文科省が大学など51校に改善要求…定員の未充足や大幅超過、教員不足

 文部科学省は2月12日、大学などを対象にした平成25年度設置計画履行状況等調査の結果を公表した。入学定員の未充足、専任教員数の不足などにより、51校に改善を求めた。

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平成25年度設置計画履行状況等調査結果(一部)
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 文部科学省は2月12日、大学などを対象にした平成25年度設置計画履行状況等調査の結果を公表した。入学定員の未充足、専任教員数の不足などにより、51校に改善を求めた。

 調査は、新設校、前年度に再調査が必要と判断された大学や大学院など528校を対象に行われた。書面や面接のほか、実地調査では今回初めて、一部の大学で教職員インタビューも実施された。

 入学定員については、当初計画時に根拠なく設定したため未充足が続いている大学がある一方、大幅に超える学生を受け入れていることで教育環境の質の低下が懸念される大学もあり、改善に向けた取り組みが求められた。

 教育課程では、1単位あたり最低でも15時間の確保が必要とされる中、15時間の授業時間に定期試験が含まれている大学なども見られた。教員組織については、退職などで大学設置基準に定めた必要専任教員数を下回るなど、教員組織の整備が指摘された。

 具体的には、ヤマザキ学園大学(東京)で、必修科目である「イングリッシュスキルズ(基礎)」において、Be動詞や文の種類(単文から複文)から仮定法までを教えていることから、大学教育にふさわしい水準となるよう内容を修正し、必要に応じて正課教育外での補修教育を整備するよう求めた。

 宝塚大学(兵庫)の造形芸術学部想像力創造学科では、開設初年度から毎年度、教育課程を大幅に変更し、廃止科目が設置計画時の84%におよぶなど、設置計画が適切に履行されているとは言い難いと指摘。中長期的な見通しや理念、人物像に基づいた教育課程を編成することなどを求めた。

《奥山直美》

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