2026年度の中学受験を目指すご家庭は、そろそろ第一志望校・併願校を決定する時期だろう。
リセマムでは昨年に引き続き「中高6年間一貫教育を考える会」と連携し、お勧めの私立中学校をピックアップ。同会が発行する『とっておきの私立中学校』の中から抜粋して、注目校の魅力をお伝えしていく。
本記事でご紹介するのは、成立学園中学校。東京都北区にある中高一貫の共学校だ。学校長・元呑健司先生からのメッセージのほか、進路進学に対する考え方、特色のあるプログラムを紹介する。
教育目標
「見える学力」×「見えない学力」
「認知能力」に対して「非認知能力」という言葉はOECDが2015年にその定義を公表したころから頻繁に使われるようになりました。本校はそれより以前から、それを「見える学力」「見えない学力」と呼び、氷山絵図を用いて表現してきました。これはそれぞれを切り離して考えるものではなく、海面上に出ている部分(見える学力)と海面下にある部分(見えない学力)をひとつの氷山と捉えて、同時に鍛えていくことが重要であるといった教育目標を体現しています。
学力の基礎となる見えない部分を育てることで、見える部分も大きく成長します。また、「写し取る、覚える」学びを否定せず、知識を繰り返し身につけることも重視しますが、それを「使ってみる、試してみる」ことで教養へと高めていく学びを重視しています。アウトプット(本校では「発信力」と呼ぶ)を繰り返すことで、知識を自在に使える力が育まれます。
その中で私たちが大切にしていることは「失敗を恐れずに挑戦する文化」です。本校は大正時代から続く激動の100年間、さまざまな挑戦を繰り返し今日に至ります。生徒たちにも主体性を持ち積極的に挑戦できる環境を整え、失敗を成長の機会と捉えられるマインドを育んでいきます。「踏み出せ! その一歩を。」(校長 元呑健司先生)
創立100周年特設サイトどういう学び方をするの?

本校の大きな特色のひとつが、「アース・プロジェクト」を中心とした体験型学習です。本物の思考力や理解力を育むには、本物の体験が不可欠であるとの考えから、さまざまな体験学習や校外フィールドワークを実施。教科書では得られない「発見」や「驚き」、「感動」を通じて得た気付きが日々の学習と結びつき、真の知識と教養を養います。
多感な中学生の時期に豊かな体験を重ねることで、将来を見据える力を育み、学習意欲やモチベーションの向上にもつながっています。このアース・プロジェクトは「体験型プロジェクト」と「学問型プロジェクト」に大別され、それぞれ生徒の知的好奇心を大いに刺激するプログラムになっています。各生徒が得た知的好奇心は、中学3年次に「成立宣言」という形で、高校での探究課題に落とし込み、高校1年次に「探究論文」にまとめあげ、それぞれの進路選択の一助としているのです。
さらに「成立メソッド」として中学1年次は授業の受け方やノートの取り方などひとつひとつ丁寧に指導するスタイルで、安心してお子さまを預けることができます。また、中学3 年間の主要3教科の授業時間数は、公立中学校の2.2倍に設定されたカリキュラムなど、徹底した丁寧な指導が高く評価されています。

“見えない学力”を体験して学「アース・プロジェクト」
体を使って、頭を使って、手で触って、本物を体験し、発見するのが、アース・プロジェクト。本物の思考力や理解力を育むには、本物の体験が重要です。教科書では学べない「発見」「驚き」「感動」を共有し、日々の学習と繋げながら、本物の知識と教養を身に付けます。
同校の所有する埼玉県鷲宮総合グラウンドにある水田で、田起こし~田植え~稲刈り~脱穀の過程を体験して学ぶ「水田学習」。日本で唯一のナショナルジオグラフィック教育実験校として、ナショナルジオグラフィックの写真や記事を通して、自分が興味・関心をもった事柄についてさらに深掘りをして調査・発表する「ナショジオプログラム」。東洋大学や日本大学との「中高大連携プログラム」など、多くの経験を通して湧きあがる「なぜ?」という問いを、「成立宣言」として生徒ひとりひとりが高校の研究テーマとして掲げます。その「成立宣言」を起点とし、学びを深め、高校1年時に「探究論文」として発表し、将来の進路選択の礎とするのです。






学校概要
所在地:東京都北区東十条6-9-13
アクセス:JR埼京線・京浜東北線「赤羽駅」徒歩8分、JR京浜東北線「東十条駅」徒歩8分
電話番号:03-3902-5494