東進の東大現役合格者調査、6割以上が「留学したい」

 東進ハイスクール・東進衛星予備校を運営するナガセは、2022年入試で東進から東京大学に現役合格した生徒を対象にアンケート調査を実施し、結果を公表した。6割以上が「留学したい」と考えており、コロナ禍で下がっていた留学意向が回復傾向にあることが明らかになった。

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 東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)を運営するナガセは、2022年入試で東進から東京大学に現役合格した生徒を対象にアンケート調査を実施し、結果を公表した。6割以上が「留学したい」と考えており、コロナ禍で下がっていた留学意向が回復傾向にあることが明らかになった。

 東進は毎年、東京大学に現役合格したばかりの生徒を対象にアンケート調査を実施している。2022年は東京大学合格発表後の3月10日~12日、インターネット上で行った。有効回答数は384件。

 「留学をしたいと思うか」という質問に対し、「留学したい」と回答した割合は61.9%。2019年57.0%、2020年56.5%、2021年59.2%と、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んでいた留学への意向が上昇に転じ、回復傾向がみられた。過去4回の調査で6割を突破するのは初めて。「必ず留学したい」と回答した割合も26.0%で、上昇傾向にあった。

 文部科学省等の資料によると、留学する大学生は全体の4%程度のため、東京大学現役合格者の留学への意識は非常に高いといえるという。「留学をしたくない」という層は、2021年まで増加がしていたが、2022年は減少に転じて13.8%。コロナ禍以前となる2019年の14.0%よりも低い結果となった。

 留学をしたいと思ったきっかけは、「海外旅行経験」が33.9%でトップだが、減少傾向にある。「インターネット・テレビ等の情報」は21.2%、「家族や身近な人の勧め」は19.4%で、2021年から増加している。「学校での活動・取組み」は13.8%。2021年の16.9%から減少しているが、東進では「海外大学からの学生を招く校内留学等のイベントが中止となった影響等が考えられる」と分析している。

 留学をしたくないと思う理由は、「語学能力等に自信がない」28.2%、「経済的な負担が大きい」27.4%が上位。「治安等の安全面の心配」は20.2%で、新型コロナの流行が始まった2020年に上昇し、それ以降20%程度で変動しておらず、新型コロナに加え国際情勢の変化等の要因が考えられるという。

 「興味がない」という理由は、2019年の31.3%から2022年は14.5%と半減。2021年は25.3%と一時上昇しているが、「新型コロナの影響で留学はそもそも難しいと考えてしまったことが考えられる」と指摘。「さまざまな理由で留学をしたくない層が一定数いる一方で、留学への関心は高まっているといえる」と分析している。

《奥山直美》

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