災害時、車の避難は危険…豪雨で「車中死」急増

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

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台風19号の被災地(10月13日、栃木県佐野市)
台風19号の被災地(10月13日、栃木県佐野市) 全 3 枚 拡大写真
気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

ロングドライブ中にマイカーなどの車内で寝泊まりする「車中泊」はよく聞くが、「車中死」という言葉はあまり聞いたこともなかった。

東日本を中心に大きな被害をもたらした大型台風19号やその後の21号、それに先週10月25日の低気圧の影響に伴う記録的な大雨で、水没した車内などで亡くなる「車中死」が急増しているそうだ。

きょうの産経が1面トップで「豪雨 車中死が半数」と大きく報じたほか、読売なども1面や社会面で「車中死」について取り上げており、国は注意を呼びかけているという。

それによると、大雨による死者は、千葉県で9人、福島県で1人。千葉、福島の両県で死亡した10人のうち半数の5人が、聞きなれない言葉の「車中死」だったという。例えば、千葉県長南町では、道路の冠水で水没した車の中から高齢の男性の遺体が見つかったほか、町内の別の場所では道路の水が引いた後、水没で立ち往生していた車のすぐ近くで、乗っていた男性の遺体が発見されたという。

車による避難で危険なのは「まだ、大丈夫」と思っている間に、周りの水位が上がり、車内から脱出できなくなってしまうケース。避難に有効とみられてきた車だが、リスクも浮かび上がったという。

日本自動車連盟(JAF)によると、乗用車は水深30cm程度の道を30km/hで走行すると、巻き上げる水がエンジンルームに入って停止する可能性があると警告。水深60cmでは10km/hでしばらく走ることができるが、やがてエンジンが止まるという。こうした事態を避けるためには、事前にハザードマップなどを把握した上で、水位が上がり始める前に避難することが重要で、「内閣府は、災害時の避難は原則的に徒歩にするように」(読売)とも伝えている。

また、東京の社会面では「浸水の車、エンジン始動危険」とのタイトルで「雨などで浸水や冠水の被害を受けた車について、国土交通省は、外見上は問題がなくても、エンジンをかけると感電や発火する恐れがあり、自分ではエンジンをかけずロードサービスや自動車販売店に連絡するよう呼び掛けている」と報じている。

特に、ハイブリッド車や電気自動車は、高電圧のバッテリーが搭載されているため注意が必要だとも指摘。その場合は、「発火防止のため、バッテリーのマイナスターミナルを外すのが望ましい」とも伝えている。

ひと昔前の車なら、すぐにバッテリーが上がったりもしたが、最近の車は性能も良く、また電気系統の配線が複雑で、エンジンルームをのぞく機会は少ない。この際、車検や定期点検などで販売店を訪れた時にでも、整備士とともにバッテリーの位置などエンジンルーム内を確認しておくことも必要だろう。

2019年10月28日付

●大雨死者半数が車内、千葉・福島、移動中に水没(読売・1面)

●大通公園発着が有力、五輪マラソン、札幌ドームは困難(朝日・30面)

●札幌「支持せず」47%。五輪マラソン変更に戸惑い、本社世論調査(毎日・1面)

●台風被害どうする生活再建、車、税金の還付手続き、運転免許は期間延長(産経・11面)

●トヨタ勢25年ぶり総合V、世界ラリー、タナクが初年間王者(産経・10面)タナクがWRCで年間王者に(10月27日、ラリー・カタルーニャ)

災害時、車の避難は危険---豪雨で「車中死」急増[新聞ウォッチ]

《福田俊之@レスポンス》

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