【中学受験2026】グローカルな学び舎、羽田国際中学校誕生 “探究の翼”を育む中高6年間一貫教育のはじまり

 共学化を経て新たな一歩を踏み出した「羽田国際高等学校」に続き、中高一貫校として6年間の学びを展開する「羽田国際中学校」が来春いよいよ開校する。立地を生かした地域に根ざす新しい学校づくりのビジョン、中学生を初めて迎える今の思いとは。

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【中学受験2026】グローカルな学び舎、羽田国際中学校誕生 “探究の翼”を育む中高6年間一貫教育のはじまり
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 共学化を経て新たな一歩を踏み出した「羽田国際高等学校」に続き、中高一貫校として6年間の学びを展開する「羽田国際中学校」が来春いよいよ開校する。日本の空の玄関口・羽田空港にもっとも近い地に誕生するこの新たな学び舎を訪ね、簡野裕一郎先生(簡野学園理事長/羽田国際中学校・高等学校校長)、兼子正暢先生(教頭・進路部長)に、立地を生かした地域に根ざす新しい学校づくりのビジョンや中学生を初めて迎える今の思いを聞いた。

“Think Globally, Act Locally” 地球規模で考え、足もとから行動しよう

--羽田国際高等学校が誕生してから1年、このたび中高一貫校を新設するに至った背景・ねらいについて教えてください。

簡野先生:私ども簡野学園は、保育園・幼稚園から専門学校、高等学校までを運営する総合学園であり、現在は約1,386名の園児・児童・生徒・学生が在籍しています。2021年に創立80周年を迎えたことを契機に、これまでの女子教育や幼児教育を軸とした体制に加え、卒園児が本学園の学びを継続できる環境の整備、そしてグローバル化を見据えた教育の改革に着手しました。その一環として、2024年にまず高等学校(旧名:蒲田女子高等学校)を共学化、校名を一新し、続いて中学校を2026年4月に開校することになりました。

簡野学園理事長/羽田国際中学校・高等学校校長 簡野裕一郎先生

--簡野学園の歴史と教育理念についてお聞かせください。

簡野先生:本学園の学祖は、戦前に漢文の教科書や辞典などを手がけた漢学者の簡野道明です。彼の座右の銘であり建学の精神として受け継がれてきたのが“心も姿も美しく、思いやりを大切にし、目標に向かって自ら行動する”、「清・慎・勤」という3つの漢字に表現される学園訓です。私どもは、この普遍的な理念に加え、新たな時代にふさわしい教育姿勢として、グローバル×ローカルを掛けあわせた“グローカル”の視点を取り入れ、新しい一歩を踏み出しました。羽田国際が掲げるキャッチコピーは、“Think Globally, Act Locally「地球規模で考え、足もとから行動しよう」。この考え方を教育の柱とし、普遍の精神と新たなチャレンジを両立させた教育を展開しています。

--貴校は、東京都23区内でも人口規模が3番目に大きく、発展を続けている大田区・羽田エリアに位置していますが、教育環境にはどのような特徴がありますか。

簡野先生:この地域は羽田空港の国際化やマンションの増加で新しいファミリーが多く移り住んでおり、子供の数が今後もしばらく減少しないという統計が出ています。羽田空港に隣接した立地特性から、外国人旅行者やビジネスパーソンが日常的に行き交い、グローバルな感覚が身近に感じられる恵まれた環境が広がっています。本学園が運営する幼稚園・保育園にもアジアや欧米など多様な国籍のお子さんが増えており、「国際」の名にふさわしく、さまざまなバックグラウンドをもつ子供たちが集い、共に学ぶ場となっています。

芝生のグラウンドを取り囲むように同じ敷地内に幼稚園、高校、中学校がある

「探究」の時間に自分の可能性を拡げる

--中高一貫校化によって、生徒にはどのような学びのメリットがあるのでしょうか。

簡野先生:もともと高校3年間に集中した教育を提供してきました。しかし、入学時点で中学校の基礎を学び直す生徒の姿を目にすることもあり、非常にもったいないと常々感じていたのです。中高一貫という6年間の学びのステージが整うことで、義務教育で培うべき基礎を着実に定着させながら、その上に応用力を段階的に積み上げていくことが可能になります。さらに多感な時期だからこそ身に付けられる、教科学習以外の探究的な学びにもじっくり向き合うことができる。そんな豊かな時間を作り出したいと考えています。

 また、昨今の大学入試は総合型選抜など多様化が進んでいます。主体性や協働力といった非認知能力(コンピテンシー)を高めることがこれからの教育には欠かせません。6年間かけて基礎と応用、そして探究的な学びを通じて非認知能力をバランスよく育てる。この探究の時間が、さらに質の高い教育の実現を目指す中核の役割を担うと考えています。

