「2人目の壁」実感値75.8%で過去最高…心理的な理由増加

 「2人目の壁」の実感値が2014年の調査以降、過去最高値の75.8%となったことが、1more Baby応援団が実施した調査結果から明らかになった。「経済的な理由」が減少傾向にあるものの、「心理的な理由」が増加傾向にある。

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「2人目の壁」は存在すると思うか【全体回答】
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 「2人目の壁」の実感値が2014年の調査以降、過去最高値の75.8%となったことが、1more Baby応援団が実施した調査結果から明らかになった。「経済的な理由」が減少傾向にあるものの、「心理的な理由」が増加傾向にある。

 1more Baby応援団は、日本から少子化問題をなくしたいという思いのもと、2013年より「夫婦の出産意識調査」を実施。今回で10年目となる。「夫婦の出産意識調査2022」は、全国の既婚男女(男性20~49歳、女性20~39歳:男性は妻が39歳以下かつ結婚14年以下)2,955人および、40代で出産を経験した女性409人に対して実施。調査期間は、事前調査が2022年4月6日~12日、本調査が4月8日~11日。

 生活費や教育費等の家計の見通しや、仕事等の環境、年齢等を考慮し、第2子以後の出産をためらうことを指す「2人目の壁」。「2人目の壁」は存在すると思うかとの問いには、75.8%が「存在すると思う」と回答し、2014年以降で過去最高値となった。男女別にみると、女性は78.6%、男性は68.0%。

 「2人目の壁」を感じる理由については、「経済的な理由」が73.1%ともっとも多いものの減少傾向にあり、「心理的な理由」が42.4%と増加傾向にある。「第1子の子育てで手いっぱい」「年齢的な理由」も40%を超える。

 理想の子供の人数は10年間で緩やかに減少しており、2022年は「1.91人」。理想の子供の人数の変化については、「理想の子供の人数が減った」28.9%、「理想の子供の人数が増えた」14.8%となり、「減った」と回答した人が約2倍多いことがわかる。理想の子供の数が減少するタイミングとしては「子供ができたとき」11.9%、「結婚したとき」7.3%等。条件面でみると、「体力的に厳しい」34.7%、「収入が低い」33.2%といった理由で理想の子供の人数が減っていた。

 「今後出産する/したいと思う」の数値は47.1%。50%を初めて下回った2021年調査時よりさらに減少し、調査開始以降、過去最低値となった。「今後出産しないと思う」理由としては、「経済的不安」がもっとも多く62.4%。子供がいない既婚女性では「心理的な不安」がもっとも多く62.1%だった。

 年代別に妊娠・出産・育児で大変だったことを聞いたところ、40代母親は45.0%が「年齢を考え、子供に対して申し訳ないと思うことがある」と回答。「『高齢出産』と言われる機会が多く、嫌な気持ちになることがある」35.2%、「子供の友達の親は若い親が多かったので、居心地の悪さを感じた」27.6%と、その他の世代と比較して年齢を起因とする心理的負担が大きい傾向がみられた。

 一方で、「2人以上の子供を出産して満足」との回答は95.7%にのぼり、高い幸福度を得ていることがわかる。同質問は、2013年以降90%後半を推移しており、今回も高い数値となった。理由としては、「にぎやかで楽しくなった」「子供同士(兄弟姉妹)で遊べるようになった/成長した」等、家庭や子供への好影響の視点から、2人以上の子供を出産して良かったと感じていた。

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《畑山望》

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