塾なしでハーバード現役合格…廣津留真理さんに聞く「世界に通用する一流の育て方」
公立で塾なし。通算の学費50万円でハーバード大学に合格。「世界に通用する一流の育て方 地方公立校から〈塾なしで〉ハーバードに現役合格」の著者である廣津留真理さんに聞いたい。
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
すみれさんの転機は、高校時代、イタリアの音楽コンクールで優勝し、そこで得た奨学金で全米バイオリン演奏ツアーに参加したことだ。ツアーの最後には、ニューヨークのカーネギー・ホールで演奏し、大喝采を浴びた。ツアー後、母の友人の勧めでハーバード大学を訪れ、参加した学内ツアーを案内してくれた学生とおおいに会話が盛り上がったそうだ。
ハーバード大に行きたいと言い出したのは高2の冬。そこから約1年弱、すみれさんは受験勉強から出願手続きまで、すべて自分でやり遂げたという。TOEFLとSATは問題集をネットで購入、最終面接では海の向こうの面接官とスカイプで楽しそうに話していた、とのこと。親はただ見守っただけ。生まれたときから自立している未来人とはいえ、ここまで自立できた子に育つには、一体どんな秘策があったのか。
それは、ハーバード生に共通する3原則が、廣津留家にもあったからだという。「以前、ハーバード生に『今の自分がいるのは何のおかげだと思うか』というアンケートを取りました。1位は、親が早くから文字を教えてくれたこと。2位は、家族がさまざまな話題について議論する家庭であったこと。3位は、色々な場所に連れて行ってくれたこと、でした。つまり、文化資本が高い家庭であったということです。」
廣津留家は、日本語、英語問わず、議論好きだ。議論を通じ、自然と語彙力も高まる。「語学は物事の表層部分、つまり記号は手段にすぎません。我が家では、本質であるコアの部分を鍛えたことが大きかったのではないでしょうか。2020年からの日本の入試制度改革では、アクティブラーニング(AL)が重視されようとしていますが、多くのハーバード生が育ったこのような家庭環境が、ALに必要な探究心と主体的な問題解決能力を養うのだと思います。」
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