【大学受験2024】東進生のデータから見える「共通テスト直前チェック2大原則」

 毎年、難関大学への現役合格者が多数輩出されている東進ハイスクールには、その積み上げてきた実績とデータから、東進だからこそわかる「直前期にやるべきこと」が確立されているという。東進ハイスクール運営元であるナガセ広報部長 市村秀二氏に、東進生のデータから見える「共通テスト直前チェック2大原則」について伺った。

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 大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の直前期となった。ここからあと一息、少しでも得点力を伸ばしたいところだ。では、どんな準備をしていけば、テスト本番を万全な状態で取り組み、実力を最大限に発揮できるのだろうか。

 毎年、難関大学への現役合格者が多数輩出されている東進ハイスクールには、その積み上げてきた実績とデータから、東進だからこそわかる「直前期にやるべきこと」が確立されているという。東進ハイスクール運営元であるナガセ広報部長 市村秀二氏に、東進生のデータから見える「共通テスト直前チェック2大原則」について伺った。

英数国の主要科目で対策強化、解くスピードに注意

--今回で4回目となる共通テストですが、過去3回の試験内容から、得点力アップにはどのようなスキルがカギになると言えるでしょうか。

 資料1は東進が実施したアンケートにて、昨年旧七帝大や早慶上理など難関大に現役合格した高校生に「共通テストで得点するために改善すべきことは何か」を聞いた調査結果です。もっとも多かった回答は「解くスピードを上げる」が50.3%、続いて「問題演習量を増やす」43.6%「知識量を増やす」32.5%でした。

 解くスピードを上げるという回答が最多数なのは昨年の調査結果から変化がなく、本番の成果に直結する非常に重要な事項だといえます。問題文が長い共通テストにおける最大の障壁は、「時間」なのです。そのためには、どの順番で解くか、試験時間をどう配分するかといった戦略が不可欠です。そのうえで時間配分に慣れるためにも、直前まで演習を重ねましょう。

 また、「知識量を増やす」という回答が、昨年より2つ順位を上げて3位になっています。共通テストといえど、基本的な知識が必須なのは変わりません。今から知識量を増やすことは難しいですが、重要な知識の抜け漏れがないか、今一度確認して本番に臨んでください。

 また、資料2は、「共通テストを受験してもっと対策が必要だったと思った科目は何か」を質問した結果です。この設問では「英語リーディング」が21.6 % とトップでした。英語リーディングは全問が読解問題のため、必要な情報を素早く読み取るトレーニングが必須です。次いで「古文」が10.5%。国語では、読解の順番をあらかじめ決めておくと共に、古典知識の確認も怠らないようにしてください。そして、3位は「数学I・A」と「現代文」が同率9.9%でした。

 この調査で特徴的なのは、英数国の主要科目が上位を占めていることです。入試本番で自分のもてる力を十分に発揮するためには、解ける問題を時間内に確実に解答することが重要になります。直前期となる今からの学習は、これまでに受験した模試や過去問を見直すなど、時間配分と優先順位づけを意識して取り組みましょう。

インタビューに応じてくれたナガセの広報部長・市村秀二氏

時間配分最適化とミスをなくす確認を

--共通テストまであと2週間となりましたが、これまでの努力を得点に結びつけるには、直前期の今、どのような対策を行えばよいですか。

 共通テスト直前のこの時期は、これまでの努力を確実に得点に結びつけるための仕上げが重要です。ここでは、本番で実力を十分発揮するために、試験直前に実践したいポイントを共通テスト直前チェック2大原則としてまとめています。これらを参考にして、最後の最後まで全力を尽くしてください。

原則1:共通テスト本番までに時間配分を最終確認!

 時間配分のポイントとしては、
 1.できる問題から解き「得点の最大化」を
 2.「消去法」をうまく活用しよう
 3.「不安な知識問題」はあとで見直す
 の3点です。

1.できる問題から解き「得点の最大化」を
 試験問題が配られたら、
 (1)試験問題全体に目を通す
 (2)解けそうな問題と難しそうな問題に分ける
 (3)見直し時間も含めた全体の時間配分を考える

 を行いましょう。そして、実際に問題に取り組む際は、得意な問題、自信のある問題から解いて、難しい問題を飛ばすことも大事です。無理に満点を狙うよりも、まずはできる問題を確実に解き、「得点の最大化」に目を向けた作戦を立てて試験に取り組みましょう。最後には必ず全問マークすることも忘れずに。

 時間配分を練習するときのコツは、「問題に優先順位をつける」こと、「8割の時間で演習を積む」ことです。「問題に優先順位をつける」際には、見直し時間に最低5分はかけられるよう時間を取りつつ、どの問題にどれくらい時間をかけるのかを決めてください。「8割の時間で演習を積む」のは、どんな問題でも柔軟に対応できるようにするためです。過去問や東進模試などを振り返り、設問ごとに設定時間の8割の時間で解く訓練をして積み重ねていきましょう。

2. 「消去法」をうまく活用しよう
 マークシート形式の共通テストでは極めて基本的で有効な方法です。ただし、最初から選択肢に頼りすぎると選択肢にひっぱられてしまうこともあります。答えの予測を立てたうえで解答するなど、自分なりに工夫して活用すると良いでしょう。

3. 「不安な知識問題」はあとで見直す
 覚えているかどうかを問う知識問題に時間をかけ過ぎないようにしましょう。答えがすぐに出なければ、まずは直感でマークをし、解答に印をつけ、後で見直すことをお勧めします。

原則2:マークミス・自己採点ミスを撲滅せよ!

