東大、多様性包摂共創センター「インクルード」新設

 東京大学は2024年4月1日、本郷キャンパス内に「多様性包摂共創センター」を新設した。愛称は「IncluDE(インクルード)」。当事者の困りごとを起点にさまざまな活動と研究をつなぎ、ジェンダー平等とバリアフリーなキャンパスや社会を目指す。

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多様性包摂共創センター「IncluDE」
多様性包摂共創センター「IncluDE」 全 2 枚 拡大写真

 東京大学は2024年4月1日、本郷キャンパス内に「多様性包摂共創センター」を新設した。愛称は「IncluDE(インクルード)」。当事者の困りごとを起点にさまざまな活動と研究をつなぎ、ジェンダー平等とバリアフリーなキャンパスや社会を目指す。

 2002年設置の「バリアフリー支援室」と2006年設置の「男女共同参画室」を発展的に統合。「多様性包摂共創センター」として、関連分野の研究機能を強化し、DEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)活動をさらに包括的に展開させていく。

 センターの愛称は「IncluDE(インクルード)」。英語名称は「Center for Coproduction of Inclusion, Diversity and Equity」。IncluDEのキーワードは「共同創造(Coproduction)」。女性やジェンダーマイノリティ、障害者などの当事者と研究者が力をあわせて、ジェンダー平等とバリアフリーを推進する実践を通して、より良い社会をつくっていくという意味が込められているという。

 センターが掲げる目標は「障害者をはじめとする当事者と研究者の共同創造」「研究と実践の好循環」「ジェンダー平等」「ライフステージにあった支援」「交差性(多重差別)の当事者に配慮した支援と環境整備」の5つ。センター内にはDEI共創推進戦略室を置き、環境整備と支援に取り組む「DEI実践部門」、諸分野に分散している学内のDEI関連の研究を糾合した「DEI研究部門」を設置する。

 東京大学ではこれまで、バリアフリー支援室と男女共同参画室が中心となり、障害者支援とジェンダー平等を推進。2022年に「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)宣言」、2023年に「性的指向と性自認の多様性に関する学生のための行動ガイドライン」を公表するなど、インクルーシブなキャンパスづくりを進めてきた。

 2026年には、150周年記念事業の一環として、多様性包摂共創センターが入るD&I棟(仮称)を設置し、遅れを取る日本のDEI施策の拠点にする。東京大学理事・副学長の林香里氏は「新センターIncluDEの活動を通して、開かれた学問の場を創造し、社会の多様性と公正性をリードしてまいります」とのメッセージを寄せている。

《奥山直美》

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