医学部不正入試の改善状況、東京医大など男女合格比に変化

 文部科学省は2019年6月25日、医学部医学科における不適切な事案の改善状況等に関する調査結果を公表した。不適切な事案等を指摘された10大学について、平成31年度(2019年度)入学者選抜での改善状況をまとめている。

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医学部医学科における不適切な事案の改善状況等に関する調査結果
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 文部科学省は2019年6月25日、医学部医学科における不適切な事案の改善状況等に関する調査結果を公表した。不適切な事案等を指摘された10大学について、平成31年度(2019年度)入学者選抜での改善状況をまとめている。

 調査結果には、不適切な事案として神戸大学、岩手医科大学、順天堂大学、昭和大学、東京医科大学、日本大学、北里大学、金沢医科大学、福岡大学の9大学と、不適切である可能性の高い事案として聖マリアンナ医科大学の計10大学を掲載。文部科学省の指摘事項、平成31年度(2019年度)入試での改善状況、2019年度と2018年度の入学者選抜における受験者数や合格率などを確認できる。

 たとえば、東京医科大学は、不適切な事案として指摘された4点について、「採点結果の入力は外部監査委員などの立会いのもと、入試専用パソコンへのアクセス権限を持つ限られた事務職員が担当」「受験者の氏名や属性(年齢、性別など)を削除した資料を用いて、成績順位に基づき正規合格者・補欠合格者を決定する」「一律に点数調整を行うためのシステムを廃止」など改善。2018年度入学者選抜における女性合格率に対する男性合格率は3.11倍(男性9%・女性3%)だったが、2019年度は0.98倍(男女ともに20%)となった。

 そのほかの大学は、順天堂大学の1.93倍から0.95倍、日本大学の2.02倍から0.87倍など。岩手医科大学の1.24倍から1.34倍、北里大学の0.86倍から0.78倍など大きな変化は生じなかった大学もある。

 医学部医学科における不適切な事案の改善状況等に関する調査結果は、文部科学省Webサイトの「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る調査について」に掲載。なお、入学者選抜の実施結果については、外国人留学生入試、秋季入学および編入学、転入学、学士入学等第2年次以降に入学する選抜は含まれないため、 各大学が公表している数字と整合しない場合がある。

《黄金崎綾乃》

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