離婚後の共同親権、母親「賛成」2割にとどまる

 インタースペースが運営する情報発信メディア「ママスタセレクト」は2024年3月14日、「共同親権」についてのアンケート結果を公開した。「どちらともいえない」が約半数で、「賛成」が2割、「反対」が3割超という結果になった。

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「離婚後の共同親権に賛成ですか? 反対ですか?」
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 インタースペースが運営する情報発信メディア「ママスタセレクト」は2024年3月14日、「共同親権」についてのアンケート結果を公開した。「どちらともいえない」が約半数で、「賛成」が2割、「反対」が3割超という結果になった。

 2024年1月、「家族法制の見直しに関する要綱案」が法務省の法制審議会家族法制部会により取りまとめられた。この要綱案では、離婚後の子供の養育について「共同親権」の導入が記載されている。この「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案が3月8日、政府によって閣議決定された後、国会に提出されている。

 この動きを受けてママスタセレクトは「離婚後の共同親権」について、子供がいる人、妊娠中の人を対象にアンケートを実施した。調査期間は、2月17日と18日。有効回答数は1,428人。

 「離婚後の共同親権」についてもっとも多かった回答は「どちらともいえない」45.2%で、全体の半数近くに達した。離婚の背景や事情は家庭によって多岐にわたることから、共同親権が適切かどうか一概には判断できない、と考える人が多いようだ。

 「反対」と回答した人は34.5%。反対する理由として「配偶者のDVが原因となる離婚の場合に被害者側や子供が守られない可能性がある」「子供が離婚した両親の板挟みになって混乱する」「再婚する際に苦労する」などがあげられている。

 一方で「賛成」する人は20.3%となった。賛成する理由は「子供にとってどちらも親であることには変わりなく、共同親権は子供の権利を尊重できる」「親が1人で子育てをするのは大変だから」「養育費支払いが滞った場合でも共同親権を理由に要求できるのであれば、子供にとってよいことだ」など。

 共同親権について反対派も賛成派も「離婚後も子供の意志と生き方を尊重したい」ということを共通して訴えている。離婚後の子育てにおいては、子供の幸せと安全を最優先に考える必要がある。アンケートでは、「(個々の家庭の事情を考えると)どちらともいえない」という回答が多数派となり、反対が賛成を上回った。ママスタセレクトは「この結果から考えると、個々の家庭の事情や子供に配慮した慎重な議論がまだまだ必要ではないか。共同親権が選択肢として提供されることで今後多様な家庭の状況に対応した支援が行われるかどうか、注目したい」とコメントしている。

《中川和佳》

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