成長の鍵は「夢中になれる」カリキュラム…プログラミングを超えるクレファスの学び

 ロボット科学教育が運営する「Crefus(クレファス)」が、イード・アワード2024「プログラミング教育」において「講師が良いプログラミングスクール」「子供の成長を実感できるプログラミングスクール」「面倒見が良いプログラミングスクール」の3つの部門賞を受賞した。学園長の岡崎大介氏へのインタビューを通じて、同校が保護者や生徒たちから高い支持を得る理由を探った。

教育業界ニュース プログラミング
PR
イード・アワード2024プログラミング教育にて3つの部門賞を獲得したクレファス
イード・アワード2024プログラミング教育にて3つの部門賞を獲得したクレファス 全 5 枚 拡大写真

 イード・アワード2024「プログラミング教育」において、ロボット科学教育が運営する「Crefus(クレファス)」が、「講師が良いプログラミングスクール」「子供の成長を実感できるプログラミングスクール」「面倒見が良いプログラミングスクール」の3つの部門賞を受賞した。

 2025年度より情報Ⅰが大学受験の科目となるなど、ますます注目を集めるプログラミング教育において、ロボット製作を軸にプログラミングとSTEM教育を展開するクレファスが保護者や生徒たちから高い支持を得る理由を、学園長の岡崎大介氏に伺った。

多様性から生まれる高い満足度、専門知識だけに偏らない講師の強み

--イード・アワード2024「プログラミング教育」での3つの部門賞のご受賞おめでとうございます。まずは感想をお聞かせください。

 ありがとうございます。今回、部門賞を3つ同時にいただけたということで、指導にあたっている講師をはじめスタッフ一同大変光栄に思っております。当校は2023年6月に開校20周年の節目を迎えました。長年私たちが力を入れて取り組んできた「夢中になれる」カリキュラムを通して、学びの質や生徒たちの成長をご評価いただけたことを、何より嬉しく感じています。

 当校では一定の基準をクリアしなければ講師として授業を担当することができない制度になっており、これまでも講師の質にこだわってきました。私たち自身も、授業を進めていく中で子供たちの成長を感じることが多く、保護者の方にも同じようにお子さまの成長を感じていただけているのは大変喜ばしいことですね。

--まず「講師が良いプログラミングスクール」部門賞の受賞について。指導には専門的な知識を要すると思いますが、採用や研修など、どのようなこだわりをもって取り組まれているのでしょうか。

 研修は、講師としての立ち振る舞いや心構えといった基本をしっかり習得するための初期研修のほか、実際に授業を進めるために必要なカリキュラムへの理解や、ソフトウェア、ロボット製作などの専門的な知識とスキルを身に付ける教務研修を実施しています。その後も、定期的に教室ごとの研修や全体研修に加え、これから実施する授業の指導ポイントを映像で配信するなど、さまざまな研修を行っています。どの教室でも指導力にバラつきなく質の高い指導ができるよう、講師の学びの機会を継続的に提供しているのが、講師力の秘訣と言えるかもしれません。

イード・アワード2024プログラミング教育で、3つの部門賞を獲得したクレファス

教室を超えて広がる、子供たちの興味を育てる

--「子供の成長を実感できるプログラミングスクール」にも選ばれました。貴校のコースやカリキュラムについて、あらためて教えてください。

 当校では、レゴエデュケーションのロボット教材を用いて、年齢に合わせてステップアップしながら、教科をまたいだ知識や高度な理数系の知識を学べるカリキュラムを展開しています。コースは大きく分けて2つあり、年長児から小学2年生以下対象の「Kicks(キックス)コース」と、小学3年生以上対象の「Crefus(クレファス)コース」です。

 キックスコースは学年ごとのクラス編成で、作品を作ったあとに改良した個所やどんな作品ができたかをクラスで話し合ったり発表したりする機会を設けています。クレファスコースでは自立型授業を採用しており、小学3年生~高校生までの子供たちが同じ時間帯に、同じ空間で一緒に学ぶこともあります。共に授業を進める中で、下の学年が上の学年の子たちを見て「1年経ったらこんなロボットも作れるようになれるんだ」とモチベーションにつながったり、課題につまずいている下の学年の子を見て、自然と上の学年の子がアドバイスをしたりと、「身近な先生」のような役割を担ってくれています。

--教室での学びにおいて、成長を実感できるような仕組みなどを設けていらっしゃるのでしょうか。

 授業では、プログラミングやロボット製作を通して、ロボットを「考具」ととらえ、ハンズオン型の学びを実践していきます。授業の中で出た課題に対し、子供たち自身が試行錯誤しながら解決方法を探り、トライ&エラーを繰り返します。

 たとえば、「ロボットで車を作って、早く走らせよう」という課題で、思ったような結果が出なかったお子さまが、自分の改良はなぜ上手くいかなかったのだろうと考え、休日にお父さんと近所の自動車販売店に行って四駆の仕組みについて見せてもらったり、質問したり、自分なりに理解しようと行動した例もあります。授業を受ける中で、いろいろなことに興味をもって、疑問に思ったことを自分で調べてみるという、本当の意味での学習習慣が自然と身に付くことが、生徒の成長につながっている一因ではないかと思います。

