ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所は、高校3年生を対象とした「高校生活と進路に関する調査2026」の結果を公表した。調査では「自分の意思で進路を選択した」高校生が9割を超えた。また、探究活動に積極的に取り組んだ生徒ほど、進路選択の主体性が高い傾向があることもわかった。
両者は2014年に「子どもの生活と学び」共同研究プロジェクトを立ち上げた。同プロジェクトでは、全国の小学1年生から高校3年生までの親子約2万組を対象に毎年追跡する「子どもの生活と学びに関する親子調査」(親子パネル調査)を行っている。あわせて、高校卒業後の進路を把握するため、高校3年生を対象とした「高校生活と進路に関する調査」を2~3月に実施している。
調査テーマは高校3年生の学習、生活、進路選択についての意識と実態。対象人数・回答率は2018年が975名(69.6%)、2022年が894名(66.6%)、2026年が837名(45.8%)だった。実施時期は2018年と2022年が3~4月上旬、2026年が2~3月。調査方法は2018年と2022年が郵送依頼による自記式質問紙調査、2026年が郵送依頼によるWeb回答調査で実施した。
親子パネル調査では、この11年で小中高生の学校外の学習時間が約2割減り、学ぶ目的意識が低下していることがわかっている。一方、高校生では「新しいことを知るのがうれしいから」「ふだんの生活に役立つから」という理由で勉強する生徒が増加している。進路選択をふりかえる設問では、「自分の意思で進路を選択した」「自分の進路について真剣に考えた」と答えた高校生がいずれも9割を超え、「自分から進んで進路に関する情報を収集した」生徒は約85%となった。
高校生活での取組みでは、「趣味」に積極的に取り組んだ生徒が2018年から2026年にかけて12ポイント以上増え、約85%となった。「学校の授業」「学校行事」などの学校生活に積極的に取り組んだ生徒も8割以上に達している。また、「社会問題について真剣に考えた」と答えた生徒は2018年から2026年にかけて20ポイント上昇し、コロナ禍後に増加して約6割となった。「高校3年間で自分は成長した」「高校3年間の生活に満足している」「仲間と協力して目標を達成した」に「とてもあてはまる」と答えた生徒は4~5割だった。
約7割の高校生は「探究活動・総合学習」に積極的に取り組んだと答えた。積極的に取り組んだ生徒ほど、「自分で探究する課題の問いを立てる」「課題を解決するための方法を考える」「収集した情報を整理・分析する」「課題を解決するためにグループで話し合う」「学習の成果を人前で発表する」「課題の解決を通じて自分の生き方やあり方を考える」といった学びの経験が豊富で、進路選択の主体性も高かった。
ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所は、趣味への積極的な取組みや社会問題への向き合い方の変化が、主体的な進路選択と関連している可能性があると分析。興味・関心のあることや社会課題に向き合い、仲間との対話や試行錯誤を通じて学びを深めた経験が、自分らしい進路を切り拓く力につながっていることを示唆しているとした。同プロジェクトでは、今後もパネル調査の特徴を生かして子供の学びの実態を継続的に捉え、学びに向かうための課題や解決策を社会に発信していくとしている。

