【大学入学共通テスト2022】学習の過程を意識した出題…河合塾が総評

 2022年度(令和4年度)の大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の第1日程が2022年1月15日と16日の2日間行われた。河合塾は、共通テストの問題を分析のうえ「総合コメント」を発表した。

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 2022年度(令和4年度)の大学入学共通テスト(旧センター試験、以下、共通テスト)の第1日程が2022年1月15日と16日の2日間行われた。河合塾は、共通テストの問題を分析のうえ「総合コメント」を発表した。

 河合塾によれば、出題傾向は昨年から大きな変化はなく、大学入試センターが示している「思考力、判断力、表現力」を問うという問題作成の基本的な考え方、各教科・科目の出題方針に概ね則った出題であったという。

 どの教科も理解の質が問われる問題となっており、身に付けた基本的な知識や解法、公式の使い方などを十分に理解したうえで、限られた時間の中で、文章や図表、資料などの複数テクストの内容を正しく把握し、問われている設問の意図がどこに関係するのか情報を整理し、解を導く力、さまざまな場面で実践的に活用できるかを問う出題だったという。扱われた資料や図表の増減は教科によって差はあるが、出題傾向としては大きな変化はなかったが「資料等を含む問題分量は昨年同様に多く、全教科ともに限られた時間の中ですべて解答するのは厳しかった」としている。

 大学入試センターの作成方針にあるような、「どのように学ぶか」を踏まえた問題の設定として、授業において生徒が学習する場面、日常の生活の中から課題を発見し解決方法を構想する場面、資料やデータを基に考察する場面など、学習の過程を意識した出題が昨年同様に多かった。

 共通テストの特徴である会話形式や資料読解だけでなく、思考力を問う新傾向の出題として、例えば世界史Bでは、2つの異なる見解について、そのように考える根拠を問う組み合わせ問題で、1つの事象について多角的に捉える力を問う形式や、研究・議論のための史料や根拠として適当なものを選択する形式、物理基礎ではスプーンが純金製か否かを判定するために、熱、力学、電気分野を総合的に考察する問題など、これまでにない問われ方で出題がされた。

 教科・科目により強弱はあるが、センター試験と比較すると、知識や解法の暗記のみで解答できる問題は少なくなっている。しかし数学I・Aでは、センター試験時の従来型の問題が会話文形式・資料読解形式と同程度出題されており、直接的に教科学力の理解の質と活用の力を問う問題も出題された。また日本史Bにおいても従来のセンター試験と同レベル・内容の出題が多く見られた。思考力を問う設問が減り、知識・技能を問う設問が今年は増えていた。化学基礎も、従来のセンター試験の形式での出題が多かった。

 また、受験生にとっては初見と思われる教科書に載っていない資料や実験など、昨年に引き続き出題されていた。これらの問題では、資料や問題文から得られる情報と授業や教科書で学んだ既知の知識を基に関連づけ、推論、考察する力が問われているという。時事的な出題では、生物基礎で光学式血中酸素飽和計(パルスオキシメーター)に関する問題が出題された。

 学習の過程を意識した出題が昨年同様に多かったことから、「この出題傾向は今後も継続することが想定されるので日頃の学習から意識的に取り組むこと、また日常生活や社会の出来事にも目を向けておく必要がある」と来年以降の受験生に向けて助言している。

 リセマムで公開している予想平均点、問題分析および難易度、解答速報に関する記事は下記のとおり。

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