子供がバイリンガルに育つ、LCA国際小学校が実践するユニークな教育とは

 LCA国際小学校では、世界的に評価の高い日本の学習指導要領に準拠したカリキュラムを生かし、ユニークなバイリンガル教育を行っている。同校の教育について、副校長と英語科教員2人に話を聞いた。

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LCA国際小学校が実践するユニークな教育とは
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 早期英語教育への関心が高まりを見せている。一般的な日本人家庭にとっても、インターナショナルスクールは未就学児からの有力な選択肢となり、グローバルな視野を取り入れた教育熱はますます高まっている。

 こうした中、神奈川県相模原市にあるLCA国際小学校では、世界的に評価の高い日本の学習指導要領に準拠したカリキュラムを生かし、ユニークなバイリンガル教育を行っている。子供たちは無理なく英語を習得しつつ、日本人としてのアイデンティティも確立していく。同校の教育について、3人の先生方に話を聞いた。

LCA国際小学校
荒井顕一先生…LCA国際小学校 副校長
Laurence Hind(ローレンス・ハインド)先生…英語科/3年生担任・学年主任
Angeline Oku(アンジェリン・オク)先生…英語科/1年生担任・学年主任

日本語しか話せない子が3か月で英語をマスター

--LCA国際小学校(以下LCA)は、創設者の山口紀生学園長をはじめ、魅力あふれる先生がたくさんいらっしゃいます。今日お越しくださった先生方は、どのような経緯でLCAに着任されたのでしょうか。

荒井先生:私は大手受験指導塾の講師としてキャリアをスタートし、公立小学校の教員として8年間ほど働いていました。その後、海外で教えたり、日本全国で教育セミナーを行ったりとフリーランスで活動してきましたが、ご縁があってLCAという学校の存在を知り、山口学園長の教育理念に大きな希望を感じました。未来に向かって日々挑戦しているLCAで、私も子供たちとともに学び、成長していきたいと思い、現在は副校長として学校全体のビジョンや教育方針の実現に携わっています。

LCA国際小学校 副校長 荒井顕一先生

ハインド先生:私はイギリス出身で、日本に来てからは10年以上になります。来日のきっかけはJETプログラム*で、千葉で3年間過ごした後、LCAで働いていた友人に紹介されました。私も山口学園長が掲げる教育理念やLCA独自の教育に魅了され、ぜひここで働きたいと思いました。私の教育への情熱は、生徒との絆を築くことにあります。担任として毎日子供たちの成長に携われるLCAは、私にとってかけがえのない環境です。*JETプログラム…語学指導などを行う外国青年招致事業

アン先生:私はフィリピン出身です。オクが姓ですが、「アン先生」と呼ばれています。以前は神奈川県内の英会話学校で教えていたのですが、ハインド先生と同じく、友人を通してLCAを紹介され、最初は週末のプログラムの講師になりました。初めてここに来たとき、校舎全体が明るく温かな雰囲気の中、皆が笑顔で過ごしているのを見て、「私もここで働きたい」と強く感じたのを今でも覚えています。現在はクラス担任として、子供たちと毎日楽しく過ごしながら、私自身もさまざまなスキルや知識を学び、日々成長できていることを実感しています。

--現在、ハインド先生は3年生、アン先生は1年生のクラス担任をされていますが、入学したばかりの頃は、英語がまったくわからないお子さまもたくさんいると伺っています。そこからどうやって英語力を身に付けていくのか。LCA国際小学校で実践されている英語教育の特徴について教えてください。

荒井先生:LCA国際小学校の最大の特徴は、1年生からネイティブスピーカーの外国人教員がクラス担任を務め、英語「を」教えるのではなく、英語「で」教えるイマージョン教育を実践している点です。イマージョンとは、英語で「浸す」という意味があります。つまり、学校生活を英語に浸りきって過ごしているのです。

 LCAは文部科学省が定める一条校なので、日本の学習指導要領に準拠した内容を学力の基礎としてしっかりと学びます。しかし、LCAがユニークなのは、それをおもに英語で学ぶことです。もちろん、教科としての英語の授業もありますが、この点がインターナショナルスクールとの大きな違いだといえます。

日本の学習指導要領に基づいた授業

アン先生:授業スタイルはインタラクティブ(双方向)です。ディスカッションやプレゼンテーション、ロールプレイやグループワークといった活動を盛んに取り入れることで、子供たちは「話す・聞く・読む・書く」をバランスよく学んでいきます。1クラス約20人と少人数なので、教員はひとりひとりに十分目を配れます。子供たちが英語で学ぶ内容をちゃんと理解しているかどうかを確かめながら、それぞれのペースで着実に学力を伸ばしていくようすを見届けることができます。

