東京都立高等学校入学者選抜では、47都道府県で唯一、男女別定員制を設けている。2021年9月には、男女別定員を定めている都立高校全日制普通科(単位制およびコースを除く)について、中学校の進路指導に与える影響が大きいこと等を考慮し、男女合同定員へ段階的・計画的に移行する方針を示している。
2022年度入学者選抜では、男女別定員を定めている都立高校109校すべてで、男女の定員各10%を男女合同とする男女別定員の緩和措置を実施し、合格者を決定した。その結果、109校のうち81校(74%)が男女合同定員の場合と同じ結果となり、男女の格差がなくなった。
一方、23校(21%)では女子の合格者が増加。男女合同定員の場合と比較した際、女子の合格最低点は高いままで、合格最低点の男女差は「日本橋」と「松原」で59点、「向丘」で53点、「小平」で50点にのぼった。男女合同定員と男女別定員を比較した女子合格者数の差は、「向丘」で30人、「日本橋」で24人、「三田」で23人等となっている。
また、5校(5%)では男女合同定員の場合と比較して、男子合格者が増加。「足立東」「蒲田」「秋留台」の3校は、女子の受検者数が全員合格しており、合格最低点は男子が女子を大きく上回った。
東京都教育委員会は、男女合同定員への移行時期について、今回の実施状況を踏まえて検討するとしている。