勤務期間は「定年まで」が最多…女子学生の就活アンケート

 ディスコは2021年3月25日、今春卒業予定の女子学生を対象に、就職活動や就労意識に関するアンケート結果を公表した。入社企業で予定している勤務期間については、「定年まで(なるべく長く)」が最多で、過半数を占めた。

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就活開始当初の希望業界と入社企業の業界
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 ディスコは2021年3月25日、今春卒業予定の女子学生を対象に、就職活動や就労意識に関するアンケート結果を公表した。入社企業で予定している勤務期間については、「定年まで(なるべく長く)」が最多で、過半数を占めた。

 アンケートは、キャリタス就活 学生モニター(2021年3月卒業)のうち、卒業までに就職先が決まった女子学生337人が対象。2月26日~3月2日にインターネットを利用して実施した。

 就職活動をスタートした当初(3年生3月の就活解禁のころ)に希望していた業界と、実際に入社が決まった企業の業界を比較すると、当初の希望どおりの業界に入社する女子学生は、前年に引き続き6割を超えた。コロナ禍によって採用を中止する企業も出た中で、大きな変化はなかった。具体的には、「製造・エネルギー」「通信・マスコミ」は、当初の希望に比べて入社企業のほうが比率が下がり、「金融」「IT・情報処理」の2業界は、入社企業のほうが比率が高い結果となった。

 企業研究をする際に、意識したり調べたりしたことについては、「多様な働き方の制度(在宅勤務、フレックスなど)」がもっとも多く、6割以上が選んだ。この3か年で数値が大幅に増えたが(43.3%→62.6%)、コロナ下でリモートワークが推奨され、在宅勤務など多様で柔軟な働き方への関心が高まったようすが表れている。また、「育児休業の取得率」(57.9%)も増加傾向を示している。

 入社企業で予定している勤務期間については、「定年まで(なるべく長く)」が最多で、過半数を占める(52.8%)。5か年の推移を見ると、2020年卒者まで減少傾向にあった「定年まで」が下げ止まり、増加に転じた。経済の先行きが不透明な中、安定志向が強まったとも読み取れる。また、入社した企業に定年まで勤めるつもりはないという人に、自分の退職理由を予想してもらうと、「転職」がもっとも多く、約7割(69.8%)にのぼった。一方で、結婚や出産を機に退社を希望する層も一定数見られるが、年々減少。特に「出産・育児」を理由に退職したいという人は5か年で半分以下に減少した(28.1%→11.9%)。

 最終的にどこまで出世したいと考えているかを聞くと、「特に考えていない」が最多で46.6%と半数近くを占める。役職の中では「部長」(16.6%)、「役員」(10.7%)の順で希望者が多い。職掌別で見ると、総合職入社者においては課長以上を目指す人が4割を超えるのに対し(計40.4%)、その他職掌ではその半分程度にとどまる(計21.7%)。また、その他職掌では「出世したいと思わない」が2割強(21.6%)存在するなど、入社時のコースによって出世に対する意識が異なる。

 就職活動にあたり「女性でよかった」と思った経験については、女性向けのセミナーや懇談会があったこと、自身のライフプランを考え、制度や福利厚生を重視できたなどがあがった。一方、「損した」経験では、結婚や出産に対する質問や、総合職や全国型採用に対する否定的な考えの押しつけ、画一的で窮屈な就活スタイルについてなど多岐にわたった。

《田中志実》

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