 他にも、「出かけた先で、子供が『ここには○○センサーが使われているんだよ』『この機械はこういう仕組みで動いているんだよ』と教えてくれました」と、授業後の親子のコミュニケーションについてお話しくださるお母さまもいました。ご家庭での会話などを通して、保護者の方にも教室で学んだことが子供の成長につながっていると実感していただけているようです。

--先ほどお話の中でプレゼンテーションの機会があるとのことでしたが、どのように取り入れられていますか。

 プレゼンテーションは、保護者の方にも参加していただく発表会という形で実施しています。発表の準備として、低学年であればポスター作成を、高学年になればスライドを作成をして、プレゼンテーションにおける資料の作り方や、成果の伝え方、発表の仕方まで、一連の流れを経験しながら学びます。

 「うちの子にできるのかな」と心配される保護者の方もいらっしゃいますが、「思ったより完成度が高くて驚いた」とか「学校の行事でも堂々と発表できるようになってきた」といった声をいただくことが多く、プログラミングやロボットに関する知識に加えて、実践的なプレゼン力が身に付くといったところも、保護者の方にご評価いただけているのかもしれません。

受賞の喜びとともに、サービスへのこだわりを語る学園長 岡崎大介氏

--教室で学んだことのフィードバックや保護者とのコミュニケーションは、どのように行っていますか。

 キックスコースは、基本的には保護者の方がお迎えに来てくださったタイミングで、その日に取り組んだことをできるだけお子さまの言葉で説明してもらうように促しています。子供たちが授業の内容を、実際に理解していないと言葉で伝えられません。保護者へのフィードバックだけでなく、お子さまにとってもその日の授業の振り返りと、伝えることの練習も兼ねている大切な時間です。

 そのほかにも、発表会や年長児対象の保護者参観など、実際に子供たちが作ったものを動かして見てもらう機会を設けたり、「スチューデントレコード」と呼ばれる学習成果のレポートをお渡しし、単元ごとに子供たちが取り組んだ作品や授業のようすを写真で紹介したりしています。そうしたものをきっかけに、作った作品や工夫したポイント、どこが難しかったかなどの親子の会話を引き出せればと思っています。

 私たちは、子供たちの最高の未来を目に見える形で実感していただきたいと考えています。その土台となるのは、子供たちの「夢中になれる」気持ちです。好きだから、楽しいから「夢中になれる」。そうすると、教室の中だけでの学びにはとどまらず、子供たちの興味関心はどんどん外へと広がっていきます。親子で課題解決に向けて話し合ったり、実際にヒントになるような場所に足を運んだり、日常の中でアンテナを張って過ごしたりと、教室での学びと家庭や日常での学びが有機的につながることで、子供たちは際限なく成長していけると信じて、私たちも楽しみながら子供たちと向き合っています。

手を動かしながら知識も身に付くカリキュラム

--3つ目の部門賞として「面倒見が良いプログラミングスクール」も受賞されました。貴校のカリキュラム構成など、受賞につながった理由をお聞かせください。

 当校の授業は、講師が指示を出すのではなく、問題解決に向けて子供たちが自ら考えて手を動かし、試行錯誤を繰り返すハンズオン教育です。子供たちの自発的な気持ちに寄り添いながら、無理に思考を誘導したり妨げたりすることのないよう、必要なところで的確にサポートする姿勢などが、今回の賞につながったのではないかと思います。

 2003年の開校以降、下は年長児から上は高校生まで、幅広いカリキュラムを展開してきました。ボリュームゾーンは小学4・5年生で、ものづくりが好きなお子さまが多く通っています。よく保護者の方からは、「いろいろな習い事をしているけれどクレファスだけは休みません」とのお声をいただくことがあります。それは、生徒たちが楽しく通えているからだと思うのです。習い事はやはり楽しくないと続きません。私たちは、子供たちが「夢中になれる」ことの先に広がる学びを提供することを重視していますので、保護者の方にも「クレファスなら子供が興味をもって楽しく学んでくれる」とご期待いただけていることに応えていきたいですね。

--年齢に沿ったカリキュラムやサポートは、具体的にどのような内容で行われているのでしょうか。

 テーマや課題には、対象となる年齢の子供たちが興味を示すような題材を選んだり、教科書の内容に連動させたりと、カリキュラム設計を工夫しています。ただ、少し上の学年で学ぶ内容を扱っていることが多いです。

 たとえば小学1年生ですと、長さや重さといった単位はまだ学校で学ぶ単元ではなく、具体的にイメージするのが難しいところがありますが、自分で手を動かしながら長さを測る、作ったものの重さを測るという経験を通して、自然と学びに繋げていくことができます。作品の高さを出す改良をした場合、実際に長さを計測して「何センチ高くなったね」と一緒に確認したり、1グラムがどれくらいの重さなのか、いろいろな物の重さを測りながら確認していくといった工程をカリキュラムに取り入れています。

