複数大学が注意呼びかける時間割アプリ、Orario公式見解を全文掲載

 アプリやインターネットサービスの開発・運営などを行うOrarioは、大学生向け時間割管理アプリ「Orario」の安全性に関する見解を発表した。大学認可外のアプリでありながら、学生IDとパスワードの利用が必要であることから、個人情報漏えいの危険性が指摘されていた。

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 アプリやインターネットサービスの開発・運営などを行うOrarioは、大学生向け時間割管理アプリ「Orario」の安全性に関する見解を発表した。各大学の認可外にありながら、アプリの利用には大学が発行する学生IDとパスワードの入力が必要なことから、個人情報漏えいの危険性が指摘されていた。

 時間割管理アプリ「Orario」は、「Orario for 立命館」「Orario for 同志社」「Orario for 青学」「Orario for 近大」「Orario for 上智」「Orario for 中央」「Orario for 東大」「Orario for 九大」など、各大学の名前を関した履修管理アプリ。対応大学は4月18日現在、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学など、国立・私立大学合わせて18大学。大学が発行する学生IDとパスワードを入力すると、講義教室や時間、担当教授などを含めた時間割が自動で生成される。

 アプリはすべて、大学情報センターやWebサイトにログインする学生ID、情報を利用するため、今年3月から4月にかけ、多くの大学がID利用規則の再掲や個人情報の取扱いについて、注意を呼びかけている。大学が発行したIDやパスワードを第三者に提供することは原則、どの大学も禁じている。

 青山学院大学は4月3日、Webサイト上でアプリ利用に伴う注意を掲載。第三者にIDまたはパスワードを提供する行為は、個人情報流出の危険性があるだけでなく、「他者に損害を与える可能性」があることから、「場合によっては損害賠償請求の対象」となり得るとし、学生らに注意を促した。上智大学、同志社大学、近畿大学も同様に、アプリやサービスの利用に関する注意文を掲載している。

 大学の注意喚起を受け、Orarioは4月17日にアプリの特性と安全性に関する声明を発表。「弊社が取得する情報は利用者様がアプリ登録時に任意で入力いただいた情報のみであり、弊社が利用者様の学生アカウントを取得・保持することはございません」とコメントしている。また、「弊社アプリ『Orario』は学生アカウントの一切の不保持を徹底したアプリ設計を行っているため、安全にご利用いただくことができます」と述べ、大学関係者と利用者に向け、情報の取扱いに関する理解を呼びかけた。

 ただし、安全性が確保されたとしても、多くの大学は学外のサービスやアプリ上で大学の学生IDやパスワードを利用することを認めていない。利用に不安がある場合は、大学の情報センターや担当部署、大学Webサイト上に掲載されている利用規則を確認してみるとよいだろう。

 Orarioは時間割アプリなど、スマホアプリやインターネットサービスの開発・運営を行う、大阪府大阪市の企業。資本金は2,050万円。設立年月は2016年6月17日。アルバイトも含め、従業員は8人。

《佐藤亜希》

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