--特徴的な教育活動には、どのようなものがありますか。

兼子先生:中高6年間を通じた一貫教育の核として、「WINGSプログラム」という独自の教育プログラムを実施しています。名前の「WINGS」は、生徒ひとりひとりが自分の可能性という“羽”を広げ、大きく羽ばたいてほしいという願いが込められています。

羽田国際中学校高等学校 教頭・進路部長 兼子正暢先生

 具体的には、中高の6年間を2年ごとの3つのステージに分け、それぞれに明確なテーマを設定しています。最初の中1・中2の期間は“MEET”の期間として、多様な世界や価値観に出会い、学びの地図を広げることをテーマにしています。次の中3・高1は“ACT“。「自分は何者か?」「自分の価値とは?」と、自分自身に立ち返るステージであると捉え、海外研修などを通して異文化の中の自分を見つめ直す機会も用意しています。そして最後の高2・高3のステージの“BE”では、これまでの経験をもとに、社会にどう貢献していくか、自分の進路をどう切り拓くかを考え、実践していきます。このように6年間を通じて「出会う・行動する・(理想の自分に)なる」というプロセスを育てていくことが、WINGSプログラムの特徴です。

--WINGSプログラムには「WINGS探究」「グローカル教育」「BLENDEDラーニング」という大きな3つの柱があるそうですね。まず、「WINGS探究」とはどういった内容ですか。

兼子先生:「WINGS探究」は、羽田という地理的特性を生かし、多様な価値観との出会いの拠点として、国内外の企業や学校から、さまざまなゲストを招き交流する取り組みです。昨年度は23か国・地域から約670名の方が来校しました。この場所(K-Place)で出迎え、英語で挨拶をし、「日本文化Stage」で一緒に日本の遊びや茶道などのワークショップを行ったり、ゲストとして来校したフランス人の先生と一緒に英語・日本語・フランス語の授業をしたり、「HANEDA留学」と銘打って、学校にいながらさまざまな体験を通じて自国の文化背景にも目を向け、学びを深めていきます。

K-Placeは「WINGS探究」の象徴的な場所。開放的な吹き抜けの階段「K-STEP」に座り、生徒たちがさまざまな学びを深める
茶道やワークショップなど、海外からのお客様との交流の場に活用される場所「日本文化Stage」

 特に航空業界とのつながりが強く、JALスカイやANAグループとは正式に教育提携しています。空港の舞台裏を見学したり、現役のスタッフの方と交流したり、さまざまな体験から多国籍・多文化の人々と接する現場で求められる姿勢やホスピタリティを学ぶことができます。また、アマゾンジャパンや丸紅といった大企業との連携プログラム、SDGsに関する探究活動や社会課題に対する企業のアプローチを学ぶプログラムや、企業のプロジェクトに参加してインターンのような経験を積める機会もあります。

 さらに地元・大田区と協力しながら、商店街の活性化や空き家問題といった地域の課題に一緒に取り組むなど、生徒が社会とのつながりを実感できる場も豊富に提供しています。

--「グローカル教育」とはどのような教育ですか。

兼子先生:“国際理解教育”という枠にとどまらず、世界の多様な価値観に触れると同時に、「自分の国の誇りとは何か?」について理解を深める教育を目指しています。「海外研修」と「日々の英語教育の充実」を柱とし、海外研修は中学3年で北米研修(アメリカ西海岸~カナダ)へ、高校では東南アジアやオセアニア方面への研修を予定しています。単なる語学研修にとどまらず、現地の人と英語で対話しながらビジネスや社会課題への理解を深め、世界のことを自分事として捉える機会を創出します。

 日常の英語教育も、英語力の土台をしっかりと築くことを意識したカリキュラムです。標準とされる週4コマを上回る週7コマの授業数を設け、文法や語彙といった基礎力を習得します。副担任はネイティブスピーカーを配置し、日常的にコミュニケーションを通じて、使える英語を身に付けていきます。

--「BLENDEDラーニング」とはどのような学びでしょうか。

兼子先生:探究活動やグローバル教育がどれほど魅力的であっても、やはり基礎となる学力が不十分であれば学びを深めていくことはできません。BLENDEDラーニングでは、小テストや宿題の徹底、習熟度の可視化、きめ細やかな学習管理といった塾の指導メソッドを積極的に取り入れることで、塾と学校それぞれの強みによる相乗効果を目指しています。授業スタイルも、対面授業だけでなく教員が収録した解説動画を活用するなど、個々の理解に応じて学び直しや復習ができるよう工夫し、個別最適化された学習を実践します。