ハインド先生:授業以外の時間も、英語に触れる環境です。アン先生や私のように、クラス担任はイングリッシュスピーカーが担当するので、ホームルームや給食の時間など、学校生活の基本は英語が使われます。子供たちにとって、クラス担任はいちばん接することの多い身近な存在です。その人と一日中英語でコミュニケーションをとるわけですから、入学当初は日本語しかわからなかった子供たちも、3か月もすれば私たちが英語で話す内容を理解できるようになり、アウトプットも増えていきます。まさに、英語に「浸る」というイマージョン教育の本質が、子供たちの日常の中で実現できているのです。

--入学当初は日本語しか話せなかった子供たちが、3か月ほどで英語を理解できるようになるとは驚きです。子供たちはどのように英語を身に付けていくのでしょうか。

ハインド先生:入学当初は、Classroom Englishと呼ばれる簡単なフレーズからスタートします。”Line up.”(並んで)”Put your books away.”(本をしまいましょう)といった短いセンテンスの英語を毎日聞いていると耳が慣れ、少しずついろいろな表現を組み合わせて基本的な会話ができるようになっていきます。

アン先生:子供たちは、英語で指示を聞くと私や周りの子の動きをよく観察し、真似をします。私は1年生の担任なので、英語に慣れていない子供も少なくありません。ですから、ハインド先生が言ったように短いフレーズを繰り返し使いながら、ジェスチャーやイラスト、歌も活用して、子供たちが視覚的・聴覚的にも理解しやすいよう工夫しています。

英語科/1年生担任・学年主任 Angeline Oku(アンジェリン・オク)先生

--家庭では日本語で生活している場合でも、学校生活だけで英語力は身に付きますか。

ハインド先生:もちろんです。家庭では日本語のみでも問題ありません。大切なのは、英語を使う必要がある状況に日々身を置くことです。LCAはそれを自然な形で提供できています。

アン先生:教室では、子供たちが英語を使いたくなるような雰囲気を作ることも常に意識しています。たとえば、授業の始まりにはチャンツ*や詩を唱えて、「英語モード」に切り替えることからスタートします。席替えの際には、英語に慣れている子とそうでない子をペアにして、互いに支え合いながら学べるよう配慮します。子供同士がつい日本語で会話してしまうときは、私がさりげなくその会話に参加して同じ意味の単語やフレーズを英語で返すようにします。子供たちはこうした毎日の体験の積み重ねによって、英語の語彙を増やします。*チャンツ: 英語の自然な発音やイントネーションを身に付けるために、リズムに合わせて単語や文を繰り返す学習法

ハインド先生:子供同士だと、ほかの子の発言や行動をきっかけに「自分もやってみよう」と思える波及効果があります。我々教員は、言語の習得は子供が話し出す以前から始まっていることをよく理解したうえでサポートしていますが、おとなしかった子がある日突然英語で話しかけてくると、何度経験しても感動します。子供が言語を習得するスピードはとても速いですね。

アン先生:子供たちの間に争いごとが発生したときにも、自分の気持ちや考えを英語で表現するように促します。これは英語の習得だけでなく、感情のコントロールや問題解決力を養うことにもつながります。そして、日常のやり取りの中で英語を使うことに躊躇がなくなり、自信を付けていくのです。

日本語と英語、どちらの言葉でも自分の意見を伝えられる人になる

--山口学園長は今年1月に掲載した記事のインタビューの中で、「日本語と英語、どちらの言葉でも自分の意見を伝えることのできる人になってほしい」とおっしゃっていました。日本語による国語力の育成については、どのように取り組まれていますか。


荒井先生:国語の授業は日本人で、かつ国語科専任の教員が担当しています。専任教員なので、教材研究や授業準備に十分な時間をかけ、授業のクオリティを高める努力は惜しみません。山口学園長が考案した作文メソッドを活用し、日本語による表現力を養うことにも力を入れています。

ハインド先生:イギリス出身の私から見ても、日本の初等教育のカリキュラムは本当に素晴らしいと感じています。国語の授業で日本語でしか表現できない感性を育むと同時に、英語を通じて世界に視野を広げてほしい。両方の言語を尊重する姿勢は、子供たちの成長にも良い影響を与えていると思います。

英語科/3年生担任・学年主任 Laurence Hind(ローレンス・ハインド)先生

--LCAでは、日本の文化と日本人としてのアイデンティティを大切にされていますね。

荒井先生:はい。LCAでは、「日本人のアイデンティティをもった国際人」を育てることを目標に、オリジナルの教材を使って日本人としての精神、日本文化の基礎を学ぶほか、低学年から多くの書物に触れて豊富な語彙を習得します。日本人としての強みを生かし、世界とも対話できる力をもった人に育ってほしいと思っています。

