中高生の約7割が日常的な疲労を抱え、スマートフォンの長時間使用で就寝時刻が後退していることが2025年6月3日、日本リカバリー協会とベネクスの共同調査結果から明らかとなった。スマートフォンを3時間以上利用している高校生は4割を超え、長時間利用が一般化していることがうかがえる。
共同調査「ジュニア年代のリカバリー白書2025レポート Vol.1」は、運動・栄養に続く健康の3要素である「リカバリー(休養・抗疲労)」に着目したジュニア世代における実態調査。スクール運営のDXプラットフォーム「Sgrum(スグラム)」に登録している保護者を対象に3月31日~4月10日にインターネットで調査された。回答対象サンプルは、幼稚園449人、小学生(低)468人、小学生(中)592人、小学生(高)670人、中学生738人、高校生295人。
調査によると、「ひどく疲れた」状態の生徒は学年とともに増加し、幼稚園児の3.3%から高校生では24.7%まで上昇。幼稚園児では69.5%が「元気」な状態を保っているが、この割合は学年進行とともに減少し、中学生では30.8%まで低下している。また、何らかの疲労を感じている生徒の総数は、幼稚園児の30.5%から中学生では69.2%まで増加し、高校生でも65.8%と高い水準となった。
スマートフォン使用時間は、年齢が上がるにつれて大きく増加。幼稚園児でも36.3%が使用をしていることがわかった。小学生になると学年進行とともに使用時間が増加し、低学年の46.4%から高学年では76.7%まで急増。中学生になると大きな転換点を迎え、3時間以上の使用が19.4%、2時間以上が合計48.1%へ。さらに高校生では3時間以上使用する割合が41.4%まで上昇し、スマートフォンの長時間利用が一般化する。
一方、睡眠時間は年齢が上がるにつれてが減少し、幼稚園児では74.7%が9時間以上の睡眠を確保しているのに対し、高校生では6~7時間が最多となった。小学低学年までは午後9時台の就寝が主流だが、中学生では午後10時台、高校生では午後11時台が最多となり、年齢とともに就寝時刻が後退していることがわかった。
睡眠時間も、年齢の上昇とともに減少する傾向が顕著に表れている。幼稚園児では「9時間以上」が74.7%を占め、「10時間以上」眠る子供が40.8%と最多である一方、中学生では「7~8時間」が37.8%と最多となり、「6時間未満」の短時間睡眠も3.7%存在する。高校生になるとさらに状況は深刻化し、「6時間未満」の睡眠が13.2%まで増加し、もっとも多い層が「6~7時間」の36.6%となる。7時間以上の睡眠を確保できている高校生は全体の50.2%にとどまり、十分な睡眠時間を確保できていない実態が明らかになった。