マイクロソフト「GIGAスクールパッケージ」を提供開始、8社と連携

 日本マイクロソフトは2020年2月4日、「GIGAスクール構想」に対応する新しい教育機関向けソリューション「GIGAスクールパッケージ」をパートナー企業と連携して提供することを発表した。

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GIGAスクール対応PCはデバイスパートナー8社が提供
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 日本マイクロソフトは2020年2月4日、文部科学省が発表した「GIGAスクール構想」に対応する新しい教育機関向けソリューション「GIGAスクールパッケージ」を、パートナー企業と連携して提供することを発表した。世界中の教育現場で導入されているWindowsとOffice 365を、GIGA スクール構想に対応した特別な低価格で日本の初等中等教育機関に戦略的に提供するという。デバイスパートナーの日本エイサー、日本HP、NEC、Dynabook、デル、富士通、マウスコンピューター、レノボジャパンの8社からはGIGAスクール対応PC、計17機種が提供される。

マイクロソフトが提唱する「GIGAスクールパッケージ」とは



 発表会の冒頭の挨拶で日本マイクロソフト 執行役員常務 パブリックセクター事業本部長の佐藤知成氏は、「日本の子どもたちが将来、世界で活躍する人材へと育っていくことに、私どもは総力をあげて支援する体制を作っていかなければならないと感じています。教育という観点は、まさに政策の一丁目一番地であると日本全国から期待が寄せられています。こうした声に応えられるようにOEMの各社の皆さまと協力していきたい」とGIGAスクール構想の実現に向けての決意を表明した。

日本マイクロソフト 執行役員常務 パブリックセクター事業本部長の佐藤知成氏日本マイクロソフト 執行役員常務 パブリックセクター事業本部長の佐藤知成氏

 日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部長 中井陽子氏による「GIGAスクールパッケージ」のプレゼンテーションでは、文部科学省によるGIGAスクール構想の目的である“子どもたちひとりひとりに個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の整備”と、手段である“実現するための予算(1,805億円+2,318億円)”を踏まえて、日本マイクロソフトがどのようにGIGAスクールを実現していくか、具体的なソリューションが説明された。

日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部長 中井陽子氏日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部長 中井陽子氏

 「GIGAスクールパッケージ」は、「GIGA スクール対応PC」「GIGA スクール構想に対応した教育プラットフォーム」「MDM(モバイルデバイスマネジメント)による大規模な端末展開とアカウント管理手法の提供」「教員研修の無償提供」「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインに対応可能なクラウド環境」の5つで構成される。子ども1人1台の端末の導入をはじめとした教育ICT環境における問題解決を、世界的に実績のあるマイクロソフトが戦略的に提供していく。

GIGAスクールパッケージは5つの要素で構成されているGIGAスクールパッケージは5つの要素で構成されている

8メーカーとの連携によるGIGAスクール対応PC



 文部科学省の「GIGAスクール構想」では、学習者用端末の標準仕様が公表されているが、今回発売されるWindows 10搭載「GIGAスクール対応PC」は、この標準仕様に準拠したものとなっている。発表された各PCは、CPUがCeleron N4020またはCeleron N4100、メモリが4GB、ストレージは64GB(eMMC)が中心となっており、スペックはやや抑えられてはいるものの、教育現場でのアプリケーションの利用には十分であるという。価格は未公表だが、教育機関用に特別な低価格のライセンスを適用しており、子どもたちが使用してもすぐに壊れないような堅牢性にも配慮されている。

デバイスパートナーからは17機種が提供されるデバイスパートナーからは17機種が提供される

WiFiモデルは11モデルWiFiモデルは11モデル

LTEモデルは6モデルLTEモデルは6モデル

Windows10とOffice365による教育プラットフォーム



 「GIGAスクールパッケージ」では、「Windows 10」と「Office 365」の教育機関向けエディションが提供される。Office 365の「Microsoft Teams」では、グループワークや協働学習が活性化され、コミュニケーションやコラボレーションのスキル向上が期待できる。「Microsoft Teams」内ではExcelやWordの共同編集も可能。イマーシブリーダーを利用すれば、テキストや画像の英文の音声読み上げができるため語学学習にも有用だろう。こうした教育プラットフォームは、世界中の教育現場で導入・活用が進められているという。

学びはハードだけでなくソフトからも変わる学びはハードだけでなくソフトからも変わる

900万台900万アカウントを管理・運用するために



 GIGAスクール構想では、子ども1人1台という大量の端末導入とその運用、アカウント管理などが教育現場における大きな課題となっている。この課題を解決するためにクラウドサービスの「Microsoft Intune」を活用したMDMによって、大規模な端末展開と運用、アカウント管理のソリューションを提供。「Microsoft Intune」を活用したPCのセットアップを紹介した動画では、非常に素早くPCの設定が完了できるようすが映されていた。また「GIGAスクール端末設定ガイドブック」も用意される。

導入プロセスの短縮がコスト削減に結びつく導入プロセスの短縮がコスト削減に結びつく

教員研修は無償で提供



 GIGAスクール構想では、1人1台の端末導入や校内ネットワークの整備には補助金が用意されているものの、ICTを活用した効果的な学習活動や教員の働き方改革に結び付ける「教員研修」に補助金はなく、自治体の負担も大きなものとなる。そのため「GIGAスクールパック」では、都道府県において市長村の研修トレーナーを育成する研修プログラムを無償で提供し、同時にマイクロソフトのオンライン研修コースに「GIGA向け研修メニュー」を新設する。

予算外の教育研修もサポート予算外の教育研修もサポート

ガイドラインに対応可能なクラウド環境



 文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」では、守秘義務、目的外利用及び第三者への提供禁止などのセキュリティに関する要件が定められているが、マイクロソフトのクラウドサービスは、このガイドラインに対応可能なものとなっているという。なお同社では教育委員会向けに「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインハンドブック」の配布を予定している。

子どもたちが利用するクラウド環境には安心安全が求められる子どもたちが利用するクラウド環境には安心安全が求められる

毎日使って学びを変えていく



 発表会は、最後に中井氏がGIGAスクール構想への思いを語り締めくくられた。

 「教育は私たちの希望の源泉であり、よりよい明日のために今種をまく必要があります。大人が考える以上に子どもたちはPCに慣れています。慣れさせるために1人4.5万円の予算を使うのではなく、教育効果を本当に考えた上で良いものを用意することが非常に大事なことだと考えています。毎日PCを使って学びを変えていくことは、単に慣れさせるだけのものとは大きな違いがあります。教育効果を本当に考えて、児童生徒の力を最大限引き出し、その力を地域に循環的に戻していくのであれば、良いものをこのタイミングで提供することはとても大切なことだと感じています。とりあえず慣れさせることと、本当に毎日使って学びを変えていくこと、どちらが本当に正しい投資になるかということを伝えていきたいです。今日はパートナー8社の皆さまと一緒に実現していく4年間のためのGIGAスクールパッケージのキックオフだと考えています。」

《佐久間武》

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