小学校での本格的な英語学習の導入が進んで久しい。習い事として英語教育を検討しているご家庭も多いだろう。
本記事では「イード・アワード2024子供英語教室」小学生の部にて最優秀賞、および「教材が良い英語教室」「コスパが良い英語教室」「ブランド信頼度が高い英語教室」の各部門賞を受賞した「ベネッセの英語教室 BE studio(以下、ビースタジオ)」に、自社のサービスを紹介いただくとともに、学齢に適した英語の学びについて聞いた。
インタビューに応じてくれたのは、教材開発や先生の育成に関わる先生採用育成マネジメント推進部の坂入理恵氏と、初台エリアでスーパーバイザーを務める赤松敬造氏。
楽しみながら繰り返すことで力が付く
--今回、顧客満足度No.1である「最優秀賞」を受賞されたほか、「教材が良い英語教室」「コスパが良い英語教室」「ブランド信頼度が高い英語教室」と多くの部門賞も受賞されました。おめでとうございます。
坂入氏:今回の受賞を全国の先生たちと一緒に喜んでいます。特に小学生の部で、自社でこだわりをもって制作している教材を評価いただけたことが、非常に嬉しいです。教材は教室でのレッスンで使用するだけでなく、そのまま宿題としても取り組んでもらうため、自宅でも楽しく取り組めるようにこだわって制作しています。楽しみながら繰り返すうちに、着実に力が付くような作りです。
赤松氏:ブランドを信頼いただいているのも嬉しいですね。教材、コスパなど、複数の側面で高い評価をいただいたことも「信頼」の後ろ盾になっていると感じています。
--ビースタジオの小学生カリキュラムの特徴を教えてください。
坂入氏:言語習得において大切なのは、長く続けることです。好きだからこそ、楽しいからこそ、続けられますし、続けるからさらに好きになります。子供たちの中にそうしたサイクルが生まれるようにという思いで、カリキュラムを構成しています。
英語の習得には2,000~3,000時間必要とも言われており、1週間に1時間の教室でのレッスンのみでは、圧倒的に時間が足りません。そのため、ビースタジオのカリキュラムは、レッスンと、次のレッスンまでの自宅での取組みで構成されています。教室でやったことの延長として、毎日少しずつご家庭で繰り返すことができるよう、宿題に取り組んでいただいています。ビースタジオの教材は、タッチペン「M∞speaker」で触れることで音声を聞くことができるようになっています。そのため、自宅でも正しい発音を確認しながら、楽しく進めることができます。
とは言え、小学生のレッスンは「楽しい」だけでは済まない部分もあります。小学生になると「できるようになりたい」「もっと上手くなりたい」という気持ちが芽生え、だからこそ挫折を感じることもあります。そうしたネガティブな気持ちは、教室で先生が受け止めて、励まします。「ここまでやってきたから、次はこれができるようになるよ」と、ひとりひとりの習熟度を理解している先生が声をかけますので、安心して次のステップに進めます。子供たちの教室でのようすは、保護者とも共有しながら学習を進めていきます。
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発達段階に応じた教材で効果的に学ぶ
--小学生向けのビースタジオの教材づくりのこだわりについて、具体的に教えてください。
坂入氏:先ほどもお伝えした通り、ビースタジオの教材はご家庭でも取り組んでいただくので、学びのねらいは何か、どのような力をつけるために取り組むのかが、見るだけでわかりやすい教材になっているのが特徴です。
繰り返すことも大切にしていて、同じ表現でもシチュエーションを変えて何度も練習できるようにしています。子供たちにとって「あれ、知ってる!」「わかる!」と感じられるポイントがたくさん散りばめています。
--小学生という学齢期向けの教材だからこその工夫はありますか。
坂入氏:未就学児から一貫して、発達段階に合わせた教材づくりを行っています。小学生は同世代との対話が増え、友達同士のやり取りで生き生きする時期です。「対話をしたい」「友達がどう思っているか知りたい」「自分のことを伝えたい」という思いをもっていますので、レッスンのカリキュラムも友達とのコミュニケーションを増やしています。
赤松氏:そのほかにも、たとえば小学校中学年以降は「指追い」という技法を用います。音を聞きながら指で文字を追うことで、音と文字が一致するようになり、次第に英語を読むことができるようになっていきます。認知的学習が得意になってくる年齢ですので、その段階でこの技法を取り入れることで、効果的に学習することができるのです。またこのころには、CDの音と完全に合わせて発話する「オーバーラッピング」も取り入れていきます。