校舎内にはさまざまなStageがあり、外の光が差し込む明るい学びの場となっている。K-STEP裏の図書スペースにあるPLAY ステージ(左上)は園児も生徒もお気に入りの場所。J-WINGSステージ(右上)は中学生専用の学習スペース。ART ステージ(左下)は美術・技術の授業や部活で利用、中学生用のJ-LOUNGE(右下)はランチや休み時間の憩いの場

開放感溢れる学び舎で、部活動や国際色豊かなイベント

--部活動について教えてください。

兼子先生:放課後の活動を「アフタースクールプログラム(ASP)」と呼び、文化部、運動部だけでなく、中国語などの語学講座や興味別のプログラムも充実させます。生徒ひとりひとりの「好き」や「得意」を広げられる環境づくりに力を入れており、高校には、強化指定クラブとして「サッカー・フットサル部」「チアリーディング部」「吹奏楽部」の3つが活発に活動しています。中高合同の活動が可能なのも中高一貫校ならではの魅力です。

 新たに部活動や同好会を立ち上げることも大歓迎で、高校では生徒の声を受けて「和太鼓部」が誕生しました。生徒の「やってみたい」という気持ちを尊重し、仲間とゼロから活動を創り上げる経験は、第1期生にしか得られない特権です。

--課外活動はどのようなものがあるのでしょうか。

兼子先生:入学後の1学期には2泊3日の学年合同のキャンプを実施し、自然の中での体験を通じてチームビルディングやリーダーシップを育みます。また、新たな構想として、文京区にある学祖・簡野道明の墓所である傳通院から学校までを歩く「20kmハイク」も企画しているところです。沿道では地域の歴史を学びながら、ゴール地点では保護者とともに歩き切った達成感を共有できるようなイベントにしたいなと。そんな少し昭和っぽい(笑)行事も、振り返ったら良い思い出になるのではと考えています。

「生徒と一緒に取り組みたいことがたくさんある」という簡野先生と兼子先生

 学園全体で行う有竹祭(文化祭)については、校名が羽田国際になったことを受けて「WINGS ONE WORLD FESTIVAL」というサブテーマを掲げ、国際色豊かなイベントを実施しています。生徒たちが五大陸ごとに国の文化や言語を調べて発表し、昨年は多国籍のキッチンカーが15台以上集まり、世界の食文化を体験しました。体育祭も高校との合同開催を計画しています。中学生ならではの発表や役割を担えるようにしていきたいと考えています。

第1期生だからこそ味わえる“立ち上げる”楽しさを一緒に

--中学生を迎え入れる今のお気持ちをお聞かせください。

兼子先生:一緒に学校をつくっていきたいという気持ちです。新しいことに積極的にチャレンジし、いろいろなことに興味や関心をもって取り組める。そんな前向きな生徒を歓迎しています。心身共に著しく成長する中学生は、心の変化や友人関係の難しさなども経験する時期で、見守ってくれる大人の存在はとても重要です。私たちは生徒の理解者として、ご家庭と一緒にお子さまの成長を喜びあえる関係を築いていきたいと思っています。

簡野先生:教員も意欲的な人が多く、平均年齢は30代半ばと若いです。教職員一同、熱意をもって準備していますので、ぜひ説明会に足を運んでいただき、私たちのエネルギーを感じていただきたいです。新しい学校の良さは変化、成長の余地があることだと考えています。入学後も生徒にあわせて、柔軟に計画を改善していきます。生徒、教職員、保護者、地域の方々が「チームWINGS」として、生徒ひとりひとりの個性という羽を大きな翼に育てていく。それが私たち教員のいちばんの願いです。

--ありがとうございました。


 第1期生として生徒・保護者・先生がともに未来を創っていける、そんなワクワク感にあふれた羽田国際中学校。ぜひ親子で説明会に参加し、「可能な限り壁をなくし、開放感ある空間を創出した」という学びのステージを体感してほしい。

2026年4月開校「羽田国際中学校」ティザーサイト

【小5・小6対象】秋の入試説明会

 学校の概要説明とともに、初年度入試の形式・出題傾向などを公開します。過去問がなくても対策ポイントがつかめる会となるので、ぜひご参加ください。※適性検査入試を検討されている方は、オプションで対策説明を受けることもできます。
・9月6日(土)10:00~11:30(申込受付中)
・10月11日(土)10:00~11:30
・11月29日(土)10:00~11:30
※同一内容となりますので、小学6年生の方はいずれか1回に必ずご参加ください。

《吉野清美》

吉野清美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、子育てとの両立を目指しフリーに。リセマムほかペット雑誌、不動産会報誌など幅広いジャンルで執筆中。受験や育児を通じて得る経験を記事に還元している。

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