新年度を迎え、新たにパソコンを購入したり、設定を見直したりする家庭も少なくないだろう。デジタル機器を活用して子供たちのより良い学びを実現するためには、安全でストレスがない学習環境を整えることが重要だ。
日本PCサービスは、リセマム読者を対象に「家庭で利用しているパソコンやインターネットに関するアンケート」を実施した(アンケート実施期間:2025年3月14日~24日、回答数:71件)。この結果を受けて、同社が運営するPCホスピタル東京三田店 店長の渡邉太陽氏にパソコントラブルへの対応やアドバイスなどを聞いた。
パソコンやインターネット接続など幅広いトラブルに対応
--PCホスピタルは、どのようなトラブル・修理に対応していますか。
渡邉氏:PCホスピタルは、パソコンに関するあらゆる困りごとに対応しています。出張・持込み・宅配のいずれの方法でも受け付けることができ、年間サポート実績は10万件以上(2023年9月~2024年8月、日本PCサービス 訪問サポート件数)にのぼります。
依頼内容は多岐にわたり、「画面がフリーズした」「パソコンの動きが遅い」「パスワードがわからない」「ノートパソコンのバッテリーの劣化」「液晶画面の破損」「サポート詐欺の画面が出てきて、警告音が鳴っている」などさまざまです。また、提携先の量販店やパソコンメーカーからの依頼を受け、初期設定・購入後のトラブル対応も行っています。
3月から4月にかけては新生活が始まり、初期設定の依頼が多くなる傾向にあります。また、2025年10月にはWindows 10の公式サポートが終了するので、動作やセキュリティの面から、そのまま使い続けることができなくなります。そのため、これからも買替えにともなう初期設定の依頼が増える見込みです。
弊社は、出張サポートも行っていますので、ご自宅へ修理に伺った際にインターネットやプリンターの接続・設定も一緒に確認・対応することが可能です。デジタル機器に関するトータルサポートができる点は、PCホスピタルの強みのひとつです。
大切な思い出の写真を無くさないためにバックアップを
--家庭で利用しているパソコンは、普段どのようなメンテナンスが必要ですか。
渡邉氏:普段から心がけていただきたいのはデータのバックアップをとることです。家庭用のパソコンには、お子さまの写真が保存されていることが多く、パソコンが壊れてしまい、写真のデータだけでも取り出せないかという相談をいただくことがあります。また、パソコンがウイルスに感染してしまい、データの初期化をしなければいけない場合もあります。万が一の際に、大切な思い出の写真を無くさないためにもバックアップは重要です。
Microsoft、Google、Apple社が提供するサービスを使うとクラウドでデータ管理ができますが、クラウドの場合、アカウントのIDやパスワードを忘れることがあったり、インターネット環境がないとアクセスできなかったりします。大切なデータは、USBメモリや外付けハードディスクなど物理的なツールを使ってバックアップをとることをお勧めしており、さらにクラウドにもデータを保存しておくと安心です。
また、お使いのOSやソフトウェアをきちんとアップデートすることも重要です。今は自動でアップデートされることが多いですが、こちらも普段から意識しておくとよいでしょう。
--お子さんの写真をパソコンに保管している家庭は多そうですね。バックアップを取ることはとても大切ですが、故障にいち早く気付くためにはどうしたら良いでしょうか。
渡邉氏:ハードディスクから異音が出ているときは要注意です。記憶装置にSSD(Solid State Drive:ソリッド・ステート・ドライブ)を使った機器は音があまり出ませんが、ファンの音がいつもより大きい、もしくはパソコン自体が熱をもっている場合は、中の基盤が壊れている可能性もありますので注意してください。
--故障しそうなパソコンは、バックアップなどの対策が早急に必要になりますね。新しいパソコンの購入を検討する場合は相談にのってもらえますか。
渡邉氏:もちろんご相談ください。修理の依頼をいただいた際に、古いパソコンを利用されている場合は、修理の価格とあわせて新しい機種の購入をご提案することもあります。パソコンを選ぶ際には、用途によって必要なスペックが異なります。もちろん、高スペックのパソコンは幅広い用途に対応できますが、WordやExcelは使わない、インターネットとメール、印刷ができれば良いなど、用途によっては低価格な機種で十分なケースもあります。新しい機器の購入に関しても、わからない点は何でも聞いていただきたいです。
ゲーム利用に関するトラブル、事前に家庭で話しあいを
--アンケートで、自宅のパソコンをお子さまがどのように使っているかを聞いたところ、「学校の勉強・宿題」がもっとも多く、次に「自主学習」「ゲーム」が多いという結果になりました。お子さまの利用に関するトラブルはどのようなものがありますか。

渡邉氏:中学生・高校生のお子さまがいらっしゃるご家庭ではゲーム用パソコンに関する依頼が多いです。以前、「子供がアカウント登録をしたけれど、アカウントがわからなくなってロックされてしまった」というご相談がありました。そのような場合には、お子さま・保護者それぞれに経緯を聞くことから始めますが、お子さまも保護者も経緯がよくわからないというケースも少なくありません。
また、フリーのゲームアプリに関するトラブルもありました。「パソコンの動きが遅いから見てほしい」というご依頼でしたが、小学生のお子さまのアカウントを確認したところ、無料のゲームアプリをダウンロードされ、それによってシステム自体が不具合を起こしていることがわかりました。無料だから相談しないでダウンロードしても良いと思ったそうです。こうしたトラブルを未然に防ぐには、ゲーム利用については家庭で事前に話しあっていただくのが良いと思います。
対策として、インターネットブラウザやルーターにあるペアレンタルコントロールを設定するという方法があります。これにより、閲覧できるホームページや、アプリケーションが使える時間などを制限することができます。また、アカウントごとに権限を設定し、アプリケーションをインストールするときには必ず管理者のパスワードを入れなければいけないという設定も可能です。またデータを保管できないゲストアカウントをお子さまが利用すれば、不要なデータを保存できないようにすることもできます。
訪問対応で家庭にあわせたインターネット環境を整備
--パソコンやインターネットに関して困っていることを聞いたところ、「インターネットの接続が悪い」「セキュリティが心配」という回答が多い結果となりました。このような問題にどのように対応していますか。