坂入氏:英語の学習ではよく歌を活用します。歌は耳触りが良く、リエゾンやリンキングと言われる、単語と単語をつなげた音も自然に耳に入り、耳に入った音をそのままアウトプットできる子供たちの英語の学習において、最適な教材なのです。一方で高学年になると、大きな声でみんなで歌うことを恥ずかしく感じる子も出てきます。そのため、学齢に応じて、一緒に歌って楽しんだり、歌う代わりに英語の歌詞を読む時間を設けたりと、活用の仕方を変えています。高学年の子に「歌うのが恥ずかしければ、指追いをして読んでごらん」と言うと、聞こえて、わかって、読めているから声に出したいという気持ちになって、最終的に歌い始める子も多くいます。それも含めて計算して教材を設計しています。
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感情移入できる教材…自分ごとになれば難しい問題も挑戦しやすくなる
--自然と効果的に学ぶことができるように設計されているのですね。
坂入氏:教材にはさまざまな文化的背景をもつキャラクターが登場します。たとえば男の子がふざけて怪我をしてしまうなど、自分たちの生活の中にもあるであろう身近なシーンが散りばめられていて、子供たちが感情移入しやすいのも特徴です。
授業をしていると、子供たちの感情が動くのがわかります。「この子、この前の僕と同じだ」とキャラクターに自己投影することで、自然とストーリーを自分ごとにして思考できるように作られています。自分ごととして考えることで、難しい単語や会話のやりとりでも理解しやすくなるのです。
--それだけ作り込まれていることを考えると、「コスパが良い英語教室」という評価も納得ですね。
坂入氏:カリキュラムが一貫しているので、継続によって身に付く力を保護者の方にご理解いただけているのだと思いますし、子供たちにも「できるようになった」という実感をもってもらえるのだと思います。そのような実感があるからこそ、ますます英語を好きになるし、さらに挑戦したいという気持ちにつながる。私たちは「自分で自分のことを見取る力」と呼んでいるのですが、「継続して学んできたからここまでできるんだ」と自分の力を自己認識できるようになってほしいと考えています。
アップデートし続ける仕組み
--その作り込まれた教材を、先生たちはどのように活用しているのでしょうか。
坂入氏:教材1ページ1ページに、意味や裏付けがあります。そこに込められたこだわりを理解し、活用しています。教材について学ぶ研修もありますし、教材研究が大好きな先生ばかり。レッスンで使うことで、子供たちの反応から学ぶこともあるそうです。それをさらに先生同士で事例として共有し合い、授業をブラッシュアップしています。
赤松氏:基本的な教材への理解や使う技法は、初期研修で習得します。教材には必ずレッスンプランが用意されていますので、属人的なノウハウではなく、ビースタジオとしてどの教室でも等しいクオリティのレッスンを提供できるようになっています。
また、先ほど坂入がお話ししたように、月に1回、先生同士の会議をもち、レッスンに関わるテーマを皆で話し合う時間を作っています。加えて、定期的にお客さまアンケートを実施し、その結果やお客さまの声をもとに改善をしています。
たとえば数年前までは、小学生の英語のレッスンに洋書(海外の教科書)を使っていました。外国文化に触れることができる、英語圏での学びを体験できるなど、ポジティブな効果を期待したからです。しかしお客さまアンケートからわかってきたのは、教材が洋書だと、宿題の範囲や学びのねらいがわかりにくく、家庭で取り組みづらいということでした。それをきっかけに、英語を母国語としない日本人が英語を学びやすい、現在の教材にリニューアルしました。
保護者の方からは、「宿題でどういったことを問われているかがわかりやすくなった」「子供が何を学習しているかが圧倒的にわかりやすい」という評価をいただいています。お客さまの声を毎年伺いながら、大小のリニューアルを重ね、レッスンや教材をアップデートさせていることも今回の受賞につながったのではないかと思います。
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ビースタジオでの学びの成果
--「ブランド信頼度」についても高い評価を得ていますね。ベネッセコーポレーションが有する他サービスとの連携はあるのでしょうか。
坂入氏:スコア型英語4技能テストである「GTEC Junior」は、教室を会場として受験することができます。日々のレッスンだけでなく、こうした検定も活用しながら習熟度を測ることができます。
