【高校受験2023】愛知県公立高、校内順位の決定方式を変更

 愛知県教育委員会は2021年9月14日、全日制課程の新しい入学者選抜制度のあり方についてまとめを公表した。2023年度入学者選抜より、一般選抜の校内順位の決定において調査書の評定得点と学力検査合計得点による「A」「B」の区分は行わない。

教育・受験 中学生
愛知県高等学校教育課
愛知県高等学校教育課 全 5 枚 拡大写真
 愛知県教育委員会は2021年9月14日、2021年度第2回愛知県公立高等学校入学者選抜方法協議会議を開き、全日制課程の新しい入学者選抜制度のあり方についてまとめを公表した。2023年度入学者選抜より、一般選抜の校内順位の決定において調査書の評定得点と学力検査合計得点による「A」「B」の区分は行わない。

 愛知県では、2020年1月の愛知県公立高等学校入学者選抜方法協議会議のまとめを受け、2020年6月に愛知県公立高等学校入学者選抜制度の改善に関する検討会議を設置。2020年11月に全日制課程における新しい入学者選抜制度の大枠をまとめたが、一般選抜における校内順位の決定方式と特色選抜等については、具体的な内容を定める必要があるため、2021年度の諮問とした。

 一般選抜における校内順位の決定については現在、調査書の評定得点と学力検査合計得点の累積人数がともに各高校の定める基準人数内にある者を「A」、それ以外の者を「B」とし、校内順位の決定は「A」「B」の順で行っている。だが、「A」「B」の区分は実質的に受験生の合否に影響がなく、よりわかりやすい制度とするため、新しい入学者選抜制度では「A」「B」の区分は行わない。ただし、「A」「B」の区分を廃止することによって、評定得点と学力検査合計得点の重み付けが変化することはない。

 校内順位を決定する際、各高校が選択して用いている評定得点と学力検査合計得点の比率については、現行の3通りの方式に加えて「評定得点を2倍」する方式と「学力検査合計得点を2倍」する方式を新たに設けて5通りとし、各高校・学科の特色をより生かすことができるようにする。なお、これらの方式を適用することによって合否に関わる影響を受ける可能性があるのは、合否ライン付近に位置する受験生のみとなる。

 新たに設ける特色選抜は、「農業や工業をはじめとするすべての職業学科」「理数・体育・外国語・国際教養に関する学科、総合学科、コースを設置する普通科、特色ある教育課程を有する普通科」「地域に根差し、地域貢献を特色とする高校」が実施できる。実施時期は、一般選抜よりも早い時期に実施する推薦選抜と同じ。特色選抜と推薦選抜は併願できない。

 特色選抜の定員は、推薦選抜とは別とし、高校・学科の募集人員の20%程度までを上限に各高校長が実情に応じて具体的な人数の枠を定める。入学検査は面接を必須とし、各高校・学科の実情に応じて、作文、基礎学力検査、プレゼンテーション、実技検査から1つを選択して実施する。

 新しい入学者選抜制度の実施時期は、当初の予定どおり、現在の中学2年生が受検する2023年度(令和5年度)入学者選抜からとする。

《奥山直美》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集