中学受験の合格戦略、集団塾との併用が主流…保護者調査

 Web教育メディア中学受験ポータルは、中学受験で合格した子供をもつ保護者を対象に調査を実施。合格者の57%が家庭教師や個別指導塾を利用しており、集団塾と併用するハイブリッド型の学習が主流であることがわかった。利用者の6割以上が、個別指導がなければ合格は難しかったと感じていることも明らかになった。

教育・受験 小学生

advertisement

中学受験における家庭教師や個別指導塾の活用実態調査
中学受験における家庭教師や個別指導塾の活用実態調査 全 11 枚 拡大写真

 ライフデザインが運営するWeb教育メディア「中学受験ポータル」は、中学受験で合格した子供をもつ保護者を対象に調査を実施した。その結果、合格者の57%が家庭教師や個別指導塾を利用しており、集団塾と併用する「ハイブリッド型」の学習が主流であることがわかった。また、利用者の6割以上が、個別指導がなければ合格は難しかったと感じていることも明らかになった。

 同調査は、中学受験における家庭教師や個別指導塾の活用実態を明らかにすることを目的に、2025年10月10日から11月3日にかけてインターネットアンケート形式で実施された。対象は、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・京都・奈良に在住する30代から50代の、中学受験で合格した子供をもつ保護者186名。

 中学受験時に家庭教師または個別指導塾を利用したか尋ねたところ、57%にあたる105名が「はい」と回答し、合格者の半数以上が個別指導を受けていた実態が明らかになった。利用形態については、「集団塾と家庭教師の併用」が35%でもっとも多く、ついで「集団塾と個別指導塾の併用」が28%だった。集団塾と併用するケースが6割を超える一方、「個別指導塾のみ」(22%)と「家庭教師のみ」(10%)をあわせた単独利用も約3割を占めた。

 担当講師については、「プロ講師」が66%と多数を占め、「学生講師」は16%にとどまった。「両方」も16%おり、保護者が指導実績を重視する傾向がうかがえる。指導形式は、自宅や教室で直接指導を受ける「対面」が68%と主流だったが、「オンライン」も16%にのぼり、「両方」(14%)とあわせると、オンライン指導を取り入れた家庭は30%近くに達した。

 個別指導を利用していなかった場合、中学受験の合格は難しかったと思うかという問いには、62%が「難しかったと思う」と回答。「利用しなくても合格できたと思う」の31%を大きく上回り、保護者の多くが個別指導の有効性を実感しているようすがわかる。

 利用開始時期は、小学5~6年生が42%と半数近くを占めた。一方で、小学3~4年生は28%、小学1~2年生も11%と、低学年から利用している家庭も少なくないことがわかった。

 月々の費用は、「3万円程度」が19.3%でもっとも多く、ついで「4万円程度」が13.8%だった。平均額は4万2,043円となった。月10万円以上の高額な費用をかけている家庭も8.6%存在した。

 個別指導を探し始めたきっかけ(目的・理由)は、「中学受験の対策全般を頼みたい」が49%で最多。ついで「苦手科目・苦手分野の克服」が28%、「集団塾のクラスアップ」が19%と続いた。ほかには、「自宅学習のスケジューリング・管理」や「過去問など志望校対策」などもあがった。

 選ぶ際に、もっとも気を付けるべきこととしては、「講師の指導実績・合格実績」(39%)、「講師と子供との相性」(31%)、「講師が子供の通う塾のカリキュラムに詳しいか」(30%)と、講師に関する項目が上位を占めた。

 個別指導を最大限に活用するためのコツについては、事前の入念な調査をあげる声がもっとも多かった。具体的には、「体験授業でいろいろな塾を見て回る」「口コミを参考にする」などがあげられた。ほかにも、「子供との相性が良い講師を選ぶ」「目的を絞ったほうがよい」「指導内容が的確になるよう、最初に目標を共有する」「保護者も進捗を把握すること」などの声が寄せられた。

 同調査では、家庭教師や個別指導が「勉強が遅れている子供が利用するもの」という従来のイメージから、合格に向けた戦略的な選択肢へと変化しているようすがうかがえる、と総括している。集団塾で競争力を磨きつつ、個別の弱点補強や志望校対策にはプロの個別指導を充てるという「ハイブリッド型の受験戦略」が、合格へのルートとして定着しつつあるようだ。

《風巻塔子》

advertisement

【注目の記事】

この記事の写真

/

advertisement

特集