 東進の調査によると、難関大に現役合格した生徒でも「マークミスをしたことがある」と答えた割合は61.0%でした。また、ほとんどの受験生が「共通テスト本番レベル模試」等の自己採点と、実際の得点が一致しない経験があるのではないでしょうか。得点が一致しない大きな理由はマークミスです。マークミスは自分が思っている以上に多いと考えておきましょう。特に国公立大学を志望する受験生は、共通テストの自己採点をもとに出願する大学を決定しなければならないので要注意です。この時期、何よりも怖いのは「油断」です。改めて受験に臨む姿勢を正し、マークミスなどのケアレスミスを徹底的になくすよう対策をしておきましょう。

 ミス撲滅のコツとしては、まずは直感でも解答欄にマークしておくこと。あとで解こうと思って解答欄を飛ばすと、ズレる原因となってしまうことがあるからです。

 そして、名前と受験番号は最低3回は確認するとともに、解答時間が余ったら、ズレがないかを再度確認するようにしましょう。東進の「最終12月共通テスト本番レベル模試」の結果を自己採点の結果と比較し、マークミスがなかったかを必ず確認して本番に備えておくと良いでしょう。

直前学習では知識の穴を徹底的につぶし、演習量を増加

--共通テスト本番直前や本番はどんな心構えで臨めばよいでしょうか。合格者の声から役立つアドバイスをぜひお願いします。

 試験本番は誰しも緊張が高まるものです。そんな緊張下でも、難関大に現役合格を勝ち取るには何が決め手になるのか。ここからは、東進から難関大に現役合格した先輩の事例を紹介します。今回紹介する合格体験談を直前期の学習に生かしてください。

東京大学理科一類合格「地理の徹底暗記対策で自己ベスト更新」

 私が入試本番の直前対策としておもに取り組んだのは、過去問演習と学校で配られた問題集による最終確認でした。一方で、12月の模試で点数が下がってしまった国語やまだ詰めきれていなかった地理のインプットといった課題も残っていたので、それらの強化にも時間を割きました。国語は、現代文に比べると得点を安定化しやすい古文と漢文に照準を絞って補強。苦手意識のあった地理は一定レベル以上の問題になると対応できなくなることがわかっていたので、正月中に問題集約300問を2日間でひととおり解き、次の10日間で知識の穴を徹底的に埋めていきました。試験本番の地理で自己ベストを更新できたのは、この最終点検の成果だと思います。


千葉大学教育学部合格「“アウト・イン・アウト”で日本史の得点を倍増」

 私は数学の演習量と日本史のインプット量不足が課題として残っていたため、直前期は総仕上げとしてこれらの対策に力を注ぎました。数学はさまざまな問題に対する解き方が確立できていなければ、その先の応用はおぼつかないと考え、新しい問題には一切手を出さずに、過去に受講した講座の問題や模試の問題を解けるまで何度も繰り返し、解法のパターンを蓄積。日本史は過去問でアウトプットし、知識の抜けは資料集で再インプット、次に問題集へのアウトプットで力試しというサイクルで進めていき、問題の中で出てきた新しい知識は資料集に書き加え、寝る前にこれを見返すようにしました。この直前対策が実り、8月には30点台しか取れなかった日本史も伸び悩んでいた数学も、共通テストでは底上げすることができ、特に日本史は得点が倍増する結果となりました。


全体を見通して多く得点できる戦略を立てる

--直前期、科目毎に気をつけておくべきことがあれば、アドバイスをお願いします。

 本番までラストスパートですが、ここで決して気を抜かず、なんとなく正解した問題は不正解も同然と捉えてしっかりと見直し、穴がないよう演習の質を上げていくことが大切です。そして、テスト当日では見慣れない題材の問題が出て、難しく感じてしまうことがあるかもしれませんが、落ち着いて取り組めば解き方が見えてくるものです。さらに入試は、トータルで合否が決まります。試験が終わったら結果を引きずらず、次に集中しましょう。

 本番で最大限の力を出し切れるよう、最後までしっかりと取り組んでほしいと思います。

--ありがとうございました。


これまでの学習を確実に得点に変えるために

 共通テスト直前期、これまでの学習を確実に得点に結びつけるための仕上げとして2大原則が示された。1つは問題を解く際の「優先順位付け」と「時間配分」により効率化を図ることであり、もう1つはうっかりミスで点を取りこぼさないためのミス対策。どちらもシンプルで基本的なことだが、得点最大化には欠かせないポイントだ。今回示された2大原則や合格体験を参考にしながら、テスト本番まで気を抜かずに進んでいってほしい。

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今年もやります!2024年共通テスト解答速報
1/13(土)・14(日)共通テスト当日に
各科目の問題分析など
速報を掲載します

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《羽田美里》

羽田美里

執筆歴約20年。様々な媒体で旅行や住宅、金融など幅広く執筆してきましたが、現在は農業をメインに、時々教育について書いています。農も教育も国の基であり、携わる人々に心からの敬意と感謝を抱きつつ、人々の思いが伝わる記事を届けたいと思っています。趣味は保・小・中・高と15年目のPTAと、哲学対話。

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