2020年の教育改革に6割が期待…親の認知度に差

 2020年度から段階的に実施される教育改革について、約6割の親が「期待している」と回答し、子どもの中学受験を検討している親のほうが認知度が全体的に高い傾向にあることが、オールアバウトが2019年5月15日に発表した調査結果より明らかになった。

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<左>教育改革への期待、<右>2020年教育改革各施策の認知率
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 2020年度から段階的に実施される教育改革について、約6割の親が「期待している」と回答し、子どもの中学受験を検討している親のほうが認知度が全体的に高い傾向にあることが、オールアバウトが2019年5月15日に発表した調査結果より明らかになった。

 AI時代における子育てに関する調査は、小学生の子どもを持つアラフォー世代(35歳~49歳)を対象に実施し、男性216人と女性212人の計428人の回答を得た。対象エリアは、東京、神奈川県、千葉、埼玉の一都三県。調査期間は2019年2月21日~2月28日。

 子どもの将来に不安を感じるか聞いたところ、「感じている」32%と「どちらかというと感じている」44%の計76%が不安に感じていると回答した。その要因は「自分たちの時代とは世の中が大きく変わるから」が58%ともっとも多く、「精神的・金銭的に自立した人になれるか」46%、「変化を予測することが困難な時代だから」43%、「AIによって仕事が自動化され職業に就けるかわからないから」37%などが続いた。

 子どもの教育資金に関してどのような不安を抱えているのか聞いたところ、「いつまでにいくら貯めればいいのか」が40%ともっとも多く、「教育資金は毎月どれくらい貯めたらよいか」32%、「教育資金が足りない場合はどうしたらよいか」31%、「受験にかかる費用はどのくらいなのか」29%が約3割にのぼった。一方、「不安なことは無い」と回答した人は18%だった。

 2020年度から段階的に実施される教育改革について、「期待」18%と「どちらかというと期待」43%の計61%が期待していると回答した。教育改革で行われる各施策の認知率は、「プログラミング教育の開始」58%、「センター試験廃止と大学入学共通テスト開始」57%、「小学校5・6年生から英語が教科化」52%、「小学校3・4年生から外国語活動が開始」52%と、いずれも過半数を占めた。一方、「小学校の授業が講義形式から生徒自身が主体的に参加する授業に変わる」ことを認知している人は27%と3割に満たなかった。

 教育改革についての認知度について、子どもの中学受験の予定有無別にみると、子どもの中学受験を検討している親のほうが認知度が全体的に高い傾向にあった。特に「生徒自身が主体的に参加する授業に変わる」「センター試験廃止と大学入学共通テスト開始」「小学校3・4年生から外国語活動が開始」では20ポイント以上の差があった。

 All About「受験」ガイドの宮本毅氏は、「2020年度より戦後最大の教育改革も実施されますが、過去『ゆとり教育』も20年を経て大きな方向転換をしたことを鑑みると、求められる真の力とはどんな教育行政、どんな社会であっても通用するものでなくてはならず、それこそが『読解力』です」と指摘する。なぜこの力が必要なのかというと、読解力はAIが苦手とする能力の1つだから。「想像を超えた未来に向けて読解力を磨いてほしい」と宮本氏はアドバイスしている。

《工藤めぐみ》

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