--小学校高学年において英語が教科化されてから早4年が経ちました。何か変化は感じますか。
坂入氏:生徒さんたちの「英語慣れ」を感じますね。ビースタジオの生徒さんたちは、レッスンを通して学んだことを生かして、小学校での英語の時間も楽しく取り組んでいるようです。「学校のALTの先生が何を言っているかわかった」「(この前習った表現を使って)話しかけてみた」などという話も子供から聞きます。ビースタジオで学んだことで、変化に対しても積極的に取り組めているようです。
また、5、6年生では英語が教科化していますので、通知表で英語の成績がつくようになっています。成績面でも保護者や生徒さんご本人から嬉しい声をいただくことが多いです。
2020年以降、小学校だけでなく、中学1年生からの英語にも変化があり、より難易度が上がっています。指導要領の改訂によって、それまで高校生で学習していたレベルの「単語」や「文法」も中学の学習範囲となり、学ぶ量が増えました。そのため授業のスピードがかなり速くなってきていると聞きます。そうした授業にも対応できるよう、ビースタジオもサポートしていきたいと考えています。
赤松氏:英語はどうしても、低年齢から取り組み始めるほうがアドバンテージとなります。小学校で必修化されたことによって、学校の授業で「できる」「できない」が明確になり、学校外での英語の補習的なレッスンを求める方はますます増えるだろうと思います。そうしたニーズに合わせてサービスも拡充していこうと考えています。
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思考力と英語を同時に学ぶこれまでにない英語塾「グローバル思考力特化校」とは
--今後予定されているサービスなど、御社の展望をお聞かせください。
赤松氏:本日お越しいただいている、ここ初台の東京オペラシティ校は2024年9月に開校した「グローバル思考力特化校」です。「グローバル思考力特化校」は、読み取る力を養い、自分の考えをまとめ、伝える力を育成していくことができる校舎です。
外国人講師と日本人講師どちらかを選んでいただく従来のクラスとは異なり、外国人講師と日本人講師両方のレッスンが1つのコースの中で受けられます。リアルな英語体験を提供できる外国人講師と、個々の特性に配慮しのびのびとした自己表現ができることを促す日本人講師、それぞれの良さを1つのコースの中に集約しています。
やはり、外国人の先生のレッスンにおける、「外国人の方と触れ合う」「文化的な部分を学ぶ」という点は魅力です。外国人と日本人の先生が相互に補完しあい、より良いレッスンを提供できると実感しています。今後は晴海や有明ガーデン、文京グリーンコートなどに開校していく予定です。
--最後に、これから英語学習を始めようと考えている保護者の方へ、ひとことお願いします。
坂入氏:語学の学習にゴールはありませんが、いったんの学びのゴールを大学受験においてみると、大学入学共通テストの英語も、思考力・表現力をはじめ、従来求められていた英語力を超えるものを求められるようになっています。
子供たちは今、我々大人も経験したことがない変化の中にいます。そんな状況にあっても、英語が好きという気持ちをもち続け、たくさん心を動かしながら挑戦してもらいたいと思っています。私たちはそんな子供たちに伴走していきたいです。
習い事は、途中からスタートすると、最初は経験の差がどうしても出てしまいます。小学生は自分と他者を比べることが出てくる時期なので、初めは苦しいこともあるかもしれません。でも「できるようになりたい」という気持ちを大切に、挑戦してほしいと思いますし、そうした気持ちをきっかけに、努力することでしっかり力を伸ばせるのがビースタジオの強みだと思います。
--ありがとうございました。
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教材や授業づくりに細部にわたるこだわり。将来子供たちが英語を使ってコミュニケーションをしていく姿を見据えて、すべてのことが設計されている。小さいころから通う子供、小学校の途中からスタートする子も、どちらもしっかり英語力を伸ばせる環境とノウハウを有するビースタジオの存在は、英語初心者の小学生がいる家庭には大変心強いだろう。
従来の英語力を超えた、次世代型の英語力を身に付けることが求められる今、考え抜かれた教材やカリキュラムを土台として、2024年9月から展開している「グローバル思考力特化校」にも期待が集まる。今後の展開が楽しみだ。
ベネッセの英語教室 BE studioとは