小中教員は13時間労働、睡眠・読書時間も少なく…連合総研調査
連合総合生活開発研究所(連合総研)がまとめた「教職員の働き方・労働時間の実態に関する調査」によると、小・中学校教員の労働時間は平均して約13時間と労働者全般と比べて4時間程長いことが明らかになった。
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
「教職員の働き方・労働時間の実態に関する調査」は、全国の公立小・中・高校および特別支援学校教諭5,000人を対象に実施したもの。2015年12月に調査を行い、2,489人から有効回答を得た。
調査によると、小学校教員は平均して午前7時29分に出勤し、午後7時11分に退勤。学校内での労働時間11時間42分に加え、学校外で1時間9分労働していた。中学校教員は、出勤が午前7時23分で退勤が午後7時38分。学校内での12時間15分に加え、学校外で1時間6分労働していた。いずれも平均して1日約13時間労働しており、労働者全般の平均労働時間9時間15分と比べると4時間長く労働していることが明らかになった。
また、生活実態についての調査では、小・中学校教員ともに平日の平均睡眠時間は約6時間、休日においても7時間前後であった。読書時間にいたっては、平日は平均15分未満、休日でも30~40分という結果に。睡眠時間は労働者全般より1時間以上短く、読書時間も少ない実態が見られた。
負担に感じている業務としては、小・中学校教員ともに「保護者・地域からの要望などへの対応」「国や教育委員会からの調査対応」の順となっており、いずれも約8割を超え強い負担感を与えていた。一方、教員の本務だと思う業務については、小・中学校教員ともに9割以上が「学期末の成績・統計・評定処理」と回答。そのほか、小学校教員は「成績表一覧・通知表の作成」、中学校教員は「テスト問題の作成・採点」などの回答をあげている。国や教育委員会からの調査対応など、負担が大きく教員の本務とは思えない業務については、他職種への移行を望む声も多くあがった。
連合総研では、他職に比べて長い労働時間が睡眠時間・読書時間の少なさに影響している可能性を示唆し、健康悪化や修養を積む機会の確保困難につながり、教育の質の低下にもつながるおそれもあるとして、長時間労働の改善や働き方の見直しなどを求める見解を示した。
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