校則見直し「生徒の意見が学校をより良くできる」先生97%

 カタリバが2021・2022年度に渡り実施した調査によると、生徒主体の校則見直しを全国へ広げる「みんなのルールメイキング」が、生徒のみならず先生にもポジティブな変化をもたらす可能性があることがわかった。

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生徒の意見を聴くことで学校をより良くすることができる
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 カタリバが2021・2022年度に渡り実施した調査によると、生徒主体の校則見直しを全国へ広げる「みんなのルールメイキング」が、生徒のみならず先生にもポジティブな変化をもたらす可能性があることがわかった。

 「みんなのルールメイキング」とは、校則を題材に生徒・先生・関係者が対話をしながら、立場や意見の違う人たちと納得解をつくるプロセスを体験することで、生徒主体の学校づくりを目指す取組みのことで、2022年度経済産業省「未来の教室」実証事業に採択されている。

 2022年度の調査は、ルールメイキングの実践を2か年以上継続して実施している7校の生徒・教員を対象に実施した。調査期間は2022年12月5日から2023年1月25日。ルールメイキングの活動に1回以上参加した先生の97.2%が「生徒の意見を聴くことで、学校をよりよくすることができる」と回答している。また、89.3%の先生が「教員たちは、互いの意見を遠慮なくぶつけあって話し合える」と回答している。

 2021年度の調査は、ルールメイキングプロジェクトの実証事業校12校の生徒・教職員を対象に実施。調査期間は2021年4月1日から2022年3月31日。ルールメイキング活動を中心的に進めた生徒の64.3%が「自分の意見には価値があると思う」と回答しており、活動への関わりが薄い生徒と比べて24.6ポイント高い結果となった。また、ルールメイキング活動を中心的に進めた生徒の77.3%が「社会をよりよくするために、社会問題の解決に関与したい」と回答しており、活動への関わりが薄い生徒と比べて20ポイント高い結果となった。

 2021年度、2022年度の調査から、ルールメイキングに関わった生徒は、他の生徒と比べ、意見表明や社会参加への意識が高い傾向がみられた他、先生も生徒の意見が学校を変えると感じ、さらに先生同士の対話の土壌が生まれる等、ポジティブな変化をもたらす可能性があることがわかった。

 ルールづくりに正解はないからこそ、ルールメイキングでは生徒・先生がフラットな関係性で本音を話す「対話の場」を大切にしており、「校則・ルール」をみんなで話しあうことからはじめ、学校行事や学校づくりに積極的に生徒が意見をするようになった学校も少なくないという。調査の詳細は、Webで閲覧できる。

《中川和佳》

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