大妻中野、IELTS推進校に認定…女子校で国内初

 大妻中野中学校・高等学校は2025年9月10日、IDP Educationによって全国の女子校として初めて「IELTS推進校」に認定されたと発表した。同校はIELTSを単なる語学試験ではなく、国際社会での活躍を目指すためのプラットフォームと位置づけ、大学入試や将来のキャリアに直結する実践的な力を育むために活用している。

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大妻中野中学校・高等学校を「IELTS推進校」に認定
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 大妻中野中学校・高等学校は2025年9月10日、IDP Educationによって全国の女子校として初めて「IELTS推進校」に認定されたと発表した。IELTSは、世界で年間400万人以上が受験する英語4技能テスト。同校はIELTSを単なる語学試験ではなく、国際社会での活躍を目指すためのプラットフォームと位置づけ、大学入試や将来のキャリアに直結する実践的な力を育むために活用している。

 大妻中野中学校では、2018年からIDP Educationと連携し、校内で年に2回、公式のIELTS試験を実施している。対象はグローバルリーダーズコース(GLC)生だけでなく全校の生徒であり、「みんなで受ける」という意識のもと、IELTSが日常の学習に根ざした実践の機会として定着している。これにより、生徒の意欲と安心感が高まっているという。

 同校のGLCでは、ネイティブ教員と日本人教員が連携してカリキュラムを構築し、IELTSのSpeakingやWritingに対応する発信型授業を日常的に展開している。さらに、週1回、80分間の課外IELTS対策講座も実施しており、英検3級~準2級程度レベルからでも参加可能で、学年やコースを超えたスキル育成が図られている。

 この実践を支えているのが、大妻女子大学教授の服部孝彦氏である。2011年より同校の教育アドバイザーを務め、スピーキング講座や模擬面接を通じて生徒ひとりひとりの成長をサポートしている。また、卒業生による「グローバルチューター制度」では、先輩が後輩をIELTS対策や進路面で支援するなど、世代を超えた学びの循環も同校の特色だ。

 さらに、法政大学グローバル教養学部(GIS)との高大連携協定も2025年4月に新たに締結され、GISの教育支援のもと、模擬授業や大学生との交流を通じて、生徒の英語運用力や国際的視座をさらに広げる環境が整っているという。

 大妻中野中学校では、IELTSスコアを活用することで、国内外を問わず幅広い進路の選択肢を実現している。これまでにも、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、ICUなどの英語学位プログラムへの進学実績を重ねてきた。また、2024年度には、アメリカのワシントン大学やUCサンディエゴ、カナダのサイモンフレーザー大学など、複数の卒業生が海外のトップ大学への進学を果たしており、IELTSがその確かな土台となっている。

 IDP Educationは、日本国内の高校向けにグローバル教育におけるIELTSの活用を支援する取組みを積極的に行っている。具体的には、IELTSの模擬試験と本試験の団体受験の実施、英語教員向けのIELTS指導セミナーの開催、生徒向けIELTSの試験概要や勉強法のセミナー開催、IDP公認のIELTSエキスパートによるワークショップの開催などである。

 大妻中野中学校は、創立以来「品格ある女性の育成」を教育理念に掲げ、伝統と革新を融合させた教育を展開している。近年では国際教育に注力し、2016年度に設置されたグローバル・リーダーズ・コース(GLC)を核として、英語4技能の育成、異文化理解、課題解決力の習得を重視した学びを推進している。

《風巻塔子》

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