駿台予備学校は2025年5月7日、2025年度の国公立大入試状況分析を更新し、志願者数の増減が目立った大学について掲載した。もっとも増加したのは東京都立大で前年度(2024年度)より1,411人増、減少したのは鳥取大で1,191人減だった。
駿台は2025年度の入試状況について、大学全体の志願者数が大幅(500人以上)に増減した国公立大について調査し、Webサイトに掲載した。志願者数が500人以上増加した大学は15大学(国立大9大学、公立大6大学)、500人以上減少した大学は12大学(国立大9大学、公立大3大学)だった。
志願者数がもっとも増加した大学は東京都立大で、1,411人の増加(志願者指数前年度比122)。以下、富山大1,365人(同126)、千葉大1,111人(同110)、横浜国立大1,040人(同112)、山口大1,002人(同119)と続き、いずれも1,000人以上と大幅に増加した。
東京都立大、千葉大、横浜国立大といった南関東の大学が多く、同じく南関東の埼玉大も971人増加(志願者指数前年度比116)している。これらの大学は、前期、後期ともに志願者が増えており、人気の高まりがうかがえる。
一方、同じ南関東であっても、東京大で1,011人(志願者指数前年度比89)、東京科学大で300人以上志願者が減少したことが判明。共通テストの平均点はアップしたものの、現役志向の高まりもあり、競争の激化を見越して志望校を下げる安全志向が働いた結果、東京都立大といった準難関大学の志願者数増加に繋がったと考えられるという。
また、東京都立大では、授業料無償化の所得制限撤廃(生計維持者が東京都内に住んでいる場合)、横浜国立大では2段階選抜の廃止といった変更点も、志願者の増加に繋がったと考えられる。
志願者数が減少した大学について、もっとも減少した大学は鳥取大で、1,191人(志願者指数前年度比74)と大幅に減少。続いて、島根大1,076人(同75)、東京大1,011人(同89)の3大学で1,000人以上減少している。ただし、鳥取大、島根大は前年度では500人以上増加していた。中国地方の国公立大について、鳥取大、島根大は2025年度入試まで3年連続、山口大は8年連続で500人以上の大幅な増減を繰り返している。大学の数が限られているこれらの地域では、一度大幅な増減が発生するとその後も増減が継続しやすいという。
志願者数の増減が目立った国公立大の状況分析は、駿台予備学校のWebサイトで確認できる。