博士・女性理工系人材の育成へ、文科省に提言手交…経団連

 日本経済団体連合会(経団連)は2024年3月6日、文部科学省の盛山正仁大臣に「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」を手交した。博士人材や女性理工系人材の育成・活躍に向けて現状や課題を提起し、産学官の連携した取組みなどを求めた。

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博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言(概要版)
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 日本経済団体連合会(経団連)は2024年3月6日、文部科学省の盛山正仁大臣に「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」を手交した。博士人材や女性理工系人材の育成・活躍に向けて現状や課題を提起し、産学官の連携した取組みなどを求めた。

 「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」は、高度専門人材をめぐる国際的な人材獲得競争に日本が遅れを取る中、経団連が博士人材と女性理工系人材の育成・活躍を初めて真正面から取り上げ、まとめたもの。提言策定にあたり、主要会員企業を対象にアンケートを実施し、123社の回答を得た。

 提言は、「博士人材の育成・活躍」「女性理工系人材の育成・活躍」で構成。博士人材については、博士号取得者数が諸外国で増加傾向にある一方、日本は低水準かつ横ばいで推移していることから、将来の国際競争力の劣後を懸念。企業・大学・政府が連携して、博士人材の育成・活躍に向けて取り組む必要性を示している。

 女性理工系人材については、諸外国と比べて理工系分野を専攻する女性の少なさなどから、裾野拡大を急ぐべきだとし、「STEAM教育や理工系教育の改善・充実」「教員・保護者向けの取組み」など、具体的施策を列挙。全体のまとめでは、少子化が進む中、大学数は増加傾向にあり、大学の統廃合などを通じた大学全体の定員規模の適正化も課題にあげている。

 経団連は3月6日、小路明善副会長(教育・大学改革推進委員長)と長谷川知子常務理事が文部科学省を訪問し、盛山大臣に提言を手交。小路副会長は「博士人材や女性理工系人材の育成・活躍に向けて、産学官が連携するとともに、それぞれが役割を果たしていくことが重要」などと話し、盛山大臣は修士・博士号取得のインセンティブの必要性、ロールモデルを増やして発信する重要性などにも言及したという。

 文部科学省は、今回の提言を受け、盛山大臣を座長とする「博士人材の社会における活躍促進に向けたタスクフォース」の検討を引き続き進めていくとしている。

《奥山直美》

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