乳幼児健診の充実目指し「健やか子育てガイド」公開

 こども家庭庁の研究班が乳幼児健康診査をより充実したものとすることを目指して作成した「健やか子育てガイド」(令和5年度)が公開された。問診票と対応する子育てガイドの2つで構成され、乳幼児の指導に活用できるよう例示をまとめている。

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健やか子育てガイド(令和5年度)
健やか子育てガイド(令和5年度) 全 2 枚 拡大写真

 こども家庭庁の研究班が乳幼児健康診査をより充実したものとすることを目指して作成した「健やか子育てガイド」(令和5年度)が公開された。問診票と対応する子育てガイドの2つで構成され、乳幼児の指導に活用できるよう例示をまとめている。

 「健やか子育てガイド」は、2023年度(令和5年度)子ども家庭科学研究費補助金等 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業として、こども家庭庁の研究班が作成。集団健診、個別健診、保育所や幼稚園での健診など多様な場面で用いることを想定して作られている。

 対象は、3~5か月児健診、9~10か月児健診、1歳6か月児健診、3歳児健診、5歳児健診の5つ。各健診向けの問診票と子育てガイドがセットになっており、問診票で気になる項目について、それに対応した子育てガイドの該当個所を見ながら標準的な指導ができるような構成となっている。活用することで乳幼児健診の一層の充実を図ることを目指しているという。

 また、各健診ごとに、東京や神奈川、九州の中核市などで実際に「健やか子育てガイド」を用いて実施し、収集した基本統計を掲載。さらにそこから得られた多変量ロジスティック回帰分析の結果と、結果の解釈をまとめて掲載している。

 分析結果では、メディア使用が子供の生活に及ぼす影響や、子供の行動が親子の関係性に及ぼす影響などについて仮説を立てて検証している。一例として、3~5か月健診においては、子育てにおいて「もう無理」「誰か助けて」と感じる育児支援希求と睡眠の問題があることに有意な関連がみられた。9~10か月児健診では、親の育児困難感は子供の発達の問題というよりも睡眠上の困り感や子供の不機嫌さと関連があることが示されており、保健指導においては子供の発達の課題よりも、睡眠上の困り感や不機嫌の有無を聞いて、親の育児困難に気付くことが重要であると指摘している。

 「健やか子育てガイド」は、日本小児保健協会のWebサイトにお知らせとして掲載されている。PDF版で全ページ閲覧、ダウンロードできる。

《畑山望》

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