国立健康危機管理研究機構(JIHS)は2025年9月9日、百日咳の全国の累積報告数が、8月31日までに7万2,448件になったことを明らかにした。東京都では9月7日までの累積報告数が5,698人にのぼり、このうち7割が5歳~19歳の若年層となっている。
百日咳の全国の累積報告数は、過去7年間の水準を大きく上回る7万2,448件となった。JIHSの感染症発生動向調査の速報値によると、2025年第35週(8月25日~31日)に、医療機関から報告された百日咳の患者数は2,258件。年齢別では、10代が874件、6歳~9歳が648件と若年層が大半を占めている。
都道府県別にみると、第35週(8月25日~31日)の報告数は、東京都200件、神奈川県155件、埼玉県143県、群馬県126件、愛知県119件、宮城県117件、茨城県107件の順に多く、7都県で100人を超えた。東京都では9月7日までの累積で、世田谷区488人、板橋区348人、八王子市360人など、あわせて5,698人が感染しているという。
百日咳は、百日咳菌の感染によって、特有のけいれん性の激しい咳発作を特徴とする急性の気道感染症で、飛沫感染や接触が感染経路とされる。初期は、かぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増え、その後、特徴ある発作性けいれん性の咳となる。回復までに、全経過で約2~3か月かかるとされる。