阪神甲子園球場で熱戦が続いた第107回全国高校野球選手権大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は、最終日の23日、14年ぶりの優勝を目指す西東京の日大三高を3−1で破り、沖縄尚学が初優勝を果たした。
甲子園優勝校・沖縄尚学ってどんな学校?
日本中から注目を集めた沖縄尚学とはどのような学校なのか。
学校法人 尚学学園 沖縄尚学高等学校・附属中学校は、中高6年間、または高校3年間で教育システムが設計されており、高校入学時は5コースに分かれ、旧体育コースである「尚学パイオニアコースβ」や、医学部医学科を目指すコース、国際バカロレアディプロマプログラムのコースなど、高3までに志望大学に合わせて8コース12学級に細分化されている。

優れた大学進学実績
このように生徒ひとりひとりの進路に合わせたきめ細やかな指導は、大学合格実績によってその成果がうかがえる。
2025年は、東大、京大をはじめ旧帝大を含む国公立大学に187名が合格。そのうち現役合格は163名という快挙だ。また、医学部医学科にもお膝元の琉球大学をはじめ15名が合格しているほか、海外大学もTimes Higher Educationによる世界大学ランキング25位の米国ワシントン大学や韓国の難関である延世大学などにも合格者を輩出している。
グローバル教育も充実
沖縄尚学には国際バカロレアディプロマプログラムがあり、それ以外のコースでも実践的な英語にふれる機会を提供。大学入試だけを目的とするのではなく、高校卒業後も英語学習を継続できるような指導を行っている。英検の指導にも熱心で、全生徒が高校卒業までに英検準1級の取得を目指しており、英語のスピーチやディベートコンテストで好成績をあげている生徒もいる。
沖縄ならではのユニークな必修科目も
ユニークなのは、グローバルな社会で活躍する上で、語学はもちろん「文化力」を身に付けることも大事だとして、沖縄伝統空手を必修としている点だ。沖縄発祥で世界に広く知られた文化である空手を授業に取り入れ、生徒たちは週に1回、沖縄県空手道連盟から派遣される指導者のもとで、沖縄伝統空手「型」を学んでいる。
多様性の中で切磋琢磨し成長できる環境
沖縄尚学は、野球をはじめスポーツが得意な生徒、勉強が得意な生徒、グローバル志向の生徒など、多彩なタレントをもつ生徒が学んでいる学校だ。それぞれの得意や興味・関心に合わせたコースを選択しながらも、同じ学舎の下だからこそ、互いに切磋琢磨していける環境だと言えるだろう。今回の優勝も、同校の生徒ひとりひとりの大きな励みとなり、刺激となって、成長へとつながっていくはずだ。沖縄尚学の”野球以外”の今後の活躍にも注目していきたい。