2020年度からの「大学入学共通テスト」対策を実施・検討する高校は93.8%

 2018年10月時点で、全日制高校の9割以上が2020年度からセンター試験に代わって導入される「大学入学共通テスト」の対策を実施・検討していることが、リクルート進学総研による調査から明らかになった。英語の外部試験の受験を促進するといった対策が取られている。

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高大接続・連携の観点から大学・短大などに期待すること
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 2018年10月時点で、全日制高校の9割以上が2020年度からセンター試験に代わって導入される「大学入学共通テスト」の対策を実施・検討していることが、リクルート進学総研による調査から明らかになった。英語の外部試験の受験を促進するといった対策が取られている。

 リクルート進学総研は、全国の全日制高校4,703校を対象に、高大接続改革、新しい学習指導要領、キャリア教育、進路指導、学校改革に関する取組みに対しての調査を実施。2018年10月5日から10月31日までの調査期間に1,203校から回答を得て、調査結果を集計した。調査は「キャリアガイダンス」編集部とリクルート進学総研が隔年で実施している調査で、今回で20回目を数える。これまで「高校の進路指導・キャリア教育に関する調査」の名称で実施していたが、第20回目の今回は「高校教育改革」の視点から高校現場の実態を把握することを目的に行った。

 高大接続・連携の観点から大学・短大などに期待することは何かを複数回答で聞いたところ、1位は「わかりやすい入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)」43.8%という結果に。ついで、2位「寮や奨学金、授業料免除の充実」42.1%、3位「調査書等の電子化」39.8%と続いた。アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)の認知と活用については、高校教員の91.1%が「認知」していると回答。認知者のうち57.0%は「進路指導での活用」しており、進学率が高いほど個別大学のアドミッション・ポリシーを調べたことがある傾向が高かった

 2020年度からセンター試験に代わって導入される「大学入学共通テスト」の対策について尋ねたところ、対策を実施・検討している学校は全体の93.8%にのぼった。具体的な対策の内容としては、「アクティブラーニング型授業を増やす」がもっとも多く64.6%。ついで「英語の外部試験の受験を促進」59.3%、「理解・浸透・意識改革などの教員研修の実施」53.5%、「資格・検定取得を奨励」51.0%など。生徒だけでなく教員側の対策も講じられているようだ。また「大学入学共通テスト」で新たに導入される英語の外部検定試験の活用について、大学等の未定の要素が多すぎて高校側でも対応に苦慮している、といった意見も寄せられた。

 各大学の「個別選抜」改革において気になることについては、「英語の4技能評価の導入」が66.7%ともっとも多く、ついで「主体性等評価の導入」57.0%、「総合型選抜・学校推薦型選抜での学力評価の必須化」48.3%など。AO入試や推薦入試受験者にも学力評価が加わることで、高校生活において普段から学力向上に向けた学習を意識していくことに期待が寄せられている一方、急激な変化には保護者、教員とも対応が困難な部分もあるため、情報発信をしっかりとお願いしたいなどの意見もあげられた。

 調査結果は「アクティブラーニング型授業」編、「高大接続改革」編、「専門職大学」編の3つにまとめられており、リクルート進学総研のWebサイトから見ることができる。

《畑山望》

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