先生にも注目いただいています。

安倍元首相銃撃事件まで掲載されている「角川まんが学習シリーズ 日本の歴史」第16巻

野崎さん:東京都知事の小池百合子さん等、知っている人がまんがに出てくると気になりますね。特徴をとらえていて、おもしろいと思います。まんがは流し読みできてしまうので、一度読んだだけでは頭に入ってこなくても、二度読むと入ってくるような気がします。

根本さん:これだけの内容をよくぞ1冊に収めたと思います。巻末の記事ページもおもしろくて。「マスクの歴史」なんて今まであまり見たことがないですね。

長田さん:よくできていて、おもしろいですね。子供向けの時事問題としては、某アニメキャラクターの本を買って読んでいたのですが、それよりも学びに直結する気がします。ウクライナ侵攻まで取り扱っていて、これを1冊読んでおけば、ある程度の時事問題がマスターできそうです。

中村さん:模試がたくさんある11月から1月の時期に、ぜひ持たせたいですね。電車の中や食事の前等のスキマ時間に読んでもらいたい。勉強にもなるし、本人の楽しみにもなるし。忙しい受験前、時事問題を覚えなきゃならないときに役立つ1冊という印象です。

角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」16巻 試し読み

受験生のサポート方法あれこれ

--学習や生活面で、親としてどのようなサポートをしていましたか。

野崎さん:塾との話し合いの結果、家では勉強を強制しないようにしていました。たとえば「そろそろやったら?」は良いけど「やりなさい」はダメというような。息子は話す時間を設けることで愛情を感じるタイプなので、親子の会話を重視するようにしました。また、ぎりぎりまでサッカーをしていたので、うまく両立できるようにサポートしていました。

根本さん:うちも6年生までサッカーをしていたので、細かいスケジューリングが必要でした。

長田さん:勉強面では妻が中心にみていたので、私自身はあまりプレッシャーをかけないようにしていました。

中村さん:歴史に興味をもたせるために、旅行にいったときは古墳の見学等を意識して取り入れるようにしました。習い事のために塾の講習に出られないときは、一緒に図書館の自習室にも行って、娘は受験勉強、私は仕事をすることもありました

思い出深い!? 最大の苦労話とは

--受験期を振り返って、いちばん大変だったことは何でしょう?

長田さん:新型コロナウイルス感染症流行の最初の年に受験生だったこともあり、どうしたら良いのかわからず試行錯誤しました。まず親も含め、とにかく罹患したらいけないと感染予防を徹底しました。修学旅行等楽しみにしていたイベントもなくなってしまって、モチベーションを維持するのも大変でした。

中村さん:本人の希望で続けていた習い事と塾と学校、3つのスケジュールのやりくりがいちばん大変でした。本人は当時の記憶はあまりないと言っていて、きっといろいろと全力でやっていたんだろうなと。思春期に入っていたこともあって自我がすごく強くなっていて、言い合いやけんかもたくさんしてしまいました。今思えば、もっと優しい言葉を掛けてあげられていたらと反省しています。

野崎さん:本命の試験日の前日に、長らく続けていたサッカーの試合に出たいと言われたときは、戸惑いましたね。「もし試合で骨折してしまったら、今までの勉強の苦労がムダになるんだよ」と諭そうとしたものの、どうしても出たいと。最終的には本人が決断して、試合には出場しました。試合に全力投球してその日はすぐに寝てしまったのですが、翌日の試験には緊張もなく臨めたので、結果オーライでした。

根本さん:受験本番前の12月24日に「もう一文字も書けない…」とさめざめと泣かれたときですね。男の子ですし、あまり泣かない子だったのですが、その涙を見て、限界まで頑張らせてしまったのかとつらかったですね。でも1月受験で合格を経験したら、「もう少しやれる」と気を取り直して家での勉強を再開できました。今も忘れられません。

--中学受験本で読んだような壮絶なエピソードがどのご家庭にもあるのですね。また中学受験における「歴史まんが」の有効性についても、存分に伝わってきました。新入学、進級のこの時期にお子さまへの贈り物として検討されるのも良いかもしれませんね。

角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」公式サイト
角川まんが学習シリーズ「世界の歴史」公式サイト

インターネット調査概要

アンケート実施主体:KADOKAWA 
サンプル数:24名(中学受験を経験した保護者) 
実施時期:2023年1月~2月

《編集部》

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