【私学訪問】教育改革を見据えICTを本格導入、ひとりひとりが輝く「普連土学園」

 キリスト教プロテスタントの一派である、フレンド派(クエーカー)の教えに基づき、ひとりひとりを大切にする教育方針の東京都港区にある女子校、普連土学園中学校・高等学校は、教育ICTにも積極的に取り組んでいる。

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インタビューに応える普連土学園中学校高等学校 原田副校長(左)と谷田貝先生(右)
インタビューに応える普連土学園中学校高等学校 原田副校長(左)と谷田貝先生(右) 全 7 枚 拡大写真
--FGSウェブキャンパスは、どのように利用されていますか。

谷田貝先生:現在は国語、理科、英語の3教科で導入しています。高1の漢文の授業では、返り点の付け方など、教師が動画を作成して、わかりにくい部分を動画で指導しています。今後はなるべく、自宅などで基礎的な部分をあらかじめ身に着けてきたうえで、学校ではその基礎をもとに応用できるようにやっていきたいですね。

 FGSウェブキャンパスには小テスト機能もあるので、その場で採点して間違った部分は、すぐに修正できるというメリットもあります。

原田先生:本校には常勤のネイティブ教師が4名います。国や地域などによって英語の発音が異なることを生徒に体験してもらうために独自の動画を作成し、教材として活用しています。2020年から英語教育も大きく変わり、「読む・聞く・話す・書く」の4スキルが評価されることになりますので、リスニング力向上を図ることも視野に入れた取組みです。

--生徒からの反応はいかがでしょうか。

谷田貝先生:使い方を模索中の教員が生徒に意見を求めたところ、記入したら採点されて返送される機能がほしいというリクエストがあり、追加しました。生徒からのリアクションによって、とてもいい方向に進んでいると思います。

 先生が一方的に教えるのではなく、お互いに教え合うことでより効率よく勉強できますし、お互いに教え合うときに、一番効率が上がります。発表授業では、互いに提出して評価し合うことができます。それによって、生徒が提出したものに教員だけが目を通して返却という方法ではなく、友だちや、場合によっては保護者にも見られることになります。

 そういう多様な視点が入ると、ほかの人が読むことを前提に文章を書くという意識に変わりますし、教員が教えたこと以上に生徒はいろいろな気づきが得られます。

--保護者からのご意見はありましたか。

原田先生:生徒へ配布した学校からの配布プリントをFGSウェブキャンパス上で公開したところ、とても好評でした。保護者のアクセスは、朝の通勤時間帯、お昼休み、夜遅い時間帯が多く、お父さま方も学校へ関心をもってくださっているとわかり、とても嬉しく思っています。保護者と学校との距離をより近づけるツールとしてもFGSウェブキャンパスは有効だと考えております。

谷田貝先生:その名のとおり、私たちはFGSウェブキャンパスを学校の延長と捉えています。教師と生徒、生徒と生徒、そして保護者と学校のほか、生徒が勉強を教え合う和を広げたり、質問し合ったりなど、お互いを高めることにつながることを期待しています。
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《船田るみ子》

船田るみ子

北海道生まれ、フリーランスのコピーライターとして活動中。興味がある分野は、ニューロダイバーシティを含め教育、美術、建築、スポーツ(野球)、NFT、Web3など。企画・編集協力として、日めくり型書籍『年がら年中長嶋茂雄』(ベースボール・マガジン社刊)がある。Podcastを聞きながらのランニングが日課。

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