東京女学館は、英国発のオンラインスクールを展開するNisai Japanと提携し、A-level(GCE上級レベル)のオンラインプログラムの提供を開始した。これにより、高校在籍中でも世界水準のカリキュラムを受講でき、国内外大学進学の選択肢が広がる。
東京女学館では国際学級を2学級体制に拡充し、生徒の海外大学進学をより確かなものにしたいと考えている。すでにケンブリッジ国際教育(Lower Secondary, IGCSE)の導入を進めており、高度な英語力と多様な視点を育むことに力を入れてきた。しかし、海外大学入学に必須とされるA-levelを校内のみで提供するには、指導教員の専門性や科目数に限界があった。そこで、世界基準のオンライン教育を展開するNisaiと提携し、A-levelを含む幅広いカリキュラムを補完することが不可欠となった。
A-level(GCE上級レベル)は、英国を中心に世界各国で導入されている大学入学資格レベルのカリキュラムである。より専門性の高い科目を選択し、論理的思考力や課題解決力を深めることができるため、海外大学進学はもちろん、国内大学入試でも総合評価される機会が増えているという。
Nisaiとの提携により、校内だけでは開講が難しい専門科目もNisaiのオンラインプログラムで提供される。生徒ひとりひとりの興味や進路に合わせた学習が可能となる。また、経験豊富な講師による双方向ライブ授業を受けられ、日本語での保護者対応や問合せも充実している。日本の学校スケジュールと連動しやすいため、国内の授業や部活動との両立がしやすい設計である。
導入開始時期は2026年4月を予定しており、受講対象は全学年(一般学級・国際学級)である。
A-levelの取得は世界中の大学への入学応募で高く評価され、進学先選択の幅が格段に広がる。A-levelで培う論理的思考力・表現力は、日本の大学入試改革が求める「思考力・判断力・表現力」の強化にもつながる。興味分野を深く学習できるため、生徒は自らの適性を見極めながら主体的に学ぶ姿勢を身に付けられる。
保護者向けの説明会や問合せにも東京女学館の教師が日本語で対応し、不安や疑問を迅速に解消できる体制を整えている。
渡部さなえ校長は、東京女学館の教育理念である「幅広い視野・多様な価値観を受け入れる力の育成」と、Nisaiが掲げる「世界基準の教育を通じた人間形成」の方向性は深く共鳴していると述べている。両者の共通コンセプトは、知識偏重ではなく、探究心やコミュニケーション能力、他者へのリスペクトを育むことを主眼に、オンラインとオフライン双方で個々の生徒に合わせた教育を行うことだという。
Nisaiの講師陣が海外からオンラインでリアルタイムでA-Levelの授業をオールイングリッシュで行う。Nisaiからのノウハウ提供により、東京女学館の教員がA-levelの授業をファシリテートしていくために必要な指導スキルを習得する。カリキュラム全体の整合性を保ちながら運営する。
海外大学進学実績のある他校の事例やベストプラクティスを紹介しつつ、学期ごとにカウンセリングを実施。生徒個々の状況を把握して適切な指導を行う。校内での学びとオンライン授業を統合することで、より深い理解と多面的な学習効果を狙う。
東京女学館では、すでに導入しているLower SecondaryからIGCSEレベルおよびA-Levelへとスムーズな接続を図ることで、「IGCSE修了 → A-Level履修 → 海外大学進学」という一貫した流れをより強化していく。これにより、多くの生徒が海外大学への道を円滑に進める環境が整い、国際教育の先進校としてさらなる知見と実績を積み重ねる見込みである。
国内の大学受験対策と並行しながら海外大学進学を目指せる、柔軟かつ多様性に富んだプログラムを構築することで、さらなるグローバル人材の育成をめざす。
Nisaiは、英国に本拠地を置き、世界中どこからでもケンブリッジプログラムを受講できる“オンライン授業”を提供するオンラインインターナショナルスクール。海外のトップ大学進学を視野に入れたカリキュラムが用意されており、時差や距離のハードルを最低限に抑えられる。保護者や生徒からの質問にも日本語で対応し、入学手続きや授業のフォローアップも徹底している。
Nisaiは“ただ正解を求めるだけ”の教育ではなく、“人を育てる”教育を追求している。東京女学館とのパートナーシップを通じ、世界水準の学びと日本の伝統教育を融合し、次世代を担うグローバルリーダーの育成を目指している。