--LCAの先生方にはさまざまな国や文化のルーツがあります。こうした環境は、子供たちにどんな影響を与えているとお考えですか。

アン先生:子供たちはおもにクラスの担任を通じて、自分の家族とは違う国の文化や宗教、慣習などに出会います。さらに、学年が上がれば担任も変わるので、また違ったルーツに触れることになります。日常的に国際交流と他文化理解を深められる体験はとても刺激的ですし、多様性を受け入れるマインドも育ちます。グローバル化が進んでいく中、子供たちの将来にとっては英語力だけではなく、こうした原体験も貴重な財産になっていくでしょう。

なぜLCAには優秀な教員が集まっているのか

--卒業後は、グローバル教育で評価の高い難関私立中をはじめ、素晴らしい進学実績ですが、進路に向けてLCAではどのようなサポートを行っていますか。

荒井先生:進路指導においては、「無理をさせない」という姿勢を大切にしています。偏差値の高い学校に合格する子もいますが、その子に合う学校はどこなのか、ひとりひとりに向き合いながら進路を決めていくのがLCAのスタイルです。

 なるべく塾に通わずに済むよう、校内の進路指導室には、中学受験塾で指導経験のある講師を採用し、専用の学習カリキュラムを用意しています。最近では英語受験を採用する学校が増えており、LCAで身に付いた英語力を武器として、数学や国語、そして最近では英検にも特化した対策を行っているのは大きな強みだと思っています。

進路指導室

--中学受験に精通した4名の先生が専任で、うち3名は塾での指導経験があるというのはとても心強いですね。今日の先生方も含めて、なぜLCAにはこんな素晴らしい優秀な教員が集まっているのでしょうか。

ハインド先生:山口学園長は、いつも「君たちがいちばん子供たちのことをよく知っているから」と、教員の話に真摯に耳を傾け、意見を尊重してくれます。だからこそ、我々も毎日自然と、「子供たちの話をしっかり聞こう」と思えるようになります。すると今度は、子供たちの間にも「話を聞こう」「相手の気持ちを受け止めよう」とする姿が見られるようになるのです。この素晴らしい循環のおかげで、ここでは皆がお互いを認め合いながら、自分らしく過ごせる。このように、LCAは教員にとって理想の教育が実践できる環境だからではないでしょうか。

アン先生:間違いや失敗を恐れずに挑戦できる雰囲気も、LCAならではだと思います。山口学園長が大切にされている、相手を否定しない、ジャッジしない姿勢。「それも素敵な意見だね」「おもしろい考え方だね」と肯定的に受け入れる文化がLCAにはあります。子供たちは、自分の中に芽生えた好奇心を大人の価値観や常識に潰されることなく、「もっと知りたい」「自分もやってみよう」という行動力につなげていくので、本当にのびのびと成長していくのです。毎日その姿を子供たちのそばで見守れるのは、教員として何よりも幸せなことです。

--最後に、バイリンガル教育に関心をもつ保護者へのメッセージをお願いします。

自然に楽しく身に付く授業

アン先生:2つの言語を習得することは、コミュニケーションのためだけではありません。それは子供たちに自信や柔軟性、そして世界への深い理解をもたらしてくれます。バイリンガル教育は大きなハードルに感じるかもしれませんが、LCAの子供たちは自然に楽しく身に付けていきます。バイリンガル教育は子供たちにとって生涯のギフトです。保護者の皆さんとこのワクワクした旅を一緒に歩めることを楽しみにしています。

ハインド先生:LCA のバイリンガル教育は、「国際人になれ」といったプレッシャーを与えるものではなく、日本人としてのアイデンティティを大切にしながら、世界への深い理解と幅広い視野を育てていくものです。今日お話したLCAの教育観に共感し、学校を見に来ていただけたら嬉しいです。

荒井先生:言葉はあくまでも道具であって、目的ではありません。我々が大切にしているのは、子供がその道具を使って何を伝えたいかに寄り添うこと。そして、何をしたいか、どんなふうに生きていきたいかを子供自身が見つけられるようにサポートすることです。LCAは、そんな「自分らしく生きる力」を育む場でありたいと思っていますので、オンライン説明会、そして見学会に参加してみてください。お待ちしています。

--本日は貴重なお話をありがとうございました。 


 LCA国際小学校の取材を通して強く感じたのは、バイリンガル教育にとどまらず、自分らしく生きられる人、生きることが素晴らしいと感じられる人を育てる場としての力強さだ。国際感覚を自然に育み、英語力以上の力を身に付けていく子供たちの姿に、これからの時代を生き抜くヒントが見えたような気がする。

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《畑山望》

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