【大学受験2025】医学部志望者向け「新課程入試情報」

 SAPIX YOZEMI GROUPによる医学部を目指す受験生のための総合情報サイト「医学部研究室」は、2025年度入試「新課程入試情報」を公表した。共通テストや既卒生向けの対応、医学部志望者が気を付けるべきポイントなどをまとめている。

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2025年度入試「新課程入試情報」
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 SAPIX YOZEMI GROUPによる医学部を目指す受験生のための総合情報サイト「医学部研究室」は、2025年度入試「新課程入試情報」を公表した。大学入学共通テストや既卒生向けの対応、医学部志望者が気を付けるべきポイントなどをまとめている。

 「新課程入試情報」は、2025年度から始まる新課程入試について、東大・京大・医学部・難関大学を目指す受験生向けに、SAPIX YOZEMI GROUPの「医学部研究室」が情報を分析。おもに4つのポイントを紹介している。

 「新課程入試の共通テスト」では、「国語の試験時間が80分から90分」「数学IIの試験時間が60分から70分」「地歴公民の選択が6科目から最大2科目」「情報の科目追加」「数学Iの選択問題がなくなり全問必答」「理科の基礎科目と専門科目で分かれていた試験時間帯を1つにする」などの変更点がある。

 国語では、試験時間が10分追加され、現代文の問題が2題から3題に変更。全体の大問数も、4から5に増加する。現代文が100→110点、古典が100→90点に配点も変更される。

 数学IIの試験時間が10分追加され、出題範囲に数学C、「ベクトル」(現行課程では数Bの範囲)と「平面上の曲線と複素数平面」(現行課程では数IIIの範囲)が追加され、選択問題が2から3に増加する。

 地歴公民が、6科目から最大2科目選択に変更する。科目の再編により、現行入試の10科目が6科目となる。「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」「公共、倫理」「公共、政治・経済」「地理総合、歴史総合、公共」の必履修科目のみの組合せで、3科目から2科目選択する。

 「既卒生向けの対応」では、経過措置を行う。2025年度入試が、新課程入試の1年目ということもあり、既卒生向けの旧課程問題が用意される。科目の編成がある「地歴公民」「数学」、新設される「情報」が対象となる。「理科」においても、必要に応じて、既卒生用の選択問題が用意される。

 「得点調整対象科目」として、共通テストの選択した科目により、有利不利が発生しないよう得点調整を行うシステムが導入されている。

 2025年度入試は、「地歴公民」「理科(専門科目)」に加えて、「数学I」「数学II」「情報」が得点調整の対象となる。ただし、経過措置科目との得点調整となり、2025年度入試に限るとしている。

 また、医学部受験は他学部と比較して、浪人生が多いのが特徴だという。現役生が受験する新課程科目と、浪人生が受験する経過措置科目で、平均点に大きな差が開いてしまった場合、得点調整の対象となる可能性がある。

 一方で、「情報」以外の科目は、受験生が1万人未満の場合、平均点差が20点以上でも得点調整されない。旧課程の公民4科目、生物、地学など、1万人を割る可能性があり、当該科目の選択者の得点が高くも低くも、そのままという場合がある。

 「医学部志望者が気を付けるべきポイント」では、「『地歴公民』の選択科目に注意する」「『情報』の配点に注意する」の2ポイントがあげられる。

 新課程入試では、地歴公民の科目数が全6科目となる。その中で、必履修科目のみで構成されている「地理総合・歴史総合・公共」についてのみ、受験で選択できる大学と、選択できない大学に分かれる。2023年7月時点では、すべての国公立医学部が、「地歴公民」の選択可能科目を公表している。

 そのうち「地理総合・歴史総合・公共」を選択可能としたのは50校中19校、残りの31校は選択不可という結果になった。

 このことから、医学部志望者は6科目のうち、「地理総合・歴史総合・公共」を選択するのは避けた方が無難という結論になる。「地理総合・歴史総合・公共」以外の5科目から選択した方が、受験校の選択肢が広がるという。

 また、「情報」においても、2025年度入試は、すべての国公立医学部で、入試科目として課すことを公表している。

 各大学より公表されている「情報」の配点は、共通テストの素点が、6教科8科目(外国語、数学I・A、数学II・B・C、国語、理科2科目、地歴公民、情報)で合計1,000点満点。素点のままだと「情報」は、100点のため、全体の10%を占めることになる。しかし、多くの大学では、各科目の点数を圧縮した、独自の配点を設定している。

 大学により入試科目や配点が大きく異なるため、医学部志望者は、早めに志望校を決定し、受験に向けた対策を早いうちから練ることが重要だとしている。また、志望校の入試情報は、大学ホームページなどでこまめにチェックすることをおすすめする。

《宮内みりる》

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