子供への体罰、養育者の3割超…法改正の認知は2割

 半年以内に子供に体罰を与えたことがある養育者が3割を超えることが、厚生労働省による実態把握調査の結果から明らかになった。子供に体罰を与えることを容認する養育者は41.7%を占め、体罰の容認度が高いほど、体罰行使の頻度も高い傾向にあった。

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子育てにおける体罰の使用が法律的に禁止されていることを知っているか
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 半年以内に子供に体罰を与えたことがある養育者が3割を超えることが、厚生労働省による実態把握調査の結果から明らかになった。子供に体罰を与えることを容認する養育者は41.7%を占め、体罰の容認度が高いほど、体罰行使の頻度も高い傾向にあった。

 「体罰等によらない子育ての推進に向けた実態把握に関する調査」は、2020年度子ども・子育て支援推進調査研究事業の一環として、厚生労働省がキャンサースキャンに委託して実施した。調査期間は2020年11月25日~12月1日。調査対象者は、15~79歳の男女、18歳以下の子供の養育者それぞれ5,000人。計8,823人の有効回答を得た。

 2020年4月に施行された体罰を禁じる法改正について、15~79歳の男女のうち、「内容まで知っている」と回答した人は20.2%。「聞いたことはあるが、詳しい内容は知らない」との回答が60.2%を占めた。養育者で「内容まで知っている」と回答したのは20.3%。法改正の認知は、子供の養育の有無によらず同程度であった。

 「子供に体罰を与えることは、場合によっては必要だと思うか」という問いに対して、「非常にそう思う」「そう思う」「ややそう思う」と回答した15~79歳の男女は40.2%。養育者のうち、子供に体罰を与えることを容認する人は41.7%だった。

 体罰の容認度は「子供のころに体罰を受けた」「体罰等による子供の成長と発達への影響を肯定的に認識している」人のほうが高く、「子供の権利について認識がある」人のほうが低い傾向もみられた。

 過去6か月の間に子供に1回でも体罰を与えたことが「あった」と回答した養育者は33.5%。男性よりも女性、年代別では10~30代の若い層で体罰行使の頻度が高い傾向がみられた。体罰に対する容認度が高いほど、また、しつけについて難しさやストレス、不安等が感じている人ほど、体罰行使の頻度も高かった。

 しつけとして行われた具体的な行為は、「お尻や手の甲をたたく等、子供に物理的に罰を与えること」28.4%、「怒鳴りつけたり、『だめな子だ』等子供が傷つく言葉をいう等、子供を否定的な言葉で心理的に追い詰めること」28.1%、「自室やベランダ、押入れに閉じ込める等、子供の自由を大きく制限すること」9.6%等。一方、体罰を与えた後に「しなければよかった」と後悔した経験があると回答した養育者は88.7%にのぼった。

 体罰を与えた状況については、「一度言葉で注意しても、行動があらたまらないとき」47.2%、「子供にとって危険があるとき」43.6%、「他の人に迷惑をかけてしまうと感じるとき」36.6%、「子供がなかなかいうことを聞かないとき」32.7%等が多くあがった。

 養育者の体罰容認度と体罰行使の頻度をクロス集計した結果をみると、体罰の容認度が高い群ほど、体罰行使の頻度も高い傾向にあった。逆に体罰の容認度が低い群は、過去6か月で体罰が「まったくなかった」と回答した割合が高かった。

 調査結果を受けて、事業報告書では「『体罰等は許されない』規範の自分ごと化(内面化)を促すためには、体罰を禁止する法について周知し、理解を促すことはもちろんのこと、体罰禁止の背景にある、『なぜ、体罰等は許されないのか』を伝えることでより深い理解を促し、納得感を得ることが重要」と分析している。

《奥山直美》

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