渡邉氏:今はひとつの家庭にスマートフォンやパソコン、タブレットなどのデジタル通信機器が複数台あることが当たり前です。特に古いマンションなどでは、インターネット上の住所であるIPアドレスの割り当てが少なく、複数のご家庭で多くの端末を一斉に接続するとWi-Fiがつながりにくくなる場合があります。そのようなときには、ルーターの設定を変えることでインターネットにつながりやすくしています。
また、戸建ての住宅であってもルーターから遠い部屋ではWi-Fiがつながりにくい場合があります。そのようなケースでは、網目状に通信経路を構成できるメッシュWi-Fiを使うことで、家中のどこからでもインターネットにつながりやすくすることができます。PCホスピタルは出張での設定も行っていますので、ご自宅の状況を確認しながら最適なインターネット環境をご提案することが可能です。
セキュリティに関しては、端末に標準搭載されているセキュリティで大丈夫だと考えている方も多いと思います。しかし、そのような状況でウイルスに感染した例もあります。また、OSによってはウイルスに感染しないと思い込み、ウイルス対策ソフトを入れていないという方もいるかもしれませんが、どのようなOSでもウイルス感染が確認されていますのでセキュリティソフトを入れることは重要です。
最近では、メールに添付されたファイルを開封したところ、仮想通貨を振り込むよう求められるランサムウェア(身代金要求型ウイルス)に感染する例も増えてきています。ですので、メールの添付ファイルを開く場合も、身に覚えの無いものは不用意に開かないなど、注意していただきたいです。
修理や設定をプロに任せて安心なデジタル環境を構築
--デジタル機器の設定について、「自信がない」「やや自信がない」と回答した人は4割以上にのぼりました。一方でPCやインターネットで困ったときに「修理専門業者」に相談するという回答はもっとも少ない結果となりました。修理・メンテナンスをPCホスピタルに依頼するメリットを教えてください。


渡邉氏:パソコントラブルに遭遇した際、家族や知人などに相談される方は多いと思います。PCホスピタルへの依頼の中にも、「パソコンに詳しい家族・知人に見てもらったけれど解決しなかった」というケースが多くあります。PCホスピタルの最大の強みは、全国主要都市にある店舗のサポートスタッフによる情報共有です。システムの不具合であっても、全国で同じ事象が多発しているなどの情報をいち早く共有することができるので、解決策が見つかれば迅速に対応できます。
正社員は全員有資格者、だから安心できる
--PCやインターネットの修理やメンテナンスを頼む際に重視するポイントは「価格」「安全かどうか」がもっとも多く、「専門知識があるかどうか」「修理実績」が続いています。PCホスピタルの価格や、スタッフの専門知識習得について教えてください。

渡邉氏:PCホスピタルでは、基本診断料金8,800円+全国一律2,200円の出張料金で、日本全国に駆けつけることができます。またお見積りの際には事前に費用をご説明し、お伝えした料金以外の費用はかかりません。もし作業中に追加費用が必要と判明した場合も、必ず事前にご説明してご了承いただいてから作業にかかります。サポート実績豊富なスタッフが対応するので、安心してお任せください。
多くのパソコントラブルを見ている私たちでも、初めて見る事例は全体の3割ほどあります。珍しい事例は個人での対処が難しいので、ぜひ専門業者に相談していただきたいです。私たちはトラブル解決のためのポイントを押さえていますので、何をしている時にどのような画面が出たかなど、ひとつひとつ順を追って状況を整理することで問題点を見つけていきます。
また、初期化をしなければいけないケースでは、可能な限りデータを保存し、トラブルを解決したあとにデータを戻すようにしています。インターネット接続やプリンターの設定なども修理前の状況に戻してからお返しするので、以前と変わらない環境ですぐにパソコンを使うことが可能です。
大切なパソコンを長く使うために気を付けてほしいこと
--新年度を迎え、自分のパソコンを持った学生も多いと思います。大切なパソコンを長く使うためにどのようなことに気を付けたら良いでしょうか。
渡邉氏:ノートパソコンを鞄に入れて持ち運ぶ際、「ケースに入れずに鞄に入れたところ、ペットボトルの蓋が開いてしまいパソコンが濡れて動かなくなった」という相談は少なくありません。パソコンが濡れたことで動かなくなってしまい、中のデータが取り出せなくなってしまう場合もありますので、ノートパソコンを鞄に入れる際にはケースに入れると良いでしょう。
また、パソコンを長時間使用すると本体に熱がこもってしまい故障の原因にもなります。内部をファンで冷やして熱を逃していますが、スタンドなどで底面を上げることで熱がこもりにくくなるのでお勧めです。
デジタルライフが当たり前になった今こそ、PCホスピタルではお客さまひとりひとりに寄り添ったサポートをしっかりと行いたいと考えています。パソコンやインターネットで困ったことがあったら、ぜひPCホスピタルにご相談ください。
ひとりひとりの生活スタイルに寄り添ったトラブル解決、提案をしてくれるPCホスピタルは、多くの人のデジタルライフを支えている。専門家の力を借りながらデジタル機器を活用した安全なデジタル環境を整備して、子供たちのより良い学びの実現につなげてほしい。
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