要保護児童の社会的養護、改善措置状況を公表…総務省

 総務省は2020年12月、児童養護施設や里親等のもとで暮らす児童らの養育現場の実態や課題を調査し、改善が必要な事項について厚生労働省に対して勧告を行った。2022年1月21日、その勧告に対する改善措置状況を発表した。

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児童相談所による児童の一時保護件数
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 総務省は2020年12月、児童養護施設や里親等のもとで暮らす児童らの養育現場の実態や課題を調査し、改善が必要な事項について厚生労働省に対して勧告を行った。2022年1月21日、その勧告に対する改善措置状況を発表した。

 児童虐待の増加等を背景に、児童相談所による児童の一時保護は、過去10年間で約1.8倍に増えている。総務省では、さまざまな理由で児童養護施設や里親等のもとで暮らす児童への、適切な養育の実施や自立に向けた支援を推進する観点から、養育現場の実態や課題について2019年12月から2020年12月にかけて調査した。

 2020年12月、改善が必要な「親権者等との同意をめぐる各地の現場実例を踏まえた支援方策の検討および措置」「虐待に関する通告・届出制度の運用実態の点検・処理フローの見直し」「施設外居住者への支援の継続に関する考え方を都道府県等に明示」等、5事項について厚生労働省に対応を求めた。

 これを受け、厚生労働省では児童養護施設等の養育現場に対する支援として、「親権者等から同意取得にかかる実態調査を行う。調査結果を踏まえ、できる限り児童相談所は親権者への説明を丁寧に行うこと、施設だけに任せるのではなく、児童相談所が施設と協同して対応すること等を児童相談所に周知するよう要請した」と発表。

 また、養育中の児童虐待の抑止について「有識者や現場関係者からなる検討会を立ち上げ、虐待に関する通告や届出制度の運用実態を点検する。通告や届出が確実に都道府県知事に届くよう、処理フローの改善や児童福祉審議会の意見聴取をより機能させるためのガイドラインの改定をする」等と発表。

 施設外居住者への支援の継続について「社会的養護自立支援事業の居住費支援や生活費支援の対象者の居住場所として、寮や寄宿舎等も対象となる旨を明確化し、都道府県に通知する」等、勧告した事項について必要な取組みが進められていることが発表された。

《木村 薫》

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