【大学受験2021】追試や出題範囲限定など、コロナ対応状況

 河合塾の大学入試情報サイト「Kei-Net」は2020年11月26日、入試・教育トピックスに「2021年度一般選抜 新型コロナウイルス感染症への対応状況」を掲載した。2021年度一般選抜では、個別試験の取りやめ、出題範囲の限定、追試験日の設定などの動きがある。

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新型コロナウイルス感染症罹患者への対応状況(一般選抜) (c) Kawaijuku Educational Institution
新型コロナウイルス感染症罹患者への対応状況(一般選抜) (c) Kawaijuku Educational Institution 全 2 枚 拡大写真
 河合塾の大学入試情報サイト「Kei-Net」は2020年11月26日、入試・教育トピックスに「2021年度一般選抜 新型コロナウイルス感染症への対応状況」を掲載した。2021年度一般選抜では、個別試験の取りやめ、出題範囲の限定、追試験日の設定などの動きがある。

 文部科学省は6月、「令和3年度(2021年度)大学入学者選抜実施要項」の中で、新型コロナウイルス感染症にさまざまな配慮を施すよう大学に要請。感染拡大の収束が見通せない中、各大学は対応策の公表を進めている。

 「2021年度一般選抜 新型コロナウイルス感染症への対応状況」は、2021年度一般選抜の新型コロナウイルス感染症対応状況について、河合塾がまとめたもの。これによると、2021年度一般選抜は新型コロナウイルス感染症への対応として、「選抜方法の変更」「学業の遅れへの配慮」「罹患者の受験機会の確保」の動きが見られる。

 選抜方法の変更については、感染拡大防止の観点から面接を取りやめる例が続いている。横浜国立大学は7月に個別試験の取りやめを公表。大学入学共通テストの成績と自己推薦書のほか、教育学部では面接・小論文・実技に相当する内容の提出課題などで選抜を行う。長野県立大学の一部の学部でも個別試験を取りやめる。

 沖縄県立芸術大学と名桜大学は、来学不要の選抜方法に切り替えるため、学科・専攻により面接・実技・小論文をオンライン実施または郵送などで実施。国立大の前期日程では、名古屋大学(医‐医)、筑波大学(人間)、信州大学(教育)、熊本大学(教育)など、私立大では慶應義塾大学(看護医療)でも面接を取りやめる。河合塾は「大学が募集要項を公表した後に選抜方法を変更することも想定されるため、志望校の公表状況には注意を払いたい」としている。

 学業の遅れへの配慮として、大学入学共通テスト科目を変更するケースはほとんどないが、個別試験の出題範囲に配慮を示す大学が目立つ。「教科書において『発展的な学習内容』として記載されている内容」は出題しない、または設問中に補足事項などを明記するという大学が多い。

 東京医科歯科大学、信州大学など、高校3年生で履修することが多い科目について、「受験生が問題を選択できる形で出題」「特定の単元を出題範囲から除く」などの措置をとる大学もある。私立大では、成蹊大学、金沢医科大学(医)、南山大学、久留米大学(医‐医)なども理科の範囲を限定して出題する。

 罹患者の受験機会の確保については、国立大学と公立・私立大学で対応が分かれている。河合塾が11月20日現在で対応が判明した大学を集計した結果、「追試・振替を実施」としているのは、国立大学94%に対し、公立大学は55%。公立大学では約3割が追試験日は設けず、大学入学共通テストの成績や出願書類などで合否判定するとしている。

 私立大学は、「追試験の実施」「後に実施する入試日程への受験振替を認める」「共通テストの成績で代替する」という3つのパターンに対応が分かれている。早稲田、明治、法政など都市部の大規模大学は、一般方式を受験できなかった場合は大学入学共通テストの成績で代替し合否判定する措置をとる大学が目立つ。追試験受験の対象者となる条件も大学により異なっている。

 なお、各大学の対応の詳細については、Kei-Netの「新型コロナウイルス感染症への対応一覧」から確認できる。

《奥山直美》

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