 クレファスコースの導入となる3年生であれば、理科の高学年で習うような滑車を使った仕組みを学ぶほか、線をたどるロボットの製作にも挑戦しています。線をたどるためのセンサーの設定には、学年としてはまだまだ先で習う「平均値」を計算する必要があります。概念としては難しく感じられますが、「このロボットをこう動かすためのセンサーの調整には、こういう計算が必要なんだよ」と、手を動かしながら説明していくことで、子供たちが無理なく自然と理系の基礎知識を学んでいけるようになっています。もちろん理解してもらうためのサポートは徹底して行います。

--楽しみながらどんどん知識の先取りができるのですね。授業のほかにも、ロボット大会への出場など子供たちの力が伸びるような工夫もされていると聞きました。

 授業の成果として力試しをしたいお子さまには、ロボット検定の受検やロボット競技会への参加を促しています。当校はロボット検定試験の認定校となっているため、通い慣れている教室でロボット検定を受けることができます。目指す目標としてモチベーションにもつながりますし、ロボット製作に必要な知識や技能の成長・成果を目に見える形で実感できる機会になるため、たくさんのお子さまがチャレンジしています。

 競技会としてはおもに2種類、これまでに学んだ成果を発表するCrefus主催の大会「Crefus Cup」を開催しているほか、世界最大規模の国際的なロボット競技会「FIRST LEGO League Challenge」に毎年多くのお子さまがチャレンジしています。それぞれの生徒の学びたいこと、チャレンジしたいことを応援できる環境と指導体制を敷いています。

取材時に見せていただいた子供たちの作品の完成度の高さに驚いた

変化の激しい時代を「逃げない姿勢」で乗り越える

--今後の展望や新しいサービスなどの予定があれば教えてください。

 今後ますます当校が提供する学びは社会に必要とされるものになってくると感じています。まずは、新しいサービスとして、中高生向けの初心者コース「M1」を新設しました。当校は小学校低学年で始める方が多く、その発展として中高生まで高いレベルで学び続けられるコース設定となっていますが、近年中高生からの入塾希望の声が増えたこともあり、ニーズに応える形で中高生向け初心者コースを設けました。ニーズが増えてきた背景には、高校における「情報」の必修化や、2025年度の大学入試から情報Ⅰが教科に追加されるといった背景が影響していると思います。

 中高生向け初心者コース「M1」は、基礎から応用までしっかりと学べるカリキュラムとなっています。1年目に基礎的なことから変数を使った応用などまで学び、2年目には歩行ロボットの製作やアイコンを使ったプログラムに挑戦。さらに上のステップとして、Python(パイソン)というコンピュータ言語を使ったプログラムを学ぶこともでき、大学入学後レベルのプログラムスキルまで習得することができます。最終的には、大学生が自分でテーマを決めて研究するように、個々の興味に応じてかなり高いレベルまで学びを深めることができるようになっています。

 また、近くに教室がない子供たちにも当校の学びを届けられるよう、新たに「e-crefus(イークレファス)」というオンラインコースも開講しました。イークレファスでは、授業で使うブロックやロボットなどのツールをご自宅にお届けし、ワークシートを活用しながら自分で考えてロボットを組み立てる自学自習スタイルです。ワークシートもロボット教材も、教室での授業と同じものを使用し、質問したいときは教室で待機中の先生にオンラインで質問することができます。動画での課題提出や、希望者は近くの教室で行われる発表会にも参加することができ、全国どこにいても、自分のペースで学べるのが特徴です。

--最後に、急速に進化する情報化社会を生き抜く子供たちにメッセージをお願いします。

 当校はロボット教室ではありますが、単に「ロボットに詳しくなってほしい」というわけではなく、実際にロボット製作をしていく中で論理的な考え方を身に付け、試行錯誤しながら問題に対して逃げない姿勢を身に付けてほしいと願っています。

 授業の中でも、思ったようにロボットが動かない、課題をクリアできない、という場面は多々出てきます。大切なのは、そのときに「じゃあこれを試してみよう、次はこうしてみよう」と自分でいろいろ試行錯誤しながら、繰り返し取り組む姿勢だと思っています。そこで培ったものは単なる知識やスキルとは異なり、将来子供たちが社会に出たときに直面するであろう多くの答えのない問題に、さまざまな方向から思考を巡らせて取り組める能力に繋がっていくはずです。クレファスでは、将来にわたって道を切り拓く力となるような能力を見つけて、一緒に育てていきたいと考えています。


 岡崎氏のインタビューを通して「努力は夢中に勝てない」とは、まさにこのことなのだと痛感した。教えられる学びよりも、「楽しい! やりたい!」と夢中になる気持ちの先に広がる学びの世界は私たちの想像を遥かに超えているのだろう。答えのない時代を生きるこれからの子供たちが、トライ&エラーを繰り返しながら、自由な発想で羽ばたいていく。それを後押しするクレファスの今後の展開にますます注目したい。

「Crefus(クレファス)」の詳細はこちら

《